ツルバキア フラグランスの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性中
- 耐暑性中
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質日当たりのよい場所で、水はけのよい土質
- 鉢植え用土腐葉土などの有機物が3割くらい入った、水はけのよい培養土
- 鉢サイズ・種類15~18cm鉢 ※2~3年後、直径24cmほどの腰高鉢に植え替える
- 植えつけ[地植え]間隔10~15cm、球根の下1/3から半分が埋まる深さ [鉢植え]5~6球植え、球根の下1/3から半分が埋まる深さ
ツルバキア フラグランスとは
空が高さを増し、朝晩涼しさを感じるようになると、暑さで半休眠状態のツルバキアが元気を取り戻して葉が動き始めます。ツルバキアは南アフリカのトランスバールやナタールなどが原産地で、24種類くらいの分布が知られています。性質的には暑さ寒さを嫌う、半耐寒性のユリ科(ネギ科)の球根植物です。
実生も容易で、種まき後2年目には開花します。英国には1838年に紹介されていますが、あまり注目されていない球根で、交配などもほとんど行われていないようです。日本でツルバキアの球根が売られるようになったのは、ここ5年から10年ほど。それ以前はほかの派手な球根に押され、ほとんど作られていませんでした。
近年、冬季温暖化が進んだ結果、以前のようにひどい寒害を受けなくなり、軒下などで作れるようになりました。甘い香りの花を次々と咲かせ、花もちがよい花なので、アレンジメントとしてもとても人気があります。
地植え、鉢植え両方OKです。
厳しい寒さや高温を嫌うので、冬はよく日が当たり、夏は風通しのよい涼しいところを選ぶ。
植えつけ
ツルバキアは主に春植え球根として売られ、3~5月頃が植えつけの適期となります。鉢植えで作られていることも多く、東京以南の冬季にひどく凍らない、軒下などの霜の当たらない場所なら、地植えにすることもできます。
原産地はやや雨量の少ないところなので、過湿を嫌います。用土は水はけをよくするため腐葉土などの有機物が3割くらい入った培養土を使います。
鉢植えの場合、1~2球植えでは見栄えがしないので5~6球植えにしましょう。鉢の大きさは、直径15~18cmの鉢を使います。深植えを嫌うので、球根の下1/3から半分が土に埋まる深さに植えます。
植えつけ後、鉢底から水が出るくらいたっぷり水を与え、根の発育を促します。日当たりのよいところへ置き、濃緑のかたく、しまった葉に育つようにします。
発芽後の管理
日なたを好む植物ですから、よく日に当てて葉がピンと立つように育てます。ツルバキアは生育中、水切れを起こすと脱水状態となって葉が垂れ、草姿が乱れますので、晴天時は朝、鉢底から水が出るくらいたっぷりと水を与えます。
葉が増える時期は、古い葉から枯れていくので、ときどき枯れ葉を取り除きます。6月になると気温も高くなり、強い日ざしに当たると、花の色は一日で変わってしまいます。少しでも長く花を咲かせるためには、株が弱らないよう、気温が高くなったら風通しのよい東側の場所に鉢を移動し、午後の強い日ざしが当たらないようにします。
肥料
生育開花期間は、真夏の半休眠期を除き、長期間にわたります。元肥は定植時、鉢底近くに肥料の効果の長い、緩効性の根を傷めない化成肥料を入れます。追肥として、葉が増え始めたら、緩効性の大粒化成肥料を置き肥として施します。その他、生育開花期間中は月に2回、液肥を水やり代わりに与えると、葉が濃緑に保たれ、花立ちの数も多くなります。
開花後の管理
ツルバキアの花後の管理は、梅雨明け後の高温による半休眠期と、9月下旬頃の生育開花期とに分けて管理します。半休眠期の管理は、強い日ざしと西日の当たらない風通しのよい、涼しい場所で夏越しをします。半休眠中でも株は水分を必要とするので、湿り気を保てる程度の水やりをします。涼しくなって葉が伸び始めたら、日当たりのよい場所へ移し、月に2回、追肥をやり生育を促します。
11月頃、霜が降り始めたら霜除けし、南向きの日がよく当たる場所へ移します。厳寒期、気温がマイナス5~6℃以下になる夜は、夕方に玄関などに取り込み、凍らないようにします。すると花梗も素直に伸び、葉も傷まず、きれいな状態で観賞できます。
病害虫
ツルバキアは生育開花期が気温の低い、空気の乾いた期間に当たるので、ほとんど病害虫は見かけません。しかし5月以降、土を乾かしすぎると、まれに赤ダニが発生することがあります。発生したら、水で洗い流します。