べラドンナリリーの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性中
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質霜の当たらない日当たりのよい場所。腐植質に富み、水はけのよい土
- 鉢植え用土腐葉土が3割くらい入った、水はけのよい土
- 鉢サイズ・種類18cm鉢
- 植えつけ[鉢植え]深さ3~4cm
[地植え]間隔約30cm/深さ3~4cm
べラドンナリリーとは
空が澄み渡り、高い空に秋の雲が浮かぶ頃になると、勢いよく地を割ってベラドンナリリーが花梗を伸ばします。太い茎の先に咲く、よく整ったユリ形の端正な花には、例えようもない気品が感じられます。
花にはよい香りがあり、花もちもよく、切り花としても人気があります。普通6~8輪くらいの花が咲きますが、明るい場所に置くと、最後の1輪まで、花が咲き切ることもあります。華やかな色彩と豪華な花の姿で見る人を魅了する花です。
原産地は南アフリカのケープ地方で、1種類のみの分布が知られています。
日本には明治の初期に渡来しています。半耐寒性球根ですが、強い寒さにあうと枯死してしまうため、日本での普及は遅れています。しかしながら近年の温暖化の傾向で、冬を越すことが容易になったため、作る人が増えている花です。
地植え、鉢植え両方OKです。
根は切れたり、いじられたり、乾いたりすることを嫌うので、あまり植え替えない。
鉢植えは3~4年、地植えは4~5年に1回くらいで植え替えてやるとよく咲く。
植え付け
ベラドンナリリーの根は高温を嫌い、気温が25℃以上になると植えても発根しません。植えつけは、葉が枯れた後の7~8月が適期となります。8月の高温期に植える場合は、できるだけ早く植えて、根を乾かさないようにします。また根の水分を奪わない程度に、土は少し湿り気を保つようにします。秋植えは、やや根張りが悪くなります。
鉢植え栽培がおすすめですが、無霜地帯では地植えにすることもできます。
鉢植えの場合、テニスボールよりひと回り小さいくらいの球根であれば、直径18cmくらいの鉢に1球植えとします。腐植質が多い用土は、細根が発達して花立ちがよくなるので、腐葉土、堆肥などの有機物が3~4割くらい入った培養土を使います。
植える時の注意として、根が乾いている場合、急にたくさんの水を与えると、根腐れを起こすおそれがあるので、湿った土を使って植えます。球根は、球首の上に3~4cmくらい土がかかる深さに植え、分球しやすくなる浅植えは避けます。
植えつけ後、1週間くらいは涼しい日陰に置くと、根が土から徐々に水分を吸います。その後、土が乾いたら少しずつ水をやり、新根を出させます。
地植えにする場合は、霜が当たらない場所に、鉢植えと同じ深さに、約30cmくらいの間隔で植えます。
ベラドンナリリーの植え方
発芽後と花後の管理
ベラドンナリリーの生育サイクルは、まず先に花が咲き、その後に葉が出て生育を始めるので、発芽後の管理と花後の管理は一体となります。
ベラドンナリリーの自生地はやや乾きぎみの日当たりのよい草原です。鉢植えの場合、日ざしを好む植物なので、発芽後は一日中よく日の当たるところに置きます。土が過湿状態になるのを嫌うので、鉢土の表面が湿っている間は水はやらず、表土が白く乾いた晴天時に鉢底から出るくらいにたっぷり与えます。
半耐寒性球根ですが、耐寒力はやや弱く、葉が強い霜に当たると枯れてしまいます。葉が半分以上枯れると花立ちが悪くなるので、夜間凍るおそれのある時は、夕方、鉢を室内に取り込んで保護します。
地植えの場合、夜間凍る期間の防寒は、熱気抜きの穴を開けた防寒トンネルをかけて保護します。
5月下旬頃から、気温が25℃を越えると急に葉が黄ばみ始めます。2週間後くらいで葉が枯れるので、黄ばみ始めたら、水やりは今までの半分以下の回数とし、徐々に土を乾かし、休眠の準備に入ります。
休眠期は、葉がなくなっても根は生きています。鉢植えの場合、鉢土がカラカラに乾きすぎないよう、雨の当たらない日陰の湿った土の上に置きます。そうすることで土が乾きすぎず、夏越しができます。地植えの場合は、水がたまらない場所なら、そのままの状態で夏越しします。
肥料
ベラドンナリリーは、多肥とチッ素過多の肥料を施すと、葉は茂りますが、花立ちが悪くなります。元肥は鉢植えの場合、直径18cm鉢で、緩効性の根を傷めない化成肥料を鉢底1/3くらいの土と混ぜ合わせるようにして施します。
追肥は、11月になると葉が伸び始めるので、大粒の化成肥料を5~6粒、置き肥します。他に5月の始めまでは月に1回くらい、チッ素分の少ない液肥を水やり代わりに与えれば、施肥量としては十分で、球根がしまった状態でひと回り大きくなります。
地植えも、鉢植えに準じた施肥をします。
病害虫
気温が低く、空気が乾いた時期に生育するので、病害虫の発生はほとんど見ない植物です。ただし、長雨の中に長く置いたり、常に土が過湿状態になると根が弱り、フザリウム腐敗病が出ることがあるので、土が過湿にならないように管理します。