ゼフィランサス・ハブランサス(レインリリー)の育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた
- 耐寒性強
- 耐暑性強
- 土壌酸度弱酸性
- 地植え適所・土質日当たり、水はけのよい場所で、腐植質に富んだ水はけのよい土質
- 鉢植え用土腐葉土、ピートモスなどが多く入った、根張りのよい土
- 鉢サイズ・種類18~30cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔約3cm、深さ約5~15cm
[鉢植え]間隔約3cm、深さ約3cm
レインリリーとは
レインリリーと呼ばれるゼフィランサス、ハブランサスの仲間は、夏枯れの花の少ない時期に、周期的に色鮮やかな花で庭を作ってくれる貴重な花です。原産地は中南米の熱帯に産するものが多く、ほとんどのものが露地で越冬します。日本へは、早いものは江戸時代に渡来しており、サフランモドキやタマスダレの名で古くから親しまれています。以前は桃、黄、白色しか売られていなかった花も、種類が増えて花色が豊富になりました。近年はクリーム色、アプリコット色、赤系などの新色が加わり、カラフルな花色が楽しめます。
開花習性としては、球根内で次々と作られる花芽が、原産地の周期的な降雨による水分吸収が刺激となって急速に肥大し、短期間に開花する性質があります。そのため、「レインリリー」と呼ばれますが、この「レインリリー」という名前は正式名称ではなく、雨後に咲くことを強調する意味で、愛称として広く使われています。また、1輪の花もちは2~3日と短いですが、夏中何回も花を咲かせます。
地植え、鉢植え両方OKです。
熱帯植物なので日当たりが悪く、夜温が下がるとすぐに花が止まるので日当たりのよい場所でできるだけ温かく保ち、より長い期間花を咲かせるようにする。鉢植えは9月に温室に入れて、地温が20℃を下まわらないようにすると秋遅くまで咲き続ける。
植えつけ
熱帯原産の球根なので、温かくなる4月中旬頃が植えつけの適期となります。地植えの場合は草丈が低く、ほかの植物に隠れると花が咲いても分かりにくいので、通路わきや玄関前などの人目にふれる日当たりのよい場所に植えるとよいでしょう。2~3球では花が咲いても淋しいので、6~7球くらいをまとめて、球根の上に5~15cmほど土がかかる深さに2~3cm間隔で植えます。鉢植えの場合は18cm鉢を使い、根張りをよくするため、腐葉土が3割程度入った培養土を使います。鉢植えでも6~7球を植えておくとたくさんの花を楽しめます。鉢植えの場合の注意点は、半休眠状態の根の出ていないものに、たくさんの水を与えて過湿にすると根腐れを起こすおそれがあるので、植えつけ後しばらくは水を控えめに与えるようにします。なお、鉢植えは花が咲いたところで、室内や玄関など好きな所に飾れる利点があります。
発芽後の管理
地植えにしたものは、5月から梅雨入り前にかけて晴天が続くことがあり、地面が乾くので時々水を与えて根を張らせます。開花期は初夏から10月上旬頃なので、この間土が乾くときは10日に1回くらいたっぷり水を与えるとよく花を咲かせます。鉢植えにしたものは、発根して葉が出たら根腐れのおそれがないので、鉢内いっぱいに根を張らせるためたっぷりと水を与えます。葉が伸びきったら花が咲くので、10日周期で2~3日間鉢底から水が出るくらいたっぷりと水を与えると、2~3日後に一斉に花を咲かせます。生育中、水が少ないと花が咲きにくくなり、花径も小さくなります。
肥料
施肥は地植え、鉢植え共に定植時に球根の下から3cmほど離して、1球につき3~4粒の緩効性化成肥料を施します。葉が10cm以上伸びてきたら、1回目は1球につき1粒の大粒の固形化成肥料を置き肥とし、2カ月後に同様に2回目の置き肥をします。追肥は開花期間中、月に1回程度、液肥を与えると葉に輝きが出て、葉だけでも観葉植物の代わりになります。
花後の管理
昆虫の多い高温期には種をつけることがあります。種がつくと養分を取られて花立ちが悪くなるので、小まめに花がら摘みをして、種をつけないようにします。越冬は地面が深く凍る場所では、葉が枯れたら株の上に落ち葉やピートモスをかけておくと、地面が凍らず安全に越冬できます。鉢植えは年内は葉がありますが、寒さで葉が枯れたら、凍るおそれのない場所に置いて越冬させると確実です。
病害虫
植えっぱなし球根にしても大丈夫で、病気はほとんど発生しません。害虫は周囲に雑草が茂ると蛾の幼虫が葉を食害したりナメクジが花を食害することがあるので、害虫が潜みにくい環境作りが第一となります。
レインリリーの開花のしくみ
●葉の機能について
葉は常に光を浴びて同化養分を作り、球内にたくわえて、雨の周期ごとに花芽を肥大させて開花させる大切な役目をもつ
●根の機能について
他の植物と異なり、雨の周期ごとに短時間に大量の水分を吸収して花芽を急速に肥大させる役目をもつ
●花芽の作られ方
層状のりん片の間の基部に花芽を作る