アルストロメリアの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性中
- 耐暑性中
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質日当たりと水はけのよい所。腐植質に富んだ肥沃な土質
- 鉢植え用土腐植質に富んだ通気性と根張りのよい土
- 鉢サイズ・種類15~18cm鉢、腰高鉢
※18cm鉢なら深さ20cmくらいのもの - 植えつけ[地植え]間隔40~50cm
[鉢植え]深さ2~3cm
アルストロメリアとは
ふっくらと丸みをおびた蕾。ぱっと開くとスポット(斑点)が人目を引くエキゾチックな花。モダンな花はコサージュやブーケにも人気があります。カラフルで鮮明な花色と、品種によっては20~30輪も花をつけるなど、他の花にはない華やいだ魅力があります。
アルストロメリアの原産地はペルー、チリからブラジルにかけての広大な地域に60種類くらいの分布があります。日本への渡来は明治初期~大正期に何種類かが入っています。その後、生活の洋風化に伴い、洋花として英国などで改良されたものが入って来ましたが、あまり多く作られる花ではありませんでした。
バブル期前後にオランダで改良された花色が鮮明で多花性の、格段に品質の優れたパテント品種が輸入されると、アルストロメリアのイメージは一新しました。今やよく咲いて花もちもよく、長い期間楽しめるので、アレンジメントの主役になっています。
地植え、鉢植え両方OKです。
過湿地を嫌うので、水はけと日当たりのよい肥沃な場所で栽培する。高温多湿を嫌うので、夏は冷涼に過ごさせる。
植えつけ
アルストロメリアの球根は、春と秋の二季に販売されているので、春は3~4月が植えつけの適期となります。秋は9月の早い時期に植えると、寒さで生育がとまるまでに、かなり根を張ることができます。
植える場所は連作地を避けて、日当たりと水はけのよい場所を選びます。酸性土壌を嫌うので、事前に苦土石灰を散布して酸度調整をしておきます。
地植えは、根が深く張れるように40~50cm深耕し、水がたまるのを防ぐため10cmくらいに高く盛り上げるようにします。球根を植える深さは、春植えの場合、株の上3~4cm土がかかる深さに植えておけば、高温期でも地温が上がって株が弱るのを防げます。秋植えの時は地面が凍るおそれがあるので、株の上に7~8cm土がかかる深さに植えます。植える間隔は、大柄になるものは50cmくらいに、小柄なものは20~30cm間隔で植えます。
鉢植えは、根茎が長いので直径15~18cm鉢(18cm鉢なら深さ約20cmのもの)を使い、球根の上に2~3cm土がかかる深さに植えます。
アルストロメリアの植え方
発芽後の管理
アルストロメリアは日光を好む植物で、開花期までは日によく当ててください。原産地は傾斜地で、土が過湿にならない場所なので、長雨の後でも水がたまらないようにします。
発芽初期に出る株には、葉だけのものが何本かあります。そして、その後に花の咲く株が出てきます。花の咲かない株が花の咲く株に日が当たるのを邪魔したり、株元の通風を悪くするので、貧弱なものや込み合っている株は引き抜いて間引きをします。
普通、風で倒れることはありませんが、花がたくさん咲くと頭が重たくなり、倒れることがあるので、早めに支柱を立てて倒伏を防ぎます。
肥料
地植えの元肥は、根張りをよくするために腐葉土、堆肥、ピートモス等の有機物を土の量に対して3割ほど、そして、根を傷めにくい緩効性化成肥料をよく混ぜ合わせて全層に施します。
追肥は、発芽したら、株元に大粒の化成肥料を置肥として施します。この他、葉が緑色の間は液肥を月に2回ほど水やり代わりに与えます。
鉢植えの元肥は、緩効性の根を傷めない化成肥料を培養土とよく混ぜ合わせて施します。追肥は発芽したら、化成肥料を置肥として施します。また、液肥を地植えと同じ要領で施します。
開花後の管理
アルストロメリアの原産地は、夏冷涼で空気が乾いている場所なので、日本の高温多湿の気候を嫌います。開花後の管理はこの点に留意して、梅雨明け後、日ざしが強く当たらないようにします。地温も高くなる時期なので、マルチを敷いて地温の上昇を防ぎます。
鉢植えは、葉が枯れて休眠に入ったら、日陰の涼しい場所で土をひどく乾かさないように夏越しさせます。
越冬は、土が深く凍る場所ではマルチを敷き、土が凍らないようにします。鉢植えも厳寒期、鉢土が凍るおそれがない場所へ移動します。
病害虫
病害虫の発生をほとんど見ない植物です。花を切る時にハサミを使うと、ウイルスに感染するおそれがあります。感染してしまうと、葉に黄色の濃淡のモザイク症状が出て葉が縮れ、2~3年で花が正常に咲かなくなることがあります。ウイルス病を防ぐには、ハサミを使わず、引き抜くように採花すると安全です。