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シャクナゲ

シャクナゲ

2018/05/01

「花木の王様」といわれているシャクナゲ。常緑の葉を付けた枝先に房になってつややかに花が咲く姿は世界中の人々を魅了し、愛好家の多い植物の一つです。シャクナゲの仲間は世界に約850種あり、北半球を中心に自生しています。ヤクシマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲなど日本にも数種が自生しています。江戸時代末期、来日したヨーロッパの人々は日本に自生するシャクナゲに興味を示し、自国に持ち帰りました。その後、日本の自生種を交配親にして改良を重ね、次々に新しい品種を生み出したといわれています。今回ご紹介する施設では、日本固有の種から西洋シャクナゲまで幅広く栽培されています。愛好家を引き付けてやまないシャクナゲの世界にぜひお出掛けください。

東武ワールドスクウェア

シャクナゲパークの中央にあるフォトスポットに咲く淡いピンク色の「バビロン」

東武ワールドスクウェアは、栃木県日光市鬼怒川温泉にある世界の建築物や世界遺産を25分の1の縮尺で再現したテーマパークです。園内には、アメリカ合衆国の自由の女神、エジプトのスフィンクスなど、ユネスコの世界遺産に登録されている46物件を含め、21カ国102点の有名建造物が精巧に再現されています。ミニチュアの建造物が所狭しと並ぶ園内の一角には、早咲き、遅咲きを含め190種類のシャクナゲが咲く「シャクナゲパーク」があります。色とりどりのシャクナゲに囲まれた2000坪の庭園は、テーマパーク内とは思えない趣きのある世界が広がります。近隣の山の緑とシャクナゲの華やかな花色とのコントラストは見事。美しい景色を楽しむことができます。

園内では唯一の黄花シャクナゲ「ウィリアムキング」

5月中旬ごろに一番の見ごろを迎える紫花の「ブルーピーター」

4月下旬に見ごろを迎える「ミッションベル」は春らしい柔らかな色合い

西洋シャクナゲだけでなく、日本に自生するシャクナゲも植栽されている

施設概要

〒321-2593
栃木県日光市鬼怒川温泉大原209-1
電話番号:0288-77-1055
休園日:年中無休
開園時間:3月20日~11月30日/9:00~17:00、12月1日~3月19日/9:00~16:00(入園は閉園の1時間前まで)
入園料:大人2800円、小人1400円
駐車場:有料駐車場あり
シャクナゲの見ごろ:4月下旬~5月下旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)

浅間高原シャクナゲ園

浅間高原シャクナゲ園から望む雪山。すがすがしい景色を堪能できる

群馬県嬬恋村のシンボルでもある広大なキャベツ畑の奥に、浅間高原シャクナゲ園はあります。三ツ尾根山麓に広がる同園では、5月中旬~6月上旬にかけておよそ15万株ものシャクナゲが咲き誇ります。アズマシャクナゲ、ヤクシマシャクナゲ、ハクサンシャクナゲなど日本に自生するシャクナゲを観賞することができます。ほぼ同じ時期に珍しい白色のコマクサ、レンゲツツジ、イワカガミなど高山植物を楽しめるのも魅力です。「天空のお花畑」「秘境のお花畑」などといわれる同園は、東京ドーム10個分の広さ。園内はとても広く一日で全てを堪能するのは難しいほどです。「都心から3時間で行ける北海道」といわれるほどの雄大な景色を楽しむことができる展望台は、同園一番のおすすめスポットです。ぜひ足を運んでみましょう。

日本に自生するハクサンシャクナゲ。花弁は桃色を帯びた白色で、なんともかわいらしい色合い

鹿児島県屋久島に自生するヤクシマシャクナゲ。その美しさから世界中のシャクナゲ愛好家からの人気が高い

夏の高温多湿の環境には弱いレンゲツツジ。冷涼な環境の同園では、満開のレンゲツツジを楽しむことができる

シャクナゲと同時期に開花し、高山帯の砂礫地(されきち)に生えるコマクサ。花の美しさと他の植物と一緒に生育しないことから高山の女王ともいわれている

施設概要

〒377-1524
群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原
電話番号:0279-86-5077(浅間高原観光協会)
休園期間:11月上旬~4月下旬まで降雪のため休園
浅間高原しゃくなげ園まつり期間:2018年5月11日~6月3日
イベント開催時間:9:00~16:00(天候により変更の可能性あり)
イベント開催期間の入園料:美化協力費 大人300円、小学生以下無料
駐車場:無料駐車場あり
シャクナゲの見ごろ:5月中旬~6月上旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)

神奈川県立 七沢森林公園

「森のかけはし」と呼ばれている白く優雅な橋。深紅のシャクナゲとのコントラストが美しい。橋からは七沢の街並み、神奈川県の屋根とも呼ばれる丹沢山塊の雄大な景色を望むことができる

神奈川県立 七沢森林公園は東丹沢の麓にあり、起伏に富んだ地形に雑木林が広がる自然豊かな公園です。 広さは約65ヘクタール、横浜スタジアムの24個分の広さです。園内の中心にあるおおやま広場からは、丹沢の山々が広がる雄大な景色を楽しむことができます。隣接するシャクナゲ園では、多くの西洋シャクナゲが植栽されており、4月中旬~5月中旬にかけて、色とりどりの花を咲かせます。

おおやま広場からの景色を眺めながらシャクナゲを楽しめる

赤色のシャクナゲ。1つの花序に10~15花咲くので、手まりのようなかわいらしさがある

シャクナゲは高山植物としての性質が強く栽培が難しかったが、日本の気候に合ったシャクナゲの開発が進み気軽に楽しめるようになった

濃い紫色の斑点が入る個性的なシャクナゲ。他にも赤色、ピンク、紫色、白色など多くのシャクナゲが楽しめる

施設概要

〒243-0121
神奈川県厚木市七沢901-1
電話番号:046-247-9870
休園日:年中無休、公園管理事務所と他施設は12月29日~1月3日休館
入園料:無料
駐車場:無料駐車場あり(4~11月の土、日、祝日のみ有料)
駐車場利用時間:3~11月 8:30~18:00/12~2月 8:30~17:00
シャクナゲの見ごろ:4月中旬~5月中旬(開花状況は気温により変動するため事前にご確認ください)

JADMA

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