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失敗しない栽培レッスン(花)

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アッツ桜(ロードヒポキシス)の育て方・栽培方法

難易度
  • 春植え
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Rhodohypoxis baurii
  • 和名/別名アッツザクラ
  • 分類コキンバイザサ科ロードヒポキシス属 半耐寒性球根

生育条件

  • 用途地植え・鉢植え
  • 日当たり日なた~半日陰
  • 耐寒性
  • 耐暑性
  • 土壌酸度中性~弱アルカリ性

栽培管理

  • 地植え適所・土質霜が当たらず、よく日が当たる水はけのよい場所で、腐植質に富んだ根張りがよくなる土
  • 鉢植え用土腐植質が3~4割入った水はけのよい土
  • 鉢サイズ・種類9~30cm鉢、平鉢
  • 植えつけ[地植え]間隔約10cm、深さ2~3cm
    [鉢植え]間隔3~4cm、深さ約2cm

栽培暦

アッツ桜とは

初めてこの花を見た人は、一瞬、「おや?」と思うかもしれません。普通、花の中心部にはおしべとめしべがあり、それが花のアクセントになっていますが、この花には見当たりません。

また、アッツ桜にはアッツという地名がつくことから、原産地をアリューシャン列島のはずれに位置するアッツ島と思っている方もいますが、本当の原産地はアッツ島とは縁もゆかりもない南アフリカのナタール地方原産の植物です。原産地の気候は、雨量は多くはありませんが、適時降雨があり夏涼しく、冬暖かな日ざしに恵まれた所です。

今から約140年前に英国人により発見され、ヨーロッパへ紹介されました。日本には大正末頃に渡来して栽培が始まりました。園芸家として有名な鈴木吉五郎氏は、栽培法の確立や品種改良を行い、丸弁大輪の優れた品種を残しています。最近はさらに改良が進んで、花弁の厚い大輪花や小輪多花、八重咲きも作られてバラエティーに富んだ品種が楽しめるようになりました。

ポイント

鉢植えがおすすめです。
南アフリカ原産の植物で、日本の暑さ寒さを嫌うので、冬は暖かく、休眠中でも凍らせないように、また、夏は涼しくする。土は過湿にならないものを使う。

植えつけ

1~2月頃に休眠期が終わるので、2~3月が植えつけの適期となります。普通、鉢作りにされていますが、霜の降りない暖かい所では花壇植えやロックガーデンにも使われています。

鉢植えの用土は、完熟した腐葉土やピートモスなどの有機物が3~4割と、水はけをよくするため川砂や小粒の赤球土を2割混ぜた用土を使うと、よく根が発達し花期も長くなります。

鉢は9cm鉢なら4~5球植えとし、球根の上に約2cm土がかかる深さに植えます。球根が小さい割りに約2cmとやや深植えをする理由は、新球が上へ上へとできるので、2cm程度土がかかっていれば約2年は植え替えをせずに花を楽しむことができるからです。

植えつけ終了後は、たっぷりと水を与えて、暖かい所に置いて発芽の促進をはかります。

草丈が低い植物なので、平鉢がよく似合う

発芽後の管理

日光を好む植物なので、発芽直後から十分に日光を当てて葉が徒長しないように育てます。絹糸のような細かい根が弱らないよう過湿は避けますが、土は乾かさないようにして、一定の湿り気を保つようにします。

土が常に湿っていると土の表面にゼニゴケが生えやすくなりますが、鉢底の乾き具合を見ながら土の表面が白く乾くように、1~2日おきに水やりするとゼニゴケの発生を抑えることができます。

肥料

元肥として植えつけ時に、鉢底に塩分を含まない緩効性化成肥料をばらまくようにして施します。肥料切れを起こすと、葉色が淡くなるので、芽が出たら月に2回くらいの割合で液肥を水やり代わりに与え、葉が緑色の間は液肥を与え続けます。

また、追肥として、開花前の株が込み合う前に、緩効性化成肥料を葉の上にのらないよう土にまいて、肥培促進をはかります。

花後の管理

花がらをつけておくと見苦しいので、終わった花はハサミで切り取っておきます。花が終わると株が殖え始める時期なので、この時期は十分に肥培に努めます。ゼニゴケが生え始めたら、2~3mmの小さいうちなら簡単に取れるので、早めに取り除いて広がらないようにします。

梅雨が明ける頃になると、急に温度が高くなり、日ざしも強くなるので、遮光ネットやすだれをかけて光量を1/2に抑えます。また、西日は鉢の温度を上げて株を弱らせるので、西日の当たらない風通しのよい場所に移し、できるだけ涼しい状態で夏越しをさせます。

11月下旬頃から葉が黄ばみ始めるので、徐々に水やりの回数を減らして休眠の準備をします。アッツ桜は半耐寒性球根で、凍ると球根が腐るので、凍るおそれのある時期は暖かい屋内に入れて保存しますが、からからに乾かすと、球根が脱水するので、ほんの少し湿りけを保って貯蔵しておくと、球根がしなびずに越冬できます。

病害虫

葉が革質でかたく、水分も多く含まないので、ほとんど病気の発生はありません。株を乾燥させて弱らせると赤ダニが発生するので、水で洗い流すと、薬剤を使わずにダニを防除できます。

土中での球根の生育過程

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