リコリスの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え・切り花
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性中
- 耐暑性強
- 土壌酸度弱酸性
- 地植え適所・土質最低でも半日以上は日が当たる、風通しのよい場所で、土質はあまり選ばないが、生育期に乾燥しすぎない所
- 鉢植え用土腐植質に富んだ水はけのよい土
- 鉢サイズ・種類24~30cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔5~20cm/深さ5~10cm
[鉢植え]間隔3~10cm/深さ3~5cm
リコリスとは
暑い夏が終わり、涼しい風が吹き始める秋の彼岸のころになると、田の畦や川の土手などに突然、赤く色鮮やかなヒガンバナが咲き乱れます。ヒガンバナとして知られるリコリス類は本州、四国、九州、南西諸島から台湾と本家の中国からミャンマーにかけて、20種類くらいの原種が分布しています。リコリスの花型は2つのタイプがあり、ラジアータ(ヒガンバナ)のように花弁が反転するものと、スクアミゲラのようにユリに似たラッパ状の花型があります。
花期には幅があり、早いものはスクアミゲラのように7~8月に咲き、遅いものはオーレアのように10月に咲くので、数種類を植えておくと4カ月くらい長く楽しめます。
葉の出る時期は、ラジアータのように花後に秋から冬にかけて出るタイプと、スクアミゲラのように春になり暖かくなってから出て、夏に枯れるタイプがあります。
リコリス属は比較的交雑が容易で数十年前より交配が行われ、整型で花弁厚く花もちよく、加えて花立ちのよいものが作られています。
地植えがおすすめです。
開花期に花茎に日が当たらないと、茎が弱く、倒れやすくなり、花色も淡くなってしまうので、開花期はよく日に当てるように。
根は土が乾燥しすぎることを嫌うので、葉のある時期は常に土に湿り気をもたせるようにする。
植え付け
葉のなくなる7~8月頃が適期となります。リコリス類の根は葉がない時期でも休眠せず生きているので、球根は入手したら根を乾かさないためにできるだけ早く植えます。
植える場所は土質は選びませんが、湿り気のある場所が適しています。
日当たりは、葉のない時期は日陰で、葉のある時期はよく日の当たる場所が理想的です。サンギネアなどは半日陰を好みますが、ほかの種類は日照が少ないと花茎が弱くなります。
球根を植える深さは、小球、大球ともに5~10cmほど土がかかる深さに植えます。
暖地性のオーレアは耐寒力が弱く、強い霜に何度も遭うと葉先が枯れこんで枯死するので、霜の当たらない南向きの軒下や大きな鉢に植えて、厳寒期に凍らない所に置いて保護します。
定植後と花後の管理
リコリスは植えつけ直後は根張りが十分ではないので、植えつけ後雨が少なく土が乾くと、水分不足から花茎の伸びが悪く、花径も小さくなります。そこで、土を乾かさないため花が咲くまでは時々水をやります。
花茎の伸びが止まったら、輪状になっている支柱を開花前に立て、風雨で倒れないようにします。花が終わると花がらは急にしぼむように枯れあがり、そのままにしておくと2カ月くらいそのままの状態で残る場合があるので、葉が出る前に邪魔にならないよう、花がらを取り除いておきます。
暖地性のオーレアは霜害を受けるので、霜よけ防寒トンネルをかけて寒さから保護します。なお、冬に葉が出ている種類は積雪地帯での栽培には向きません。
肥料
リコリス類は割合球根が大きく、球内にたくさんの養分をたくわえているので肥料がなくても花は咲きますが、球の肥大や増殖は悪くなります。多くは必要としませんが、生育をよくするために肥料を与えると根張りもよくなるので、緩効性の根を傷めない化成肥料を土に混ぜ合わせて施します。
追肥は葉の活動期に速効性の化成肥料を葉にふれない所へ施します。
病害虫
リコリスは非常に強健な植物で、病気は普通に栽培している場合はほとんどありません。害虫は蕾をナメクジが食害することがあるので、早めに見つけて捕殺します。