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特集

Vol.11 ローズマリー|暮らしを彩るハーブのはなし

2016/11/24

料理に使われることも多く、香り高い代表的なハーブのローズマリー。上に向かって2m近くまで成長する「木立性」、横や下に垂れ下がる「ほふく性」、両方の性質で上にも横にも伸びる「半ほふく性」の3タイプがあります。
丈夫でまとまりもよいので、大きめの鉢で育てて玄関先に置いてご家庭の「シンボルハーブ」にしてみませんか。

ローズマリーってどんな植物?

ローズマリーはシソ科の常緑性低木。もともとは地中海沿岸地方を原産地として広がり、強い香りが特徴のハーブです。病害虫はほとんど発生しないので、初心者にもおすすめできます。

食用ハーブとしてだけではなく、よく茂ってまとまる性質を生かして、玄関先やお庭の境界垣などに使われているのも目にしますね。
ローズマリーは比較的丈夫で育てやすい常緑低木ですが、日本のような高温多湿の梅雨~夏は枝を刈り込んで風通しを良くしてあげましょう。また、冬の霜に何度も当たると枯れてしまう恐れがあるので、霜よけにポリマルチをしてあげるのが理想的です。鉢植えならば、比較的暖かい軒先やベランダなどが適しています。
根がしっかりと張ってくると、ぐんぐん成長します。時々大きくなり過ぎて困る…なんていうこともあるので、適宜剪定して管理しましょう。

また、香りが強いハーブとして有名なローズマリーは、まずは少しずつ楽しんで、徐々に使う量を増やしてみてください♪

これだけ押さえておけばOK 栽培のコツ

湿気のある場所はNG

ローズマリーは湿気と蒸れが苦手なので、風通しがよい場所を選びましょう。さらには日当たりがよい場所が理想ですが、明るい日陰でも大丈夫です。
地中海沿岸地方原産ということからも分かるように、乾燥した環境を好みます。乾燥には強いけれど、水をやり過ぎると根腐れする心配があるので気を付けてください。

まめに切り戻しを!

生育旺盛なローズマリーは放っておくと木質化してどんどん大きくなってしまいます。鉢などで育てている場合、理想の大きさや形があるかと思います。こんもりとしたローズマリーにしたい場合は、まめに切り戻しをしましょう。ただし切りすぎには注意!必ず葉の部分は残すようにしてください。

植え替えの際は注意が必要

ローズマリーはぐんぐん成長する分、鉢植えで育てると根詰まりしやすい傾向にあります。1~2年に一度、春先や秋に植え替えてあげるとよいでしょう。
鉢から抜いて根の状態をチェックします。根がびっしりと詰まっている場合は、何箇所か根の部分をはさみで切って少しずつ整理します。全体の土を落としてきれいさっぱりとほぐしたくなりますが、根を傷める心配があるので丁寧に行うのがポイントです。根が整理できたら一回りぐらい大きな鉢に植え替えます。

もしも一度にたくさん採れたら…

刈り取ったローズマリーをグラスなどに水を入れ生けておくのがおすすめです。水が濁らないように毎日取り替えれば、2~3週間はみずみずしさを保つことができます。

冷凍保存

便利な冷凍保存ができます! 刈り取ったローズマリーはきれいに洗って、水けを切ってから保存袋に入れます。枝付きの状態でも、葉だけを取ってからでもOK。冷凍庫から出して凍ったままでお料理に使えます。長期間冷凍保存すると香りが落ちて劣化してしまうので、1カ月以内に使い切るのがおすすめです。

オイル漬け、ビネガー漬け

あると便利で保存が利くのが、オイル漬けやビネガー漬け。
オイル漬けは、きれいに洗って十分に乾燥させたローズマリーを、お好みのボトルに入れてオリーブオイルを注ぐだけ。バゲットにつけたり料理に使ったりすると、風味豊かに仕上がります。
また、ビネガーにローズマリーの枝をつけておくだけのハーブビネガーは、サラダやグリルした肉や魚によく合います。ビネガーの酸味とローズマリーの風味でとても爽やかな仕上がりに!

おすすめのローズマリーを使ったレシピ

ジャガイモとの相性バツグン!

カットしたジャガイモにフレッシュローズマリーの枝を入れて、少し多めのオイルと、塩、こしょうでじっくり炒めるだけでもとてもおいしくいただけます。

ハーブクッキー

みじん切りにしたローズマリーの葉をクッキー生地に練り込みます。特に甘さ控えめのソルトクッキー生地と合わせれば、おつまみにもなりそうな大人のクッキーに♪

ローズマリーのドライハーブ

刈り取ったローズマリーはゴミを取り除き、そのまま風通しの良い場所で自然乾燥させます。
自然乾燥が難しい場合は、電子レンジでもOK。耐熱容器にキッチンペーパーを敷き、ローズマリーを枝ごと並べ、600Wで約3分加熱します。加熱後、粗熱が取れたら葉の部分だけを落とします。
ハーブソルトにすれば、いろいろなお料理に使えますよ! 清潔な保存容器に乾燥剤を入れて保存できますが、香りを楽しむためにもできるだけ早めに使い切りましょう。

まとめ

生育旺盛で強い香りを持つたくましいハーブ、ローズマリーをご紹介しました。
濃いグリーンの生き生きとした葉には、元気をもらえます。
環境が合えば、放っておくと本当に「木」に成長するローズマリー。まめに手を入れてあげて理想の樹形とサイズを保ちたいですね。

(文:園芸通信編集部)

今回でこの「暮らしを彩るハーブのはなし」は最終回です。この記事をきっかけに、ハーブを育て始めてくださった方がいればとてもうれしいです! ご愛読ありがとうございました。

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