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第33回全国都市緑化よこはまフェア バラ編

第33回全国都市緑化よこはまフェア バラ編

2017/05/30

盛り上がりを見せている「第33回全国都市緑化よこはまフェア」(以下よこはまフェア)。会期は6月4日までと残りわずかですが、花盛りはまだまだ続いています。特にこの時期はバラが各所で一斉に開花し、香りとともに美しい花々をお楽しみいただけます。そのバラの数は約8000株ともいわれています。


バラは横浜市の花に制定され、長い歴史の中で、横浜市民に愛されてきました。今から150年以上も前、横浜開港とともに、西洋バラが日本に上陸し、当時は「いばらぼたん」や「洋ぼたん」と名付けられ、一般の市民には手に入らない高根の花であったのです。当時に思いをはせながらバラの美しさに酔いしれてみてはいかがでしょうか。


数ある見どころの中から今回は特にバラが美しい公園を中心にご紹介します。香りをお届けできないのが残念ですが、それはぜひ出掛けて、ご自身で味わってみてください。初夏の爽やかな風、新緑とともにバラたちが出迎えてくれることでしょう。

「みなとガーデン」の一つ、港の見える丘公園は必見!

港の見える丘公園にある「イングリッシュローズの庭」で見られる「黄色の回廊」。バラ「グラハム トーマス」を中心とした黄色のバラのトンネル

都心臨海部の「みなとガーデン」の一つ、港の見える丘公園では今、バラが花盛り。約100品種、500株の香りのバラの優しい香りに包まれる「香りの庭」や、約150品種、1200株のイングリッシュローズを中心としたシルバーやブルーの草花による色彩のハーモニーが楽しめる「イングリッシュローズの庭」など見どころが盛りだくさん。

港の見える丘公園の「香りの庭」にはこの春、ここでしか見られない横浜ゆかりのバラが登場しています。その名は「セント オブ ヨコハマ」、花名の意味は「横浜の香り」。淡いサーモンピンクのロゼット咲きで、ティー系の強い香りがあります。港の見える丘公園のシンボルローズとして植栽されているのでお見逃しなく!

横浜ベイブリッジをはじめ横浜の景色を一望できる展望台の前には、「ハンギングバスケットの丘」が登場。「春の港を彩るハンギングバスケット」をテーマにさまざまな彩りのハンギングバスケットが展示されています。また、広場中央にはミニチュア西洋館を配した山手地区のかわいい街並みも展示。横浜開港当時の雰囲気を再現したミニチュア西洋館の精巧さには目を奪われます。

「イングリッシュローズの庭」で見られる「黄色の回廊」では、バラ「グラハム トーマス」。ここでは黄花を引き立てるために紫色の植物も合わせて植えられています。このほか黄色のバラは「シャーロット オースチン」「ザ ポエッツワイフ」など。紫の花はクレマチス「ジャックマニー」、アリウム ギガンチューム、アベリア「ホープレイズ」など。

100品種以上の香りの植物が天然の香水となり、来園者を優しい香りで包み込む「香りの庭」。パーゴラやポールにつるバラが幾重にも誘引され、まさしくバラに囲まれた空間で優雅な香りを堪能できます。

「ハンギングバスケットの丘」では100基以上の迫力あるハンギングバスケットが並ぶエリアが登場。横浜ベイブリッジを眺める最高のロケーションで、潮風を感じながら花々を楽しむことができます。

「花や緑で彩られた美しい横浜の街」を、山手西洋館をモチーフにしてつくりあげたミニチュアガーデン。港の見える丘公園内には横浜市イギリス館、山手111番館など3つの洋館があるので併せて見学してみては。

概要

名称:第33回全国都市緑化よこはまフェア
会期:2017年3月25日~6月4日の72日間
問い合わせ先:NTTハローダイヤル050-5548-8686(8:00~22:00)FAX 045-264-8978 6月4日まで
定休日:なし
開場時間:「里山ガーデン」は9:30~16:30
入場料:無料(有料プログラムなどあり)
駐車場:専用駐車場なし。公共交通機関をご利用ください

「みなとガーデン」のメイン会場 山下公園もバラ盛り

山下公園にある「未来のバラ園」。約190品種、2600株のバラと宿根草の競演が楽しめる

「みなとガーデン」の一押しスポットでもある山下公園。今の時期は約190品種、2600株のバラを見ることができます。ここでは氷川丸をバックに、連続するアーチやオベリスクによる立体的な演出で、訪れる人を魅了しています。中でも「未来のバラ園」ではバラと草花の華麗な競演が見事で、夜にはローズゲートなどのライトアップも。

日が長くなり、夜風も気持ちよいこれからの季節は夜のお散歩もおすすめです。このほか、ライトアップのある日本大通りの「日本大通りフラワーフェスタ」ほか、光と音のアート空間で見せる光の立体花火のあるグランモール公園も訪れてみたいスポットです(ライトアップは6月4日まで)。

「未来のバラ園」ではスタンダード仕立てのバラや連続するアーチのバラ、オベリスクに誘引されたバラなど、立体的な演出で来場者を魅了。まさに色彩のコンチェルトが楽しめます。夜はローズゲートなどのライトアップで、沈床花壇の空間が立体感豊かに演出されます。

「未来のバラ園」の沈床花壇の中央で見られる「ル ポール ロマンティーク」。この春、「よこはまフェア」でしか見られない、横浜ゆかりのバラ。サカタのタネでは先行販売をしています。花名の意味は「ロマンチックな港」。かつてフランス波止場だったこの地に植栽されています。数輪の房になり花つきがよいので、満開時は圧巻の景色に!

