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アマリリスの育て方・栽培方法

難易度
  • 春植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Hippeastrum Herb.
  • 英名Amaryllis
  • 分類ヒガンバナ科ヒペアストラム属 非耐寒性球根

生育条件

  • 用途鉢植え
  • 日当たり日なた~半日陰
  • 耐寒性
  • 耐暑性
  • 土壌酸度弱酸性~中性

栽培管理

  • 鉢植え用土腐葉土や完熟堆肥が3~4割入った、水はけのよい土
  • 鉢サイズ・種類18~30cm鉢、素焼き鉢
  • 植えつけ[鉢植え]1球植え、球根の1/2~1/3が埋まる深さ

栽培暦

アマリリスとは

5月の半ば、日ざしも強まる初夏のころになると、アマリリスの蕾が緑色の顔を覗かせます。花梗は日ごとに力強く伸び、やがて子どもの顔を隠すほどの大きな花を咲かせます。花弁は光が当たるとネリネの花のようにきらきらと光沢を放つようなものや、フランネルの生地を思わせるような花を咲かせて、見る人を魅了します。
春植え球根として扱われているアマリリスは、園芸上、アマリリスと呼ばれていますが、植物学上はヒペアストラム属の植物で、正真正銘のアマリリスは南アフリカ原産のアマリリス ベラドンナと呼ばれる球根植物です。

原産地は熱帯アメリカで、約80種の原種があります。ヨーロッパへは18世紀後半に2~3種類の原種が入り、19世紀には交配が始まっています。日本への渡来は江戸時代の天保年間に原種が入り、交配種は昭和初期より品種名のない丸弁系や剣弁系として輸入され、日本でも改良が行われました。

最近オランダで急速に改良が進み、大輪で色彩鮮明、花弁が厚く、花もちもよく、さらに茎が太く短く、丈夫で倒れにくいすばらしい品種が続々と発表されています。

ポイント

鉢植えがおすすめです。
熱帯植物なので、生育初期は暖かく保って生育促進をはかり、十分に肥培管理して球根が大きくなるようにすると、毎年花が咲く。

植えつけ

アマリリスは熱帯原産の植物なので、ある程度温度が上がってから植える方が安全です。定植・適期の目安としては各地で桜の葉が出るころが適期となります。鉢の大きさは、球根の直径より約5cm大きな通気性のよい素焼き鉢が適しています。用土は水はけ・保水・通気性がよくなるよう、完熟牛ふん1割、腐葉土2~3割、ピートモス1割くらい入った根張りのよくなる有機物の多い培養土を使います。

有機物が多いと根が鉢内いっぱいに広がり、葉を長い間健全に保ちます。植え方は深植えを嫌うので、球根の1/2~1/3が埋まる深さに植えます。植える前に球根の周りの古皮や枯れたり腐ったりした根はハサミで切って取り除いておきます。このときの注意点としては、用土は前日に水をかけて十分湿らせた土を使い、定植後は10日くらい水を与えないようにします。定植後すぐに水を与えると、根は急速に吸水して根腐れの原因となります。湿った土を使って植えつけると、乾いた根は徐々に少しずつ水分を吸収して乾きから回復し、主根から細い支根が出たり、何本かの新根が出て、少しずつ自分の根で吸水するようになります。

植えつけが終わったら暖かい風の当たりにくい所に置きます。光が当たると土の乾きが早まるので、10日間くらい光の当たらない場所に置きます。

葉が8枚以上あればりん片は片側5層以上になり、花芽が2つ以上できる

球根の1/2~1/3を土中に埋める

発芽後の管理

植えつけて2~3週間すると、うまく発根したものは葉と花梗が同時に伸び始めます。このとき鉢土が乾いていれば球根に水をかけないようにして、球から離れた部分に少し水を与えて土が乾きすぎないようにします。そして、しばらくすると蕾が割れ、やがて色鮮やかな大輪の花を咲かせます。

植えつけ直後に水をやったり、水はけの悪い土を使い過湿にすると、根が呼吸できず、根腐れを起こす場合があります。根腐れで上手く発根できない場合、葉は伸びませんが、花梗は球根の養分を使って伸び、花は咲きます。根がなくて茎が立つので球根の安定が悪く、開花時に倒れるおそれがあるので、支柱を立てて誘引しておきます。

球根は養分を使って消耗するので縮んで1回り小さくなり、球根と土の間にすき間ができるので、球根の周りの土を球根の方へ押しつけてすき間を埋めておきます。

肥料

アマリリスの根は、球根の植えつけ時に土中に塩分を含む肥料を施すと、根が傷んで根腐れの原因となるので、最初は無肥料でスタートする方が安全です。葉が展開を始めたら根は吸肥することができるので、元肥として緩効性化成肥料を施します。

アマリリスは多肥を好む植物なので、生育中に肥料が不足すると球根の肥大が悪くなるので、葉が活動している間は水やり代わりに1カ月に2回ほど液肥を与えて球の肥大に努めます。最初に元肥として施した緩効性化成肥料は肥効が約2カ月で切れるので、肥料の形がくずれたら再度同じ肥料を施します。

開花後の管理

花が終わり花梗が枯れると、葉が展開を始め、1カ月に約2枚の割合で増えるので、日当たりのよい場所に置いて十分に光を当てます。梅雨があけると日が強くなり、日光に長く当てると葉焼けを起こすので、9月中旬頃までは約50%遮光して葉焼けを起こさないようにします。

生育中に土を乾かすと株が弱り、早く出た葉が枯れるので、土は乾かさないようにします。秋の長雨に当てると病気にかかり、葉が早く枯れ上がるので、秋雨シーズンは軒下などの雨の当たらない場所に置きます。

9月下旬頃になると葉の増加が止まりますが、葉が8枚あれば球根は十分に肥大しているので、翌年も花が咲きます。晩秋になり夜温が下がると葉が黄ばむので、徐々に水を控えて休眠させます。休眠中でも土を乾かしすぎると根が弱るので、鉢土は少し湿り気を保たせておきます。越冬は鉢ごと凍らない場所に置くと安全ですが、霜や雨水が当たらない場所でも越冬できます。

秋に左右8枚の葉が出れば、翌年も開花する

病害虫

少量の栽培では害虫はほとんど発生しませんが、高温期に葉裏に赤ダニが発生することがあるので、泥はねのおそれのないところで鉢を横に倒し、水で洗い流すと、薬剤を使わずにダニを防除できます。病気は秋の長雨に当てると赤斑病が出て、葉が半分くらい枯れて球根が肥大しなくなるので、長雨には当てないようにします。

ほかには、葉に黄色のモザイク斑の症状が出るウイルス病がありますが、ウイルスは接触によって感染し、薬品による防除はできないので、ほかの植物との接触は避け、環境をよい状態に保つと、そのままの状態で悪化せず数年間は花を咲かせてくれます。

JADMA

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