スイカの育て方・栽培方法

植え時期 ・まき時期
植え場所
栽培難易度
※★マークが多いほど難易度が上がります。
学名

Citrullus lanatus(Thunb.)Matsum. et Nakai

和名/別名
スイカ
英名
Watermelon
原産地/生産地
南アフリカ(カラハリ砂漠)
分類
ウリ科スイカ属
発芽地温
25~30℃
生育適温
25℃前後
  • 生育条件

    日当たり
    日なた
    土壌酸度
    中酸性~中性
  • 栽培管理

    植え付け
    株間1~1.5m

栽培暦

スイカとは

スイカには、果糖やブトウ糖などの糖質が多く含まれていて、疲労回復によく、暑い日に冷やしたスイカの味は格別です。また、ビタミンA、B1、B2、Cなどが含まれ、スイカは量が採れるので、栄養補給になります。果肉の赤色は、リコピンとカロテンによります。カリウム、マグネシウムなどが多いアルカリ性食品です。

大きさは大玉・小玉、形には球形・楕円形、外皮には縞模様のもの・縞なしのもの、地色には緑・黒色・黄色のもの、果肉の色には赤・黄があり、珍しくは白色(奈良漬け用)があるなど、多種多様な品種がありますが、主流は大玉・球形・縞模様・赤肉です。日本の技術で開発された種なしスイカは日本ではあまり普及していません。また、種が大きく、炒って味つけしたものを食べる種子食用種もあります。

ポイント

スイカは高い気温と強い光を好む野菜で、日当たりがよい畑でよく育ちます。土壌はあまり選びませんが、水はけがよいことが条件です。施肥では元肥のチッ素が多いとツルができすぎて着果が悪くなるので、元肥のチッ素は控えめにします。連作すると土壌病害のつる割病が発生しやすくなるので、4~5年の輪作をするか、接ぎ木栽培にします。

種まき・間引きなど育苗管理

種まきは、ポット(9~12cm)まきとします。直径4~5cm、深さ1cmくらいの穴を掘り、3~4粒をまいて土をかぶせ、手で軽く押さえて水やりします。発芽後、本葉1~2枚の時に2本に間引きし、本葉2~3枚で1本立ちにします。

1. ポットへのタネまき 25~30℃に保温(発芽まで)
9~12cmのポリポット。1.直径4~5cm、深さ約1cmの穴にタネを3~4粒まく。2.土をかけ平らにし、軽く押さえ、水やりをする。3.4日ほどで発芽する。

2. 間引き
1.本葉1~2枚時、2本に間引く。2.本葉2~3枚時、1本に間引。3.定植適期苗、本葉4~5枚。

〈POINT〉 確実な発芽には保温を!

発芽までは25~30℃になるよう保温します。4日ほどで発芽します。定植適期苗は本葉4~5枚(種まき後40~45日程度)です。

畑の準備~定植または直まきまで

定植2週間以上前に苦土石灰を施して耕します。1週間前に畝内の定植場所に堆肥と元肥を散布して耕し、床を作り、黒のポリマルチをしておきます。定植は根鉢をくずさないように浅植えにし、水やりします。この時、晩霜のおそれがある時はホットキャップを被せて保温します。

1. 定植の2週間以上前

苦土石灰を1平方メートル当たり2握り(約100g)まき、よく耕す。

2. 1週間前
1.40cm四方、深さ約30cmの穴を掘り、堆肥を約2kg入れる。2.掘り上げた土に、化成肥料(N:P:K=8:8:8)を1握り(約50g)混ぜ、穴に戻す。3.周りの土をかき寄せて床を作る(縦×横60cm、高さ10cm)。

3. 黒ポリマルチをし、定植
1.浅植えし、水やりする。2.ホットキャップを被せる。暖かくなってきたら上部に穴をあける。

〈POINT〉 活着までは十分な保温を!

苦土石灰は1平方メートル当たり2握り(約100g)、1穴(40cm四方、深さ30cm)当たり堆肥は約2kg、元肥は化成肥料(N:P:K=8:8:8)を1握り(約50g)とします。ポリマルチは保温と雑草抑えのために有効です。晩霜のおそれがなくなったらホットキャップははずします。

整枝、着果、追肥などの栽培管理

親づるは本葉5~6枚で摘芯し、第1節の子づるは摘除し、他の子づるを4本残します。子づるの生長に合わせてワラを敷き、絡みあわないように配置します。第2雌花までの孫づるは摘み取ります。各子づるの第2雌花が開花したら人工授粉し、着果が卵大の時、長卵形のものを2果残します。追肥は子づるが50cmくらいに伸びた頃と果実が卵大になった頃の2回行います。

A. つるの整枝
親づるは本葉5~6枚で摘芯。第1子づるは摘除。子づるは第2子づる~第5子づるまでの4本を残す。

B. つるの仕立て方と着果(株間1m)
敷きワラをする(1×2~2.5m)
つるを伸ばす方向の逆に親づるを誘引する。第2雌花までの孫づるは摘み取る(あとは放任)。第1・3雌花は摘み取る。第2雌花は開花時人工交配する→肥大→長卵形のものを2果残す。

●追肥
化成肥料を1握り(約50g)
1回目:子づるが図の長さの時。2回目:果実が卵大になった頃。

●人工受粉
1.雄花の花弁をとる。2.雌花に軽くなすりつける

〈POINT〉 確実な着果のため人工授粉を!

第1の雌花は6~8節につき、その後、7~8節ごとに第2、第3の雌花がつきます。雌花が開花する朝9時頃までに人工授粉を行い、日付けを書いたラベルをつけます。第1や第3着果は通常、変形果になりやすいので摘除します。追肥量は、1回1株当たり1握り(約50g)とします。

病虫害

病害では、果実の肥大中に急にしおれて最後には枯れてしまう「つる割病」に最も注意が必要です。そのほかには、つる枯病、べと病が発生します。害虫はアブラムシ、ハダニによる被害が大きいので早めに防除をします。

●つる割病
発生初期…一部のつるだけしおれる。典型的なつる割症状…乾くと茎が割れてくる。

〈POINT〉 つる割病が出たら抜き取り処分!

つる割病が発生したら、治すことができないので抜き取って処分します。その後4~5年はスイカを栽培しないようにします。なお、この病害はユウガオ台木などへの接ぎ木で回避できます。

収穫

開花後30日過ぎに、それまで日陰であった方を日が当たるように置き直し(玉直し)をします。大玉系の収穫まで日数は開花後45~50日、小玉系は35~40日が目安です。収穫まで日数は品種で異なるので、種袋などで確認してください。

●玉直し・玉通し
開花後30日過ぎに、地面についていた部分に日を当てるように置き直す

●収穫の目安
開花後、収穫まで、大玉 45~50日、小玉 35~40日が目安(タネ袋などで確認)。開花日(人工交配日)を書いたラベル

〈POINT〉 収穫の目安は開花からの日数で!

開花日ラベルがない時の収穫の目安は、果実では手のひらでたたくと鈍い音がする、着果節の巻きひげが半分枯れる、などがあります。

監修:農学博士 菅野紹雄

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