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第33回全国都市緑化よこはまフェア

第33回全国都市緑化よこはまフェア

2017/04/11

3月25日に開幕した「第33回全国都市緑化よこはまフェア」(以下よこはまフェア)。もうお出掛けになりましたか。全国都市緑化フェアとは緑の大切さを認識し、花や緑を守り、楽しみながら知識を深め、緑がもたらす快適で豊かな暮らしがある街づくりを進めるための普及啓発事業として、全国各地で開催されている花と緑の祭典です。今回で33回目を迎え、横浜で開かれるのは初めてです。


よこはまフェアのテーマは「歴史と未来の横浜・花と緑の物語」。これまで横浜が培ってきた歴史と文化、花と緑の取り組みにさらに磨きをかけ、国内や世界中から訪れる人々をおもてなしします。春~初夏の爽やかな季節に街中が花で彩られる、こんなすてきなシーズンは今しかありません。「季節の花めぐり」では特別編として、春と初夏の様子を2回に分けてにご紹介します。ぜひ会場に出掛けてみてはいかがでしょうか。

よこはまフェアのメイン会場は2つ

山下公園にある「未来のバラ園」(イメージ)。約190品種、2600株のバラと宿根草・一年草との競演は見事。夜はライトアップにより、ローズゲートが光のトンネルに

よこはまフェアでは愛称を「ガーデンネックレス横浜2017」とし、ネックレスのように花と緑で、まち、人、時をつなぎ合わせていく願いが込められています。会期中は既存の歴史ある公園から新設のガーデンなどさまざまに緑化された空間で、100万本の花々と緑が咲き競います。

メイン会場は都心臨海部の「みなとガーデン」と自然豊かな「里山ガーデン」の2つ。さらに横浜イングリッシュガーデンや三溪園など7つのパートナー会場のほか、横浜市内18区においても各区で花や緑に親しむ企画がいっぱい。まさに市内は花と緑のガーデンネックレスでつながっているのです。

テーマフラワーはサクラ、チューリップ、バラ。どの花も横浜に関連のある親しみやすい花です。72日間の会期中はサクラからチューリップ、そしてバラへの花のリレーが随所で見られ、訪れるたびに花壇の変化を楽しむことができます。横浜ならではの魅力に、花の力で磨きをかけて皆さまをお迎えします。お見逃しなく!

「里山ガーデン」のメイン花壇は「横浜の花で彩る大花壇」です。市内最大級の花壇で広さ1万平方メートル! 横浜市内産の10万株の花々で埋め尽くされた斜面は圧巻。今はパンジー・ビオラが中心ですが、初夏にはペチュニアやサルビアなどに変わる予定。

よこはまフェアのテーマフラワーはサクラ、チューリップ、バラの3種。季節に応じて花が咲き進むので何度訪れても飽きない、よこはまフェア。写真は横浜公園の「16万本のチューリップガーデン」です。

テーマフラワーの一つ、サクラ。写真は横浜公園の「横浜緋桜」です。16万本のチューリップとともに横浜公園を彩ります。夜のライトアップも。

テーマフラワーの一つ、チューリップ。中でも横浜公園に咲く「ラバーズタウン」は必見。白からピンク色に移り咲き、この春、横浜でしか見られない新品種です。球根は今秋よりサカタのタネで販売予定。

概要

名称:第33回全国都市緑化よこはまフェア
会期:2017年3月25日~6月4日の72日間
問い合わせ先:NTTハローダイヤル050-5548-8686(会期中8:00~22:00)FAX 045-663-0027
定休日:なし
開場時間:「里山ガーデン」は9:30~16:30(変更する場合あり)
入場料:無料(有料プログラムなどあり)
駐車場:専用駐車場なし。公共交通機関をご利用ください
サカタ友の会特典:特典なし

横浜の観光地を巡る「みなとガーデン」

山下公園にある「未来のバラ園」。横浜らしいロケーションに一年草や宿根草のほか季節になるとバラが華を添える。ここで植栽されているバラは少ない薬剤散布で済むよう、強健で家庭でも育てやすい品種になっている。夜はライトアップも

メイン会場として盛り上がっているのが「みなとガーデン」。既存のバラ園や公園を生かし、街全体を花と緑のネックレスで装います。ここでは色鮮やかな花々で彩られる昼と、光や音のアートで見せる幻想的な夜の二つの表情が楽しめるのもうれしいポイント。ぜひ昼と夜、春と初夏、何度も足を運んで移り変わる花の表情を見てみて。

今の時期は「日本大通りフラワーフェスタ」でサクラやチューリップと草花との競演が見事な花壇が見ごろ。明治時代に完成した街路樹を擁した街路は歴史を感じさせ、その景観とマッチした緑化風景が全長200mにわたって続きます。5月にはバラ中心に移り変わる予定で、ぜひ見比べてみたいものです。

また、山下公園や横浜公園にはテーマフラワーの一つであるサクラをコンテナに植えて配置。特に山下公園には横浜港からアメリカ・ワシントンDCに渡った「シドモアサクラ」などの12品種100本が展示されています。港町の歴史も感じながら植物知識が増えそうです。

8つのエリアに分かれた「みなとガーデン」ですが、それぞれが花と緑のネックレスでつながっていて、散策にはもってこい。新たな花壇が見たくなり、次々にエリアを回ってしまうことでしょう。

日本大通りにある「日本大通りフラワーフェスタ」です。横浜らしい街並みに花と緑が溶け込み、さらにおしゃれな街並みに大変身。今は「華麗なる春の饗宴」としてチューリップ、宿根草、一年草がメインですが、5月上旬からは「華麗なるバラの競演」としてバラも楽しめます。

