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初心者向け!ナスの栽培方法・育て方のコツ 初心者向け!ナスの栽培方法・育て方のコツ

初心者向け!ナスの栽培方法・育て方のコツ

2017/10/26

さまざまな調理ができ、レシピも豊富なナス。一年を通して食卓で親しまれ、家庭菜園でも人気の野菜です。今回は、秋まで楽しめるナスの栽培方法・育て方のコツをお伝えします。

家庭菜園で初心者におすすめのナスの種類

ナスには4つの種類があります。育て方に大きな違いはありませんので、お料理の用途や好みで選んで大丈夫です。

中長ナス

スーパーなどで売られている一般的なナス。煮る、焼く、漬物など、どんな料理にも使える万能タイプです。

くろぷり(R)

実付きがとてもよく、長い期間にわたって収穫できます。果実はツヤツヤで食欲をそそる美しさ。見かけだけでなく、どんな料理にも合うおいしさです。

くろぷり(R)

黒福

皮は柔らかくみずみずしさにあふれています。口当たりがよく、食味も抜群。収穫期全般を通して果形の乱れが少なく、育てやすいです。

長ナス

主に焼いたり煮たりする料理に合います。漬物にはあまり向いていません。

飛天長(ひてんなが)

丈夫で育てやすく、なり疲れしません。草姿が強く耐暑性にも優れているので、夏を越して秋まで収穫できます。作りやすく、皮が柔らかく、甘みたっぷりです。

飛天長

夏豊作(R)

30~40cmで収穫する細長い「ひもなす」タイプです。実付きがよく、生育旺盛です。また、病気にも強く、長い間収穫できます。炒め物などの加熱調理をすると、トロッとした食感がおいしいです。

丸ナス

主に漬物などに向いているナスです。

うす皮味丸

柔らかく味もよい小型の丸ナス。果皮は薄く黒紫色で光沢があり、多収。果肉が柔らかいので丸ごと漬け物にしてください。

うす皮味丸

水ナス

こちらも主に漬物などに向いているナスです。

ごちそう

皮が柔らかく、ジューシー。アクが少なく甘みが強いので、サラダなど生食も可能です。

ごちそう

ナスの育て方とコツ

ここでは、ナスの栽培で失敗しないためのポイントを中心に、家庭菜園の流れをご紹介します。ナスの苗は5月上旬~6月中旬に植え付け、収穫は早ければ6月中旬くらいから可能です。

事前準備のポイントと注意点

プランター

1株に対して直径・深さともに30cm以上の大きなサイズのものが必要です。

野菜用の培養土を使います。ナスは土の環境条件に敏感なので、安全で品質のよい土を選ぶようにしましょう。

支柱

苗の植え付け時に立てます。茎を支柱に留め、茎が折れたり苗が倒れたりしないよう安定させましょう。

その他

ナスは横に広がるように育つので、少し広めにスペースを確保しましょう。

【ナスは連作障害に注意】

どの野菜でも連作障害は起こりますが、特にナスは連作障害による影響が出やすく、萎凋病(いちょうびょう)、半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)、半枯病(はんがれびょう)などの病気のリスクも高まります。使用する土には気を付けましょう。新たに野菜用の培養土を購入して使用すれば病気にかかる心配はありませんが、畑などで今までと同じ土を使う場合は注意が必要です。

1. 5月上旬ごろにナスの苗を購入します

タネから育てるのは初心者には難しいため、苗から育てるのがよいでしょう。蕾が付いた、茎が太くてしっかりした苗を選ぶとよいです。早くから苗を販売しているお店もありますが、寒さで失敗しやすいのでゴールデンウイークを過ぎてから購入するようにしましょう。

少し値段は高めですが、地下で根となる植物(台木)と地上部になる植物(穂木)の茎をつなぎ合わせて(接ぎ木)できた「接木苗」を選ぶと、育てやすいでしょう。接木苗は病気や連作に強くて、生育旺盛です。

2. ナスの苗を植え付けます

5月上旬から遅くても6月中旬くらいまでには苗を植え付け、支柱を立ててしっかりと根づかせます。気温が20℃以下になるときは苗に不織布を掛けたり、夜間はプランターを軒下に移動するなどして防寒対策を行います。

植え付け後のナスの苗に水をたっぷりやる

3. 3本仕立てで整枝します

ナスは基本3本仕立てで育てます。主枝と1番花のすぐ下の側枝2本を使い、最後まで3本で伸ばしていきます。ただ、それだけではナスの収穫量が少なくなってしまうので、わき芽にもナスを1つ実らせ、収穫したら切るようにしましょう。株の内側の日当たりがよくなるように漏斗(ろうと)状に整枝します。

また、株のために1番花は取った方がいいという説もありますが、そのままナスを実らせても問題はありません。ただし、1番花で実らせたナスは株への負担を少なくするために、早めに10㎝くらいで収穫するようにしましょう。

一番花が咲いた様子。真ん中の長いのがめしべで、周りの黄色がおしべ。めしべの方が長いのは、しっかりと肥料が効いていてよい状態

1番花が咲いた様子。真ん中の長いのが雌しべで、周りの黄色いのが雄しべ。雌しべの方が長いのは、しっかりと肥料が効いていてよい状態

【ナスのとげに注意】

ナスは葉の裏とへたにとげがあります。最近はとげが少ない品種も出ていますが、わき芽を取る際や収穫するときにお子さまがいるご家庭では指などを傷めないよう気を付けてください。

4. 害虫対策をします

よく付く害虫は、アブラムシ、アザミウマ(スリップス)、ハダニなどです。特に8月ごろになると暑さと日照りでダニをはじめ、さまざまな害虫が付き、ナスの生育や収穫量に悪影響を与えます。食品成分由来の薬品などでまめに対処することが大切です。

5. ナスを収穫します

ナスは早ければ6月中旬ぐらいから収穫できます。特においしいといわれる秋ナスを育てるには、7月の半ばくらいに更新剪定をしてある程度枝の切り戻しを行い、追肥をするといいでしょう。新芽が出て、9月いっぱいくらいまで秋ナスを収穫することができます。

枝の切り戻しをした様子

枝の切り戻しをした様子

初心者が家庭菜園でナスの栽培を成功させるポイント

ナスは虫が付きやすい野菜なので、栽培で失敗の一番の原因となるのは害虫による被害です。早期発見が大切なので、水やりのときに害虫が付いていないかよく観察するようにしましょう。特に新芽や葉裏をよく見るようにします。害虫を見つけたときは、全体に広がる前にすぐに対処しましょう。

アブラムシやハダニなどは、ベニカマイルドスプレーといった食品成分系の殺虫殺菌剤を小まめにまくことで防除が可能です。 また、ダニ類は乾燥すると出やすいので、ハダニや、ハダニよりも小さなチャノホコリダニなどは、目の細かいジョウロや霧吹きなどで葉水を小まめに行うことで対処し、発生を防ぎます。

テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)が葉を食べた跡

テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)が葉を食べた跡

レシピの多いナスを家庭菜園で育てて楽しむ

収穫したナスを揚げナスに

ナスの栽培方法・育て方のコツをご紹介しました。土の環境条件に敏感だったり、虫が付きやすかったりとナスはちょっと世話が大変というイメージを持った方もいるかもしれませんが、ポイントをきちんと押さえて、基本的なお世話ができれば元気に育ちます。

ナスはさまざまな調理法で楽しむことができ、レシピも豊富。お店で買ったナスとはひと味もふた味も違う家庭菜園で育てたナスを、ぜひ食卓でお楽しみください。

JADMA

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