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失敗しない栽培レッスン(花)

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ユーコミスの育て方・栽培方法

難易度
  • 春植え
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Eucomis L. Herit
  • 英名Pineapple Lily
  • 分類ユリ科ユーコミス属 半耐寒性球根

生育条件

  • 用途地植え・鉢植え・切り花
  • 日当たり日なた
  • 耐寒性
  • 耐暑性
  • 土壌酸度中性~弱アルカリ性

栽培管理

  • 地植え適所・土質日当たり、水はけのよい場所で、水はけがよければ土質を選ばない
  • 鉢植え用土腐植質の多い根張りのよい培養土
  • 鉢サイズ・種類[中型種]18~21cm鉢
    [大型種]30~60cm鉢、標準鉢
  • 植えつけ[地植え]中型種20~30cm、深さ4~5cm 大型種40~50cm、深さ7~8cm
    [鉢植え]深さ5~6cm

栽培暦

ユーコミスとは

ユーコミスと聞いて、どんな花か思い浮かばなくても、パイナップルリリーという名前を聞けば、「ああ、あのパイナップルに似た蕾をもった花か」と思い浮かぶ人は多いと思います。欧米でもユーコミスという名前より、パイナップルリリーやパイナップルフラワーの方が一般的な呼び名になっています。原産地はアフリカで、南アフリカには11種があり、計14種類くらいの原種が知られています。

日本には明治末期に渡来しており、戦前から作られている春植え球根ですが、同じ春植え球根で、鮮明な花色をもつダリアやグラジオラスなどに比べるとユーコミスは色彩がやや地味なため長い間マイナー的な存在でした。しかし、近年、新しく作られた交配種が出回るようになって人気が出ています。

この花の特徴としては、開花前の蕾がパイナップルそっくりな姿をしており、知らない人には、この蕾が大きくなってパイナップルの実がなる、と言えば信じてしまうほどです。性質は極めて強く、栽培が容易で条件のよいところに植えておけば、数年間は放任でも花を楽しめます。

ポイント

地植え、鉢植え両方OKです。
生育初期は水分を多く必要とするので、十分に水を与えて根をたくさん出させるようにし、葉が緑色の間は肥え切れしないように肥培管理を行う。

植えつけ

植えつけの適期は4月です。4月に植えると、ほとんどのものが7月に開花します。土質は選びませんが、水はけの悪い場所を嫌うので、水はけと日当たりのよいところに植えます。

球根を植える間隔と深さは、地植えの場合、草丈1mくらいになる大型種は40~50cm 間隔とし、球根の上に7~8cmの土がかかる深さに、草丈30~50cmの中型種は20~30cm間隔で、球根の上に4~5cmの土がかかる深さに植えます。鉢植えの場合、大型種は30~36cm鉢に4~5球植えとし、球根の上に5~6cmの土がかかる深さに植えます。中型種は18~21cm鉢に4~5球植えとし、球根の上に3~4cmの土がかかる深さに植えます。鉢植えに使う培養土は根張りをよくするため、腐葉土やピートモスなどが3~4割入った用土が適しています。ユーコミスは開花ぞろいがよく、鉢植えにしたとき、全株がほとんどそろって咲く性質があるので、大型種などは一斉開花したものを玄関前などに飾ると人目を引きます。

大型種は大きくて長い葉を8~10枚出すので、球根も大きくやや扁平な形をしている

球根は植えっぱなしにしておくと年々球根が上に押し上がり土の上に出るのでやや深植えしておく

発芽後の管理

地植えにしたものは、晴天が続いて土が乾くと発根が遅れて根量が少なくなるので、ときどき水をやって生育初期の根が一番伸びる時期にたくさん発根するようにします。鉢植えも同様で、水分不足で根量が少なくなると、大きな花穂を出す大型種は花穂がひと回り小ぶりとなり、魅力が半減するので生育初期は水やりを忘れないようにします。そして、日光不足で葉が大きくやわらかくならないように、発芽時点から十分に日に当てて葉を小さく立葉になるように育てます。鉢植えにした大型種は、花が咲くころになると風で鉢が倒れるおそれがありますので、重量のある鉢を使って二重鉢にして下を重くしておくと倒れ止めになります。

草丈60cm以上になる大型種は蕾が出たら二重鉢にして倒れないようにする

肥料

植えつけ後、土の上に緩効性化成肥料を元肥とします。緩効性化成肥料は2~3カ月で肥効が切れるので、形がくずれてきたら追肥として地植え、鉢植え共に元肥として施した量の半分くらいを施します。また、発芽してから葉が緑の間は、追肥として月に2回くらい、液肥を水やり代わりに与えてください。

開花後の管理

植えっぱなしにしておいても2~3年間は咲き続ける丈夫な植物ですが、少し手入れをすると、翌年も花穂が貧弱にならずに咲きます。花後の手入れとして、種がついたり花がらにカビが生えて見苦しくなるので、花が終わった時点で花茎のつけ根から切り取っておきます。葉は秋に自然に枯れるまで、できるだけ長い期間活動させた方が球根の肥大がよくなるので、葉が緑色の間は肥培管理を続けます。

鉢植えは梅雨明け後の高温期は鉢土が乾きやすくなります。鉢土が乾くと葉が早く枯れて球根の肥大が悪くなるので、水やりは最後まで忘れないようにします。

越冬は東京周辺では寒さで枯死することはありませんが、安全のため、地植えしたものは落ち葉などをかけておくと寒害を受けずに越冬します。鉢植えは葉が枯れたら水やりを止めて土を乾かし、霜や雨水の当たらないところに置いて越冬させます。

病害虫

強健な植物でほとんど病害虫のおそれはありませんが、極まれに蕾が出た直後に花穂頂部の葉の付近にアブラムシがつくことがあります。付着しているのを見つけたら家庭用のエアゾール式殺虫剤を散布すると簡単に防除することができます。また、梅雨時に雨が続くとナメクジが花茎や葉を食害することがあるので、食害の跡や這った跡を見つけたら捕殺するか、ナメクジ駆除剤を散布しておきます。

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