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初心者向け!イチゴの栽培方法・育て方のコツ 初心者向け!イチゴの栽培方法・育て方のコツ

初心者向け!イチゴの栽培方法・育て方のコツ

2017/07/13

イチゴは家庭菜園でも人気の野菜。けれども初心者の方がイチゴの栽培を成功させるには、知識とコツが必要です。今回は、イチゴの栽培方法と育て方のコツをご紹介します。

家庭菜園で初心者におすすめのイチゴの種類

イチゴを選ぶときのポイントは2つ。収穫時期と品種です。育てやすさに大きな違いはないので、収穫したい時期と好きな品種で選んでも問題はありませんが、初心者の方には旬の時期に収穫できる一季なりのイチゴがおすすめです。

イチゴの収穫時期

一季なり

一年に1度、旬の時期(5~6月ごろ)に収穫することができるイチゴです。

四季なり

寒い時期以外年中花が咲き、季節を問わず収穫することができますが、食味は大味になりやすいです。追肥をこまめにしないと株疲れしやすいので手間もかかります。

初心者におすすめの品種

カレンベリー

うどんこ病や炭疽病(たんそびょう)などの病気に強く、丈夫で育てやすい品種です。甘酸のバランスがよく、おいしいです。

カレンベリー

イチゴの育て方とコツ

ここでは、一季なりのイチゴの栽培で失敗しないためのポイントを中心に、家庭菜園の流れをご紹介します。一季なりのイチゴは10月に植え付け、5月初旬から6月にかけて収穫します。

事前準備のポイントと注意点

プランター

一般的なプランターでも育てることはできますが、初心者の方にはイチゴ専用の鉢(ストロベリーポット)もおすすめです。果実が垂れ下がって地面に付かないので病気の発生も少なくなりますし、見た目も楽しめ、ランナーから出た子苗を下のポケット穴に受けて育てることができます。

ストロベリーポット

畑の場合は植え付けの2週間以上前に苦土石灰を1平方メートル当たり100g、さらに1週間以上前に完熟堆肥3㎏、有機入りの肥料を100g施して全体によく混ぜ込んでおきます。イチゴの根は肥料に直接触れると傷みやすいので、早めに準備して肥料を土になじませておくことが大切です。プランターの場合は市販の野菜用培養土を使います。

1. イチゴの苗を購入します

一般的にイチゴは、10月ごろに苗を購入します。苗はランナー(親株から伸びるつるのようなもの)を切り離した跡の分かるものがおすすめです。

2. 向きや深さに注意してイチゴの苗を植え付けます

葉の付け根(クラウン)が地上に出るように植え付け、乾燥に注意してください。

イチゴはランナーとは反対側に花が咲き、実がなるので、花や実がなる方を手前に向けるなど、苗の向きを考えて植え付けます。また、植え付けるときは、クラウン(根元の茎にあたる膨らんだところ)が土に埋まらないよう、必ず出しておきます。

3. 水やりをします

プランターの場合は土が乾いたら水やりをします。畑の場合は基本的に雨任せで大丈夫です。

4. 越冬の準備をします

寒さと泥跳ね防止のために、根元にわらなどを敷きます。11月ごろになると虫はほとんどいなくなりますが、害虫被害が気になる場合は、根元に粒状の殺虫剤をまいておくとよいでしょう。

また、12月ごろからランナーが出てくることがありますが、早い時期に出てくるランナーはハサミで元から切るようにします。

5. 寒さ対策を行います

1月は寒さ対策が必要ですが、イチゴは寒さに強いため、マイナス5~6℃までなら問題ありません。また、春に花を咲かせるためには寒さを認識させることも大事なので、必要以上に苗を温めたりすると失敗の原因にもなります。

ただし、苗が雪の下に埋もれてしまうと傷んでしまうので、雪には注意しましょう。

6. 花を咲かせる準備をします

黒いマルチで覆われたイチゴの苗

2月になったら、傷んだ葉や枯れ葉を取り、株元をきれいにします。風通しをよくして苗を清潔に保つことは、病害虫対策としても有効です。軽く追肥も行いましょう。畑で栽培している場合は黒いマルチで覆い、プランターの場合は敷わらやわらに代わるものを株元に置きます。

7. 花が咲いたら授粉をします

3月になると葉が伸び、花も咲き始めます。花が咲いたら、プランター栽培の場合は筆、綿棒、耳かきの梵天(ぼんてん)など柔らかな素材で授粉を行います。ポイントは、優しく均一に花粉が行き渡るようにすること。

授粉ができる気温の目安は15~25℃です。人工授粉の場合はイチゴの形がいびつになりますが、失敗や病気ではありません。お店で売られているようなきれいな形のイチゴは、ミツバチなどの虫による受粉ではないとできないのです。

8. 病害虫対策をします

花が咲き始めたら、病害虫にも注意します。害虫はアブラムシ、ハダニ、ナメクジなど。収穫までは害虫や鳥対策が必要になるので、防虫ネットを掛けるのもおすすめです。また、雨が多いと灰色かび病などになりやすいので気を付けましょう。

9. 葉かきをします

元気な苗は葉がよく茂るので、葉が混み過ぎるようなら葉かきをして葉の枚数を減らします。減らし過ぎてもよくないので、花の下の古い葉を中心に行いましょう。必ずしなければならない作業ではありません。肥料をやり過ぎて旺盛に茂り過ぎたときに行うようにしましょう。

10. イチゴを収穫します

イチゴの収穫

受粉後、40~50日で実が食べられる大きさに育つので、3月に人工授粉をした場合、4~5月ごろにはイチゴの収穫ができます。

11. 来年の苗を作ります

イチゴの収穫が終わる6月ごろから、新しいランナーを親株になるまで育て、来年の苗を作ります。ランナーに根が出てきたら親株から切り離し、植え付ければOKです。 収穫の終わった苗は、翌年も使うと病気になりやすく、実のなる数が減り食味も落ちるので、処分するようにしましょう。

初心者が家庭菜園でイチゴの栽培を成功させるポイント

家庭菜園でイチゴを育てている方から、花が咲かないというお問い合わせが多く寄せられます。花が咲かない原因のほとんどは肥料のやり過ぎ。イチゴを育てるときは肥料の多用に注意しましょう。使用する肥料に不安のある方は、根の酸で初めて溶け出す「マグァンプ(R) K」がおすすめです。

家庭菜園ならではのイチゴを楽しんで

家庭菜園で栽培中のイチゴ

イチゴの栽培方法と育て方のコツをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 多くの方に人気のあるイチゴはプランターでも栽培でき、コツや知識は少々必要でもポイントさえ押さえておけば、家庭菜園初心者の方でも楽しんで育てることができます。 また、ストロベリーポットなどを用いればガーデニングとしての楽しみも感じられます。お店で買うイチゴとはまた違った風味を、ご家庭で楽しんでいただければと思います。

今回ご紹介した品種・園芸グッズ

ご紹介した商品の一部は、サカタのタネ公式オンラインショップでもご購入が可能です。

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