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Plant of Kunming [その3] コラロディスクス

小杉 波留夫

こすぎ はるお

サカタのタネ花統括部において、虹色スミレ、よく咲くスミレ、サンパチェンスなどの市場開発を行い、変化する消費者ニーズに適合した花のビジネスを展開。2015年1月の定年退職後も嘱託として勤務しながら、花とガーデニングの普及に努めている。
趣味は自宅でのガーデニングで、自ら交配したクリスマスローズやフォーチュンベゴニアなどを見学しに、シーズン中は多くの方がその庭へ足を運ぶほど。

Plant of Kunming [その3] コラロディスクス

2018/07/03

現代中国は、交通インフラに対する投資がものすごいスピードで進んでいます。昆明も例外ではありません。昆明は、1県級市、3県、3自治県、7市輨区を持ち人口600万人以上、出稼ぎなどの人を加味するとその数は定かではないほどの大都会です。そのロケーションは、ベトナム、ミャンマー、タイなど東南アジアの経済を見据える位置にあり、南アジア方面の戦略都市でもあります。昆明は、東南アジアの成長センターとしての役割を持ち南へ西へ道が延びていきます。

中国は、二昔前は、自転車の波。一昔前は、バイクの洪水。今は、自動車で溢れていました。昆明では絶えず、高速道路が東西南北に延びて行きます。この国の社会変化は、私たちの想像をはるかに超えています。

昆明から南西に向かうと、まず西山と呼ばれる標高2500mほどの山塊が見えます。

西山を遠くから見るとその稜線は美しく、お釈迦様があおむけで寝ているようであるとか、寝ているご婦人であるとかいわれています。私は、ご婦人に一票差し上げます。

近くに行くと西山の地形は断崖絶壁になっていて、この厳しい地形に龍門という石窟が掘られています。中国には、龍門と呼ばれる名所がいくつかありますが、この龍門こそ、登竜門の語源と見られています。

龍門に向かう断崖には、鳳凰が彫られていたり、極彩色の仏様が刻まれていてちょっとした名所になっています。

崖の岩肌には、雲南以外では見られない、イワタバコ科の植物が生えていました。普通、この仲間は、半日陰の薄暗い場所で湿度の高い場所に生えるのが普通です。しかし、この植物は、日当たりの強い乾燥した場所に平気で生えています。

コラロディスクス フラベラトゥスCorallodiscus flabellatusイワタバコ科コラロディスクス属の宿根草で和名はありません。標高2000~300m程度の山地の岩肌に自生します。種形容詞のflabellatusとは、葉が小扇形だということを意味しています、オウギというよりはウチワに見えます。

コラロディスクス フラベラトゥスの葉は全てロゼット状に密生して生えるので、とてもお行儀がよいのです。それは、鉢植えにする場合に適する素質です。深いしわがあり軟毛が密生して生えます。

この植物の花は、ラベンダー色です。昆明科学院の先生によると、白、ピンクの花色もあるそうです。葉腋から10cmほど花序を立て数個の花を咲かせる姿がかわいく、7~9月の短日期の花の少ない時期に咲くことを考えるとよい園芸植物なるに違いありません。

次回は「Plant of Kunming [その4] 青い悪魔とパラボエア」です。お楽しみに。

JADMA

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