ジンジャーの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・切り花
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性中
- 耐暑性強
- 土壌酸度弱酸性
- 地植え適所・土質日当たりのよい、耕土の深い肥沃な場所。有機質に富んでいれば、土質は特に選ばない
- 植えつけ[地植え]間隔 80~100cm、深さ約10cm
ジンジャーとは
夏の夕方、どこからともなく漂いくる甘い香り。その香りの先に浮かぶ蝶のような白い花。純白の花に夕日が当たると、ほんのりと紅色に染まり、花の趣きが変わります。
ジンジャーは強健な植物で、病害虫もほとんどなく、植えっぱなしにしておいても毎年咲き続けます。そのため、以前、庭が広く取れた時代は、ほとんどの家の庭で咲いている花でしたが、最近はジンジャーを植える広い庭が少なくなり、花を見る機会が少なくなっています。
ジンジャーの原産地はインド、ネパール、マレーシアなどの熱帯で約40種類くらいの原種があります。
日本へは安政年間に渡来し、香りのよさが好まれて、明治以降「ジンジャー リリー」の名で栽培が増えました。現在多く作られているのは、主に香りのよいコロナリウム系です。古い品種は開花期が遅く、夏の終わり頃から咲き始めますが、近年作られた品種は花色も豊富で、古い品種より1カ月ほど早く咲き、大きな花房の花を咲かせます。
地植えがおすすめです。
温度の低い間はできるだけ暖かくするようにし、全生育期間を通じて十分に肥培して多くの花が咲くようにする。
植えつけ
熱帯植物なので、早く植えても地温が低いと発芽しません。3月頃からが植えつけの適期となります。
植える場所は、日当たりのよい、腐植質に富んだ肥沃な土地で、耕土の深い場所が適しています。
植える前に球根をよくチェックして、球根の切り口部分が腐っている場合は、その部分を切り捨てて植えつけます。腐った部分をつけたまま植えると土中で腐食が広がり、ひどい場合には芽が出ないことがあります。
球根を植える深さは、球根の上に10cmほど土のかかる深さで、80~100cmの株間をあけて植えます。球根は芽が1芽だと株張りが小さくなるので2~3芽あるものを選び、芽の先を必ず南側へ向けて植えます。
発芽後の管理
発芽が始まったらよく日に当て、株がかたく健全に育つように、また、地温を高め、地下部の生育もよくなるようにします。
また、日光と水を好む植物なので、1週間くらい雨が降らない時は、株元にたっぷり水をやります。
そして、生育中は常に土に湿り気を保つようにしてください。生育初期に出る株は葉も少なく、草丈も低いのですが、順次株が大きくなっていき、やがて花が咲き始めます。
肥料
ジンジャーの花を長期間にわたり咲かせるには、十分な肥料が必要となります。肥料不足で栽培すると、葉色が黄ばみ株も小さく花立ち数も少なくなります。元肥は土の量に対して3~4割の完熟堆肥、腐葉土、ピートモスなどの根張りをよくする有機物を、40~50cmほど深耕した土とよく混ぜ合わせておきます。
植えつけ後は、緩効性化成肥料を土の上に置き肥として施します。約2カ月で肥効がきれるので、葉が緑色の間は置き肥を続けます。また、生育促進のために10日に1回の割合で、液肥を水やり代わりに与えます。
花後の管理
ジンジャーはチューリップやスイセンのように、1つの花が咲き終わったら、それで終わりになる球根とは違います。発芽から開花するまでに多少時間はかかりますが、一度咲くと次々と霜が降りるまで咲き続ける花期の長い花です。そのため、花後の手入れも、一番花が咲き終わったあとも、霜が降りて枯れるまで続けます。咲き終わった花の花がらは、ドライフラワーとして使えますが、見苦しければ花穂の部分だけを切り捨てます。株がある程度茂ると、日当たりや風通しの悪い場所では、株が弱ったり黄ばむものが出るので、こうした株は取り除きます。霜が降りると地上部は枯れるので、完全に枯れたら地際で切って、それを株の上に敷いて防寒に使います。
病害虫
普通に栽培していれば、まったくといってよいほど、病害虫のない丈夫な植物です。ジンジャーの葉には食品の腐敗を防ぐ成分が含まれているので、病気の葉を見たことはありません。8月の熱帯夜の続く頃、周囲に雑草が茂る荒れ地がある時は、まれに周囲からヨトウムシが新葉を食害しにくることも起こるので、夜見回って食害を見つけたら、園芸用のエアゾール式殺虫剤をかけると簡単に防ぐことができます。