タネから広がる園芸ライフ / 園芸のプロが選んだ情報満載

特集

Vol.6 ラベンダー|暮らしを彩るハーブのはなし

2016/06/16

心地よい香りと鮮やかな紫色が初夏にぴったりの癒しのハーブ、ラベンダー。
北海道・富良野の大地の一面に紫のじゅうたんが広がる美しい景色をテレビや写真などで一度は目にしたことがある方も多いと思いますが、庭先やベランダに一株あるだけでもその癒し効果は抜群。暮らしのさまざまなシーンで楽しませてくれます。

癒しの香りと美しい花色!ラベンダーってどんな植物?

ラベンダーはシソ科の植物で、属名の“Lavandula”は「洗う」という意味のラテン語に由来していると言われています。
その豊かな香りは広く愛され、アロマ製品やお茶などの香料にも多く活用されています。

ラベンダーにはいくつかの系統がある

先端がウサギの耳のようなストエカス系のラベンダー(フレンチラベンダー)

たくさんの品種があるラベンダーは、大きく5つの系統に分けられます。
系統ごとに花穂の形状から香り、開花期や耐寒性なども異なります。

出典:『園芸通信』2011年2月号より

これだけおさえておけばOK!栽培のコツ

寒さには比較的強い!

代表的な品種であるアングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー)は寒さに強く、マイナス15℃程度までなら耐えられます。北海道などの寒冷地でよく栽培されている品種がこれです。
他の品種も寒さには強いものが多いので、夏の高温多湿をうまく管理してあげれば0℃以上の環境なら越冬できるでしょう。

湿気は大の苦手…

庭植えも鉢植えも、日当たりと風通しのよい場所を選ぶのがポイント。
ラベンダーは基本的に乾燥気味の環境を好みます。
過湿を嫌うので、鉢植えの場合は雨が続く時は軒下などに移してあげてください。

植えつけ時の用土にはパーライトや砂などを混ぜ、水はけのよい土を用意しましょう。
水やりも控えめに。土が乾ききった頃にたっぷり与えます。

先に説明した系統ごとの特性を参考に、育てる環境に合った種類を選ぶことが大切です。
日本の暖地で栽培する場合、強健な交配種のラバンディン系や、比較的暑さに強いストエカス系(フレンチラベンダー)の品種がおすすめ。

思い切った剪定で株をリフレッシュ

梅雨入りの頃は、株が蒸れないように細くて力のない枝や内側に伸びている枝などを整理して切り、風通しをよくしておきます。そして初夏の花後、冬を迎える前の年2回、強剪定をします。この時、各枝には必ず葉を残しておきましょう。

ラベンダーは花を早めに収穫するのも株を長持ちさせるポイント。
花を摘み取りながら、とてもよい香りに包まれるのはまさに至福の時です! 実はラベンダーは眺めているだけではあまり香りは感じません。枝葉同士がこすれたり、切ったりすると香りが立ち込めるのです。
摘み取った花は、部屋の中に生けたりドライポプリにして存分に香りを味わってくださいね。

おすすめのラベンダー活用法

刈り取ったラベンダーを切り花として楽しめるのは2日ほど。その後は風通しのよい日陰に干してドライフラワーにしましょう。
ラベンダーバンドルズやサシェなどにすれば、おしゃれにアロマを取り入れることができます。また、心地よい癒しの香りも、虫にとっては大敵。ラベンダーには虫除け効果も期待できます。

玄関のインテリアとしてもすてきなラベンダーバンドルズ、枕元や洗面タオル用のサシェ、ベランダ近くにはアロマオイルを…など、場所や用途に合わせてラベンダーを活用してみてくださいね。

数本ずつ束ねてリボンで編み込んでラベンダーバンドルズに

袋にドライの花穂を入れたサシェを枕元に

まとめ

北海道・富良野のラベンダー畑を訪れた時、花色の美しさと香りに魅了されました。
一面のラベンダー畑を自宅の庭に再現するのはむずかしくても、花壇の一部や鉢を使って「ラベンダーコーナー」を作ってみることをおすすめします。たとえ一株でも、ラベンダーならではの美しい草姿と鮮やかな花色、そして豊かな香りをお楽しみください!

(文:園芸通信編集部)

次回はクレソンをご紹介する予定です。お楽しみに!

JADMA

Copyright (C) SAKATA SEED CORPORATION All Rights Reserved.