ダリアの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え・切り花
- 日当たり日なた
- 耐寒性弱
- 耐暑性弱
- 土壌酸度中性
- 地植え適所・土質日当たり、風通しのよい場所で、腐植質に富んだ水はけのよい砂質土
- 鉢植え用土腐葉土、ピートモスなどの有機物の多く入った水はけのよい培養土
- 鉢サイズ・種類小輪・わい性種は15cm鉢以上、中~巨大輪種は30cm鉢以上、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔30~60cm、深さ5~10cm [鉢植え]深さ5~6cm
ダリアとは
ダリアの花は昭和の中頃までは、初夏になるとどこの庭にも見られるものでした。けれどもその後、生活の洋風化に伴い、新しい花に押されたり、住宅事情もからんでその座を追われてしまいました。しかし、最近のガーデニングブームでダリアは姿を変え、銅葉のものがカラーリーフとして花壇を引き立てたり、4月になるとポット植えにされたカラフルなものが、コンテナやハンギングにと用途を広げています。
このダリアの故郷はメキシコからグアテマラにかけての高地で、性質上冷涼な気候を好みます。1789年にスペインのマドリード植物園に種で送られたものが、そこで花を咲かせ、それを図解で紹介したスウェーデンの植物学者アンドレー・ダールにちなんでダリアと名付けられました。日本には江戸時代末期にオランダより渡来し、花の美しさから天笠牡丹と呼ばれました。丈夫で作りやすいため世界中で栽培され、新品種も毎年発表されています。今までに作られた品種は3万品種を超えるといわれています。
地植えがおすすめです。
高温多湿を嫌う植物なので、平地で栽培するときは、原産地の気候に似た期間ができるだけ長くなるようにする。また、球根は暖かい場所に置いて芽吹かせ、早植えし、その上をビニールなどで覆って保温し、早く芽が出て長期間花が咲くようにする。
植えつけ
ダリアの球根の植えつけ適期は各地の桜の花が咲くころが目安となります。日を好むので、日当りがよく風通しと水はけのよい場所に植えます。植えつけは、大柄になる大輪種は株間60cm、深さ10cmに1球を、中小輪種は株間40cm、深さ5cmに1球の間隔で植え、同時に支柱を立ててマルチングをしておきます。
発芽後の管理
定植後3~4週間すると芽が出ますが、2~3本出たときに太くて元気のよい芽を残し、他はかき取ります。草丈が30cmくらいになったら、クイックタイで支柱に誘引します。5月の晴天が続いて地面が乾く場合は、液肥を水やりの代わりに追肥して生育促進をはかります。
仕立て方
ダリアの仕立て方は、大~巨大輪種と小~中小輪種ではまったく異なった仕立て方となります。摘芯(ピンチ)をする時期は、5~6節に伸びたときに、大輪種は下2節の芽を残しそれ以上の節のわき芽はかき取って、天花1花のみを咲かせるようにします。中小輪種は下から3節を残してそれ以上は摘芯すると、下3節のわき芽が発達して5~6本の茎立ちとなります。
切り戻し
平地では梅雨が明けると暑さで株が弱るので、秋に花を咲かせるため7月下旬~8月上旬に下から3~4節を残し、その上は切断します。切り口に雨水が入ると腐ってしまうので、アルミホイルなどで雨除けキャップをしておきます。3~4週間するとわき芽が動き始めるので、大輪種や小輪種など、それぞれに応じた仕立て方をすると、10月ころから霜が降りるまで咲き続けます。
肥料
ダリアの細かい根は有機物の多い土を好むので、定植前に完熟牛ふんを多めに入れておきます。芽が出たら株元の根の張る範囲に化成肥料と浸透移行性殺虫剤をまいておきます。小さな蕾が見えてきたときと切り戻し後に芽が動き始めたら、同様に化成肥料を株元に施します。
病害虫
芽が伸び始めるとアブラムシがつくので、見つけしだい家庭園芸用のエアゾール式殺虫剤をかけます。夜温が高くなるとズイムシが茎の中に入るので、早めに見つけて穴の中の幼虫を針でつき殺して防除します。高温期に乾くと葉裏に赤ダニが出るので葉裏に水をかけて駆除します。ウイルス病予防には、切り花や切り戻しに使う刃物は熱湯消毒してから使うようにします。
花後の管理
生育期間中は花がら摘みや、地面が乾くときは水やりをします。株が枯れ上がったら越冬準備として、東京以北の土中深く凍る場所では、掘り上げて凍らない場所で越冬させます。東京以南の暖かい場所では、地上部を切り取った後、その上に20cmくらい盛り土をするか、地面の凍結防止に不要になった古毛布や段ボールをかけておくと、土が凍らずにすみ、土中で越冬できます。