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ブリーダー取材こぼれ話「ヒマワリ」

2023/11/14

こんにちは、サカタのタネ園芸通信編集部です。
7月の猛暑が続く中、ヒマワリのブリーダーに取材してきました。

ブリーダーとは…新しい品種を開発するのがブリーダーの仕事です。優れた品種を生み出すために、選抜した親同士を組み合わせ、1年間で交配する組み合わせの数は数百にも及びます。

本編は『ブリーダーに聞きました!ヒマワリ「ビンセント®」子どもが描くような誰からも愛されるヒマワリを目指して』をご覧ください!

ここでは、取材のこぼれ話をしたいと思います。

── ヒマワリ「ビンセント」はやや上向きですが、もっと上を向いたヒマワリも作れるのですか?

中川
やや上向きを通り越して、真上を向いたヒマワリもすでにありますよ。鳥に種を食べられてしまう問題が悩みどころなので、商品化には至っていませんが…。

── 上向きのヒマワリを育種するのに上司との葛藤があったと伺いました。どんなものを育種していくか決めるのが難しそうですね。

中川
30年ぐらい前に、上向きのヒマワリがこれだけ人気が出るなんて誰も思っていないですよね。ブリーダーで「売れると分かっていた!」なんて言う人もいるかもしれないけど、これならこれぐらい売れるとか、少なくとも私は育種しているときに分からないです。開発途中は「こんなの売れないよ!」と言っていたのに、売れ始めたら「これは売れると思っていた!」なんて言い出す調子のいい人は、どこの世界にもいるものです(笑)

── ヒマワリは、双葉くらいの時の茎の色を見れば、咲いた時の芯であるディスクの色が分かると聞いたのですが、本当ですか。

中川
ええ、そうです。茎の色と将来咲いた時のディスクの色はリンクしています。だから、黒いの個体は、黒色のディスクになるし、緑の個体は、ディスクも緑色なります。例えば「ビンセント」のネーブルとクリアオレンジを一緒に種まきして、双葉のころの茎の色と花が咲いた時のディスクの色を見比べるのも楽しいと思います。

── 中川さんは品種改良以外の植物の歴史についても詳しいですね。

中川
江戸時代半ばには、日本にヒマワリがあったというのだから驚きでしょう?ヒマワリは、江戸時代半ばから伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)や酒井抱一(さかいほういつ)らが描いています。浮世絵や日本画を見ると、昔はどんな植物があったのかが分かるので面白いですよ。

── 意外と知らない双葉とディスクの色の関係からヒマワリの歴史など、ヒマワリにまつわる楽しいお話をありがとうございました!

JADMA

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