山下公園にある「天空のパティオ」。公園内一番の眺望スポットである世界の広場では、大壁面をエスパリア仕立てのバラとゼラニュームのハンギングバスケットで覆い、高台での空間を演出しています。テラコッタカラーの壁面に深紅のバラやゼラニュームで、スペインをイメージした空間に。

日本大通りにある「フラワーフェスタ」。イチョウ並木の下に広がる花壇は、この時期バラを中心とした「華麗なるバラの競演」に。約350品種、1000株以上のバラを中心とした花壇は、全長約200mにわたります。いつもの並木が、美しい花々とともに出迎える、彩り豊かな並木に変身です。

横浜らしいレトロモダンな街並みが広がる都心臨海部が花に彩られた「よこはまフェア」。「みなとガーデン」では山下公園を中心にみなとみらいエリアから関内地区、山手エリアまで、ネックレスのように連なる8カ所の花と緑の会場が続いています。まち、人、時をつなぎ、美しい横浜を表現した「よこはまフェア」にぜひ足をお運びください。

「みなとガーデン」概要

会場:港の見える丘公園/山下公園/横浜公園/日本大通り/象の鼻パーク/新港中央広場/運河パーク/グランモール公園の計8エリア
会場コンセプト:「歴史と未来の横浜・花と緑の物語」歴史的建造物の緑化や観光地として魅力ある景観を花と緑で引き立てるだけでなく、さまざまな緑化技術や手法を用いて演出する。
主な見ごろ:16万本のチューリップガーデン、サクラコンテナは4月中旬まで、ジャクリーンガーデン、球根ミックス花壇は4月下旬まで、未来のバラ園は5月上旬~6月上旬
交通アクセス:JR横浜線・市営地下鉄「関内」「桜木町」駅下車、みなとみらい線「みなとみらい」「馬車道」「日本大通り」「元町・中華街」駅下車ほか
総合案内所:横浜赤レンガ倉庫1号館1階(10:00~17:00)6月4日まで

森を楽しむ仕掛けがいっぱい「里山ガーデン」

里山ガーデンに到着すると、よこはまフェア 広報親善大使の三上真史さんがデザインした花壇とガーデンベアのフォトスポットである「ウェルカムガーデン」がお出迎え

横浜市西部の自然豊かなエリアに誕生した「里山ガーデン」。新緑の森に囲まれたガーデンでは、県内唯一の「谷戸のカキツバタ園」や市内最大級の「横浜の花で彩る大花壇」を中心に、横浜市内産のペチュニアをはじめとする、約45万本、約200種類の植物が楽しめます。

また、樹上から森を滑走する空中アスレチックをはじめ、グランピングやツリーテント、スラックラインなど幅広く体験できるほか、森の中のカフェ(MORI café)では愛らしいオリジナルパンケーキもいただけます。里山の魅力、楽しみ方を身近に実感、体感できる空間の「里山ガーデン」。都会の喧騒から離れて、緑豊かな横浜の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

3月25日から開催された「よこはまフェア」も6月4日までとあとわずか。「歴史と未来の横浜・花と緑の物語」のテーマどおり、これまで横浜が培ってきた歴史と文化、花と緑の取り組みにさらに磨きがかかり、未来へ引き継がれていくことを実感するフェアといえましょう。

「ウェルカムガーデン」を通り、林の中を抜けると巨大な花のキャンバス「横浜の花で彩る大花壇」。横浜市内産のペチュニアをはじめ、初夏を代表する花々で埋め尽くされた市内最大級の1万平方メートルの大花壇です。花畑の中を散歩したり、デッキから大キャンバスを望んだり、ここでしか得られない感動を味わってみて。

都会の喧騒から離れた里山ガーデンではビルや電柱の見えない広い空の下で花々が楽しめることも貴重です。「横浜の花で彩る大花壇」では赤や青のグラデーションの花壇がティフトンとペレニアルライグラスの青々とした芝生の中に描かれています。ペチュニア、サルビア、ポピー、ルピナス、オルレア、ハナビシソウ、アゲラタム、スカビオサほか。

「谷戸のカキツバタ園」は谷戸の湿地環境を生かした県内唯一、最大級のカキツバタ園。園路や水辺に張り出した観賞デッキから、カキツバタと周辺の新緑を楽しんで。10万本以上のカキツバタ、ハナショウブが湿地を紫色に染め、上空には500匹の鯉のぼりが泳ぎます(鯉のぼりは5月19日まで)。

懐かしくも美しい里山の風景が一面に広がる「谷戸のカキツバタ園」ではカキツバタだけではなくハナショウブも楽しめます。写真の花は「乙女」。「谷戸のカキツバタ園」のある東入り口と正面入り口を結ぶ外周園路では、汽車型のパークトレイン(有料)に乗車できるので、車窓からカキツバタを眺めることも。

「里山ガーデン」概要

会場:横浜動物の森公園植物公園予定地(よこはま動物園ズーラシア隣接)
会場時間:9:30~16:30
会場コンセプト:緑豊かな横浜~里山の魅力、楽しみ方を身近に実感、体感できる空間。市内で最大級となる花の景観や、自然の樹林を使ったアスレチックなど、子どもから大人まで楽しめる
主な見ごろ:谷戸の菜の花畑は4月中旬まで、谷戸のカキツバタ園は5月上旬~6月上旬
交通アクセス:相鉄線「鶴ヶ峰」駅、「三ツ境」駅、JR横浜線・市営地下鉄「中山」駅から『よこはま動物園北門』バス停下車ほか
総合案内所:正面入口広場(9:30~16:30)

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