ハエマンサスの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途鉢植え
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性弱
- 耐暑性中
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 鉢植え用土腐葉土3割と川砂2割を混ぜた水はけのよい培養土
- 鉢サイズ・種類15~30cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[鉢植え]1球植え(球根の頭が1/3~1/4ほど出る深さ)
ハエマンサスとは
南アフリカや熱帯アフリカに分布するヒガンバナ科やユリ科の球根植物には、変わった性質や形態をもつものが数多く見られます。その中でもハエマンサスは群を抜いており、奇妙な形態や変化に富んだその花に魅了される人は少なくありません。
ハエマンサスはアフリカに約60種類分布していますが、その中でも気候に恵まれた南アフリカには50種類と多く分布しています。
性質は熱帯や地中海性気候に産するので耐寒性が弱く、霜に当てたり、凍る場所に置くと枯死してしまいます。日照量に恵まれた地域に自生する植物で日光を好みますが、梅雨明け後の高温強光期の日光は嫌います。雨量が少なく、半乾燥地のような場所にも自生しているので、土が過湿になることを嫌います。
日本への渡来は明治初期より始まっていますが、欧米諸国と比べると品種は少なく、ほとんどが原種なので、新しい交配種の出現が望まれています。
鉢植えがおすすめです。
地中海性気候の原産植物なので、暑い時、寒い時を上手に乗り越えてできるだけ長く葉を活動させ、球根が小さくならないようにする。
植えつけ
ハエマンサス類は耐寒性が弱く、地植えには不向きなので鉢植えで栽培します。
鉢の大きさは、球根の直径の2~3倍のものを使います。球根を植えたり鉢替えをする時期は開花期により異なりますが、日本で栽培されているものは4~5月頃が植えつけの適期です。
ハエマンサス類の根は土が過湿になることを嫌うので、腐葉土3割と川砂2割を混ぜた水はけのよい培養土を使います。球根を植える深さは、球根の頭が1/3~1/4ほど出る深さに植えつけます。植えつけ後は暖かい場所に置いて十分に水をやり、発根を促します。
発芽後の管理
植えつけ後、30~40日すると葉より先に蕾が出るので、よく日に当てて花茎をかたく丈夫に育てます。蕾が出て2~3週間すると、ムルチフローラは花火のような花を咲かせます。開花前に日当たりが悪い場所に置くと花色が悪くなってしまうので、蕾に十分に日を当てて育てましょう。花色が鮮明になります。
開花まではよく日に当てますが、開花後は半日ほど日の当たる、涼しい場所に置くと花もち期間が3割ほど長くなります。花が咲くと土が乾きやすくなるので、葉がなくても土は乾きすぎないようにします。
肥料
比較的球根が大きく、球根内に養分をたくわえているので、植えつけ時に鉢内の土に肥料を施さなくても初期生育には支障がありません。
植えつけ後1カ月ほど経過し、根が活動を始める頃に、緩効性化成肥料を土の上に置き肥として施します。また、葉が緑色の生育期間中は月に2~3回の割合で、液肥を水やり代わりに与えて、葉色を濃緑色に保つようにします。
開花後の管理
ムルチフローラは花が咲き終わると葉が出てきます。ハエマンサスは、いかに葉を長く活動させるかによって、翌年の花房の大きさが変わります。十分に葉を活動させると、翌年はひと回り大きな花房となり、たくさんの花を咲かせます。日光を好む植物なので、十分に日に当てますが、平地の7月上旬~9月中旬の強い光は葉焼けを起こすので、この期間は日照量を1/2~1/3に遮光して葉が傷まないようにします。
水やりは、高温期には毎日鉢底から水が流れ出すくらいたっぷりと与えます。年間を通じて葉をつけているアルビフロスは10月頃に開花しますが、開花後に気温が下がる季節に向かうので、よく日に当てて5~10℃くらいの温度で越冬させます。
病害虫
日光不足で軟弱に育つと、梅雨期に風通しが悪くむれる場所では、葉枯病が発生することがあります。梅雨時は葉を濡らさず風通しのよい場所に置くようにします。
梅雨明け後の高温乾燥期に葉裏に赤ダニがつくことがあります。水で洗い流すと、薬剤を使わずにダニを防除できます。ムルチフローラの球根はナメクジが好んで食害し、食害された球根の表面はデコボコになり、ひどい時にはそこから腐ることがあるので、ナメクジのいる場所には早めに駆除剤をまいて防除しましょう。