山下公園にある「球根ミックス花壇」です。青々した芝生に映える色とりどりの球根花壇で、チューリップやスイセン、ヒヤシンスなどたくさんの種類を混ぜるオランダ最新式の球根の植え方を実践しています。考えていてもできないような絶妙なバランスの植栽はぜひ庭にも取り入れたい手法。

象の鼻パークにある「ガーデンベアの庭」です。シンボルキャラクターのガーデンベアをモチーフにした、よこはまフェアのシンボルガーデン。港をバックにガーデンベアの世界観が広がります。夜はライトアップも。

象の鼻パークにある「ワイルドフラワー&トピアリー」です。海風を感じられる気持ちのよいエリアにワイルドフラワーが咲き誇り、散策が楽しくなります。よこはまフェアではさまざまな場所でワイルドフラワーによる緑化が行われ、大面積の花のじゅうたんが見られます。

「みなとガーデン」概要

会場:港の見える丘公園/山下公園/横浜公園/日本大通り/象の鼻パーク/新港中央広場/運河パーク/グランモール公園の計8エリア
会場コンセプト:歴史と未来の横浜~歴史的建造物の緑化や観光地として魅力ある景観を花と緑で引き立てるだけでなく、さまざまな緑化技術や手法を用いて演出する。
主な見ごろ:16万本のチューリップガーデン、サクラコンテナは4月中旬まで、ジャクリーンガーデン、球根ミックス花壇は4月下旬まで、未来のバラ園は5月上旬~6月上旬
交通アクセス:JR横浜線・市営地下鉄「関内」「桜木町」駅下車、みなとみらい線「みなとみらい」「馬車道」「日本大通り」「元町・中華街」駅下車ほか
総合案内所:横浜赤レンガ倉庫1号館1階(10:00~17:00)

横浜の自然が豊かに広がる「里山ガーデン」

市内最大級1万平方メートルの「横浜の花で彩る大花壇」には50種10万株のパンジー・ビオラが植栽。ここで使われる花苗は全て横浜市内産で、横浜の花苗生産が盛んなことを示す

今回のメイン会場のもう一つが横浜市北西部にある「里山ガーデン」。ここは市内でも貴重な自然景観が残る地域で、一歩公園に足を踏み入れるとビルや電柱に邪魔されない里山の景色が広がります。緑の豊かさに思わず深呼吸したくなります。

「里山ガーデン」の目玉はよこはまフェア最大の大花壇「横浜の花で彩る大花壇」。なんと1万平方メートルに10万株のパンジー・ビオラの苗が植えられています。正面入り口から入り竹林を抜けるとぱっと視界が開け、緩やかな斜面に流れるような模様で描かれる花々に目を奪われることでしょう。花壇の周囲にはヤマザクラをはじめ花木も添えられ、季節になると足元からも頭上にも花が舞うことになります。

また、里山に残る谷戸も地形を生かし、美しい公園に整備されています。今はナノハナが楽しめますが、5月になると県内最大の「谷戸のカキツバタ園」に。周囲の木々も新緑となり、一層、里山の素晴らしさを感じることでしょう。この他にも森を楽しむための提案がいっぱい。「グランピングサイト」や「フォレストアドベンチャーよこはま」では子どもから大人まで、家族みんなで森に親しめそうです。

正面入り口広場から入ると広報親善大使の三上真史さんがデザインしたウエルカムガーデンが広がります。丸みを帯びた遊び心のある楽しいガーデンにはガーデンべアも登場し、人気のフォトスポットに。

「横浜の花で彩る大花壇」と「谷戸のカキツバタ園」を結ぶ「森の小径」は心地よい木漏れ日の中を散策できるスポットです。足元には市内の街路樹などの剪定チップが敷かれ、踏み心地もよくなっています。市内の中学校美術部の生徒が制作したチョウの木工アートも点在しています。

どこか懐かしい、横浜の里山風景を今に伝える「谷戸の菜の花畑」です。ここは昔、水田のあった場所で、緑の保全と活用を目指して再整備されました。写真ではまだ開花していませんが、サクラやレンギョウ、ユキヤナギなど春の花が美しい花木もたくさん植栽され、競演が楽しみです。

森を楽しんでもらおうと「里山ガーデン」には森の遊び方が体験できるゾーンを用意しています。「フォレストアドベンチャーよこはま」では安全器具を身に着けて、樹上のコースを冒険。予約制、有料ながら早くも人気に。無料遊具エリアもあります。

「里山ガーデン」概要

会場:横浜動物の森公園植物公園予定地(よこはま動物園ズーラシア隣接)
会場時間:9:30~16:30(変更する場合あり)
会場コンセプト:緑豊かな横浜~里山の魅力、楽しみ方を身近に実感、体感できる空間。市内で最大級となる花の景観や、自然の樹林を使ったアスレチックなど、子どもから大人まで楽しめる
主な見ごろ:谷戸の菜の花畑は4月中旬まで、谷戸のカキツバタ園は5月上旬~6月上旬
交通アクセス:相鉄線「鶴ヶ峰」駅、「三ツ境」駅、JR横浜線・市営地下鉄「中山」駅から『よこはま動物園北門』バス停下車ほか
総合案内所:正面入口広場(9:30~16:30)

第33回全国都市緑化よこはまフェアは次回「バラの咲く季節」を5月上旬に取り上げる予定です。お楽しみに。

JADMA

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