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失敗しない栽培レッスン(花)

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球根ベゴニアの育て方・栽培方法

難易度
  • 春植え
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Begonia×tuberhybrida Voss
  • 英名Tuberous begonia
  • 分類シュウカイドウ科ベゴニア属 非耐寒性球根

生育条件

  • 用途地植え・鉢植え
  • 日当たり半日陰
  • 耐寒性
  • 耐暑性
  • 土壌酸度中性~弱アルカリ性

栽培管理

  • 地植え適所・土質日当たり、風通しのよい場所で、土質は腐植質が半分以上入った水はけ、根張りのよい土を好む
  • 鉢植え用土腐植質が半分以上入った水はけ、根張りのよい土
  • 鉢サイズ・種類12~15cm鉢(特大球は18~24cm鉢)、素焼き鉢
  • 植えつけ[地植え]間隔 約20cm、深さ約3cm
    [鉢植え]深さ約2cm

栽培暦

球根ベゴニアとは

世界で最も美しい花、ベゴニアの女王。生きている造花。この世で最も豪華な花。球根ベゴニアの花の美しさを讃える言葉は枚挙にいとまがありません。20cmを超える大輪の色鮮やかな花を初めて目の前にした人は、顔を近づけ、しばしその美しさ、大きさに見とれてしまいます。

一口に球根ベゴニアといっても、現在の球根ベゴニアの花は約150年くらい前に南米アンデス山系原産の7種類の原種が欧州に持ち込まれ、それらが複雑に交配されたことに始まります。この美しい貴婦人は気難しい一面をもつことでも知られています。

それは原産地が冷涼な気候のため、日本の夏の高温多湿な気候を嫌うことです。夏に信州や北海道を旅した人は、この花が道端の花壇や庭先でいとも簡単に作られているのを見かけると思いますが、平地での梅雨明け後のご機嫌取りは非常に難しく、梅雨が明けて3~4日もすると高温のため、花や蕾を落としてしまうので、栽培管理には注意が必要です。

ポイント

鉢植えがおすすめです。
夏の北海道のような冷涼で、湿気の少ない栽培環境を好むので、5~6月の気候のときに花を咲かせると、本来の美しさを楽しめる。

植えつけ

球根ベゴニアは直接鉢に植えるより、暖かい場所で芽出しをして植える方が発芽や開花も早まります。芽出しをする時期は、球根が入手できれば3月上旬より始めます。発芽適温は17~20℃くらいです。

芽出しの方法はイチゴなどの入った透明なプラスチック容器を使います。球根は上下の判断がつきにくい場合もありますが、少し凹んだ方を上にして、清潔な川砂や赤土、ピートモスでパッキングします。その後、土を湿らすために水を与えますが、余分な水が容器内にたまると球根が腐るので、容器を傾けて水切りをします。そして、これを透明なビニール袋に入れて、袋を膨らませて口をゴムで締めておくと、乾きすぎを防ぐことができます。温室やフレームがないときは暖かい室内の日当たりのよい窓辺に置けば、袋の中は25℃くらいになり、発芽促進になります。

発芽後の管理

芽出し後、20~25℃に保つと2週間くらいで芽が動き始めるので、芽が1cmくらいに伸び始めたら鉢上げをします。2~3本の芽が出ることがありますが、放置すると2~3本の茎立ちとなり、花が小さくなるので、中心の太い芽を残し、ほかは折り取って1本立ちにします。鉢は12~15cm鉢を使います。腐植質に富んだ水はけと通気性のよい土を好むので、土の量に対して腐葉土4割、完熟牛ふん1割、ピートモス1割くらいが入った根張りのよくなる用土を使います。

球根を植える深さは、球根の上に約2cmの土がかかる深さに植えます。

生育適温は15~25℃で、東京周辺では5月の気候が最適となります。水はけがよい用土を使うので、水やりは晴天時は朝、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えます。東京周辺では5月いっぱいは直射日光に当ててかたく育てますが、6月になると日が強くなるので、日中の真上からさす日は遮光して半分くらいの光量にします。風通しのよい場所を好む植物ですが、強風に当たると大きな花や葉は傷つくので注意します。

蕾が見えてきたら支柱を立てて誘引します。蕾が大きくなってきたら、中心の雄花の左右につく2つの雌花の蕾は早めに取って、雄花が大輪になるようにします。雌花を取らずに残すと、雄花は一回り小さくなり、雌花に養分を奪われ、花弁も薄く、花もちも悪くなります。

夏、冷涼な気候の信州や北海道では夏中よく咲き続けますが、平地では梅雨が明けて気温が30℃を超えると、今まできれいに咲いていた花を1日か2日で落とすので、風通しのよい場所で、半分くらいの光量に遮光して、できるだけ涼しくするようにします。7月下旬~8月上旬にかけて、下から3~4節を残して切り戻しすると9月上旬には節の部分から芽が伸び、10~11月にかけて再び花を咲かせます。

肥料

球根ベゴニアの根は塩分を含む肥料を嫌うので、元肥には塩分を含まない緩効性化成肥料などを使用します。施し方は、下部に近い層に緩効性化成肥料をよく混ぜ合わせるようにします。追肥は葉が広がり始めたら、緩効性化成肥料を置き肥として施します。葉が緑色の間は、液肥を月に2回くらい水やり代わりに与えます。

開花後の管理

切り戻しをして秋にもう一度花を咲かせた株は、気温が下がると葉が黄ばみ、短日下で急速に球根が肥大を始めます。葉が黄ばみ始めたら、徐々に水を控えて休眠の準備をします。

12月頃になると茎の上部が枯れるので、水やりを打ち切り、土を乾かします。土が乾くと、球根は余分な水分が抜けて球皮もかたく腐りにくくなります。越冬は球根を掘り上げず、鉢のまま雨や霜の当たらない凍らない場所に置いて越冬させます。

病害虫

平地では6~7月にかけて、晴れて暑い日が2~3日続くと株が弱って傷みます。そのまま梅雨に入り涼しい日が続くと、傷んだ部分に灰色かび病が発生することがあるので、葉の傷んだ部分や鉢の周囲に落ちた花がらや枯れ葉などは早めに取り除いて、発病を防ぎましょう。害虫は、極まれに、蕾に小さなアブラムシがつくことがあるので、早めに見つけてエアゾール式の園芸用殺虫剤をかけて駆除します。

JADMA

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