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 【第40回】春を楽しむアフターガーデニング

【第40回】春を楽しむアフターガーデニング

2017/04/04

冬の間、ずっと待ち続けていた春の到来。4月は待望のチューリップなどのカラフルな春の花が咲き始め、庭に出るたびにガーデナーの心はウキウキワクワク! 今月は、春を楽しむ青木流アフターガーデニングをご紹介します!

定番の庭の花に白いチューリップを添えて写真を1枚!

「春を楽しむアフターガーデニング」はいろいろ!

わが家の春のスタートを切るのは、3月下旬に枝を覆うように小花を咲かせるギンヨウアカシア(ミモザ)。その次に、庭のあちらこちらでスイセンやチューリップなどが顔を見せてくれます。今月は、そんな春の花たちで遊ぶ、生花のアレンジやリース、寄せ植えなど、春の青木流アフターガーデニングをご紹介します。

春の楽しみ その1「春一番はギンヨウアカシアを楽しむ!」

たくさんの愛らしい小花を咲かせるギンヨウアカシアは、わが家の春のシンボル。花後、台風や雪の重みで枝が折れないように強剪定するから、その前に少しだけ枝を採って切り花やドライフラワー、リース作りなどで楽しみます。弾力性のある枝は簡単に曲げられるからリース作りに最適。洗濯ばさみで留めながら作ると簡単です。

左上の写真は、30年以上わが家の庭にすんでいるギンヨウアカシア。今では、2 階のベランダまで届くほど枝を伸ばしています! 右上の写真は、ギンヨウアカシアの枝を花留めに使った生花のアレンジ。数本花器に挿し、その隙間にチューリップやスイセンなどを生けると花が動かずアレンジが崩れません。

私のガーデニング後の楽しみの一つは、庭の草花や生花のアレンジなどの写真を撮ること。きっかけは、子どもたちのアルバムに庭の草花の写真を添えたことから。アルバムを見直すと、子どもたちの様子やそのころ育てた草花の記憶が鮮明によみがえります。今では、「園芸通信」でおなじみの壁紙カレンダーに使ったり、カレンダーを作ったり。せっかく咲いてくれた庭やベランダの花、写真に収めておくと後でいろいろ楽しめます。

春の楽しみ その2「寄せ植えで楽しむ」

今年の春の寄せ植えの主役は手間いらずな宿根草、オステオスペルマム。昨年の秋に、数年は楽しめるローメンテナンスな2種類の寄せ植えを作りました。オステオスペルマムは、冬の寒さに強いけれど夏の高温多湿が苦手。鉢植えにすると、夏は風通しのよい半日陰に、秋~春は日なたの軒下に移動してあげられます。また、水やりの加減も鉢植えなら簡単。梅雨前に刈り込んで整理してあげれば完璧です。

[1]ピンクと白の配色の寄せ植え。花材:オステオスペルマム(2種)、ローダンセマム「アプリコットジャム」
[2]黄とオレンジの配色の寄せ植え。花材:マーガレット「ソレミオ」、オステオスペルマム、サクラソウ

春の楽しみ その3「単植で楽しむ」

原種系チューリップのプレスタンス2種類の球根を、高さ約10cmの水抜き用の穴を開けたバケツに植えて、単植鉢を作りました。最初の花が終わるころに次の花が咲き始めるから、思ったより長く楽しめます。また、プレスタンスの花色は、黄やオレンジ、赤と華やかで、数年そのまま楽しめるのも魅力です。

左上の写真は、バケツの底に水抜き用の穴をトンカチとくぎを使って開けているところ。使い古したインテリア用のバケツなども簡単にコンテナに変身します! 右上の写真は、紫の小花が愛らしいクローバーの単植鉢。夏は半日陰に鉢を移動させると、蒸れずに夏越しOK。きっと来春はもっと花を咲かせるはず。

春の楽しみ その4「春の庭を楽しむ!」

配色のテーマを決めてチューリップなどを仕込むのが、わが家の晩秋の恒例行事。仕込んだ球根植物たちが咲く4月は、毎年顔を見せてくれるヒヤシンスやスイセンなどとその他の手間いらずの草花たちとの競演を楽しみます。チューリップの配色を毎年変えれば、同じ顔触れの庭でも雰囲気がずいぶん変わり新鮮です。

[1]テーマはエレガント。チューリップ「ナイトクラブ」と「サンネ」を抜てき
[2]春一番に咲く、手間いらずの丈夫なベロニカ「オックスフォードブルー」
[3]手間いらずの丈夫な栄養系スイートアリッサム。花後、切り戻しておくと秋も満開に
[4]わが家の春の定番球根植物、ヒヤシンスとスイセン「テータテート」

春の楽しみ その5「春後半は新芽の緑を楽しむ!」

カラフルな春の花たちが終わる4月後半は、着々と枝葉を広げる花木や宿根草などの色とりどりの葉ものたちを毎朝眺めるのが私の日課です。ライムグリーンや銅葉、濃い緑、斑入り葉など、みずみずしい新芽の緑は、春後半から初夏が一番美しい季節。眺めているだけで、ワクワクしながらも心が落ち着きます。華やかな春の花に負けない葉ものの美しさや力強さ、癒やしのパワーを感じます。

[1]常緑低木のイレックス「サニーフォスター」。春の新芽や秋の葉色が美しい
[2]耐寒性&耐暑性が強く、秋に白花を咲かせるユーパトリウム「チョコレート」
[3]初夏に白花を咲かせる、手間いらずの宿根草のペンステモン「ハスカーレッド」
[4]葉色が個性的な銅葉のヒューケラ「マホガニー」。庭のアクセントに最適 
[5]手間いらずの常緑ツルマサキ「エメラルドゴールド」。グラウンドカバーに!

「春はガーデニングの季節」とよくいいますが、秋に春の球根植物を仕込み、宿根草などの株分けや整理をしたから、わが家では園芸作業はほとんどありません。ただひたすら、仕込んだ球根植物や季節の手間いらずの植物たちが顔をのぞかせるのを待つだけ。だから、春は、わが家ではガーデニングというより、アフターガーデニングを存分に楽しむ季節なのです。なかでも、一番手軽に楽しめるのが生花のアレンジ。庭やベランダに咲く花をテーブルに飾って、ご家族と一緒に春を楽しんでみませんか?

次回は「ハーブを生活に取り入れる“ハーバルライフ”を提案! 神戸布引ハーブ園を訪ねて その1」を取り上げる予定です。お楽しみに!

JADMA

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