クリナムの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた
- 耐寒性中
- 耐暑性強
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質日当たりと風通しと水はけのよい肥沃な地。土質はあまり選ばないが腐植質に富んだ土を好む
- 鉢植え用土腐植質の多く入った保排水と通気性のよい土
- 鉢サイズ・種類24~30cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔約30cm、球根の頭が1/3ほど出る深さ [鉢植え]1球植え
クリナムとは
クリナムの仲間は種類が多く、主に熱帯、亜熱帯を中心に180~200種類があるといわれ、分布地によりアフリカ系、アジア系、アメリカ系があります。さらに花形により、花弁の細かいステナスター系、花弁幅がやや広いプラティアスター系、広弁のコドノクリナム系に大別されています。
クリナムはアフリカで誕生し、水に浮く大きな種や塩水に耐える球根が海に流れ、さらに海流に乗ってインド、東南アジア、ハワイなどの南太平洋の島々、南北アメリカにまで流れついています。日本にもそのうちのひとつ、ハマユウが自生しており、初夏には香りのある白い花を咲かせます。温暖な九州や四国、和歌山県の海岸には群落が見られます。
現在栽培されているクリナムは多様で、球根の大きさは鶏卵大からソフトボール大のものや、草丈も50~60cmのものから1.5mになるものまであります。初夏から香りのある花を咲かせ、花の大小や花形もユリの花のように広弁でよく整った花形から、リコリスのように細くて軽く反転するものまで多様です。花色も純白、桃色、赤色、クリーム色、赤い筋の入る派手な色彩と、カラフルな色彩を楽しめます。
地植え、鉢植え両方OKです。
主に熱帯、亜熱帯原産の半耐寒性植物なので冬季は凍らせないように保護する。
植えつけ
暖かくなる3月下旬から5月にかけてが植えつけ適期となります。地植えにする場合はよく日の当たる水はけのよい場所に植えます。南向きの日当たりのよい軒下などがあれば霜害を受けにくくなります。
クリナムは深植えを嫌うので、球根を植える深さは球首の下位まで球根が埋まる深さに植えます。鉢植えにする場合は球根の直径の約3倍の大きさの鉢を使い、腐葉土が約3割入った水はけのよい培養土を使って植えます。
また、球根を植える時、根が広がっているものは根の間に土が入りにくいので丁寧に根の間に土を入れてやります。
発芽後の管理
丈夫で栽培しやすく、発芽後の管理はあまり必要ありませんが、生育中に土が乾くことを嫌うので、晴天が続く場合は水をやります。鉢植えは土が乾くと葉が垂れて色が悪くなり生育速度が遅くなるので、水は鉢底から出るくらいたっぷり与え、常に土が湿り気を保つようにします。また、地植えは泥はねで葉が汚れないように株のまわりにマルチングをしておくと雑草も減らすことができ、土の乾き防止にもなります。
肥料
地植えは生育中に肥料切れを起こさないよう、肥効の長い緩効性化成肥料を元肥として、土とよく混ぜ合わせるように施します。鉢植えは球根植えつけ後、土の上に元肥として緩効性化成肥料を施します。
地植えは3カ月くらいで肥効が切れるので、さらに追肥として土の上に緩効性化成肥料を施します。鉢植えは元肥の粒がくずれてきたら、元肥と同様、土の上に緩効性化成肥料を施します。その他に月に2回程度、液肥を与えると葉色がよくなり、花がない時でも観葉植物として観賞できます。
花後の管理
花が咲き終わったら、花がらを残さないため、また、球根の肥大促進のため、花梗のつけ根から切り取って実をつけないようにします。
日本で販売されているクリナムはやや耐寒性が弱いので、越冬には防寒が必要です。一度霜が当たって葉が垂れたら、株をそっくり覆うような骨組みを作ります。そしてその上に、熱気抜き用の10円玉大の穴を5~6カ所開けたビニールをかけ、風で飛ばされないようにビニールの縁に土を盛っておきます。鉢植えは一度でも霜が当たると葉が傷むので、早めに暖かな屋内の日当たりのよい窓辺に置いて越冬させます。
病害虫
梅雨明け前でも葉枯病などの病害はまったくといってよいほどない、丈夫で栽培しやすい植物です。
害虫はまれに花蕾にアブラムシがつくことがありますが、見つけ次第、園芸用のエアゾール式殺虫剤をかければ簡単に防除できます。また夏の高温期、軒下などの雨の当たらない場所では葉裏に赤ダニが発生するので、水で洗い流すと、薬剤を使わずにダニを防除できます。