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失敗しない栽培レッスン(花)

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アリウムの育て方・栽培方法

難易度
  • 秋植え
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Allium
  • 和名/別名ハナネギ
  • 英名Allium
  • 分類ユリ科アリウム属 耐寒性球根

生育条件

  • 用途地植え・鉢植え・切り花
  • 日当たり日なた
  • 耐寒性
  • 土壌酸度中性~アルカリ性

栽培管理

  • 地植え適所・土質日当たりと水はけがよく、腐植質に富んだ水はけのよい土
  • 鉢植え用土腐葉土の3割くらい入った根張りのよくなる土
  • 鉢サイズ・種類9~36cm鉢、平鉢~大型腰高の鉢
  • 植えつけ[地植え]間隔6~30cm、深さ2~10cm
    [鉢植え]深さ3~8cm(品種による)

栽培暦

アリウムとは

5~6月にかけての庭では色とりどりのアリウムの花を見ることができます。中でも変わらぬ人気で長い間作り続けられているものに「ギガンチューム」があります。1mを超える長い茎の先にソフトボール大のまん丸い紫桃色の花を咲かせ、道行く人の目を奪います。アリウムは北半球に300種類とも400種類ともいわれているくらい多くの種類があります。

現在、栽培されているものは、ほとんどのものが改良されていませんが、花色、花容、草姿など非常に変化に富んでいます。また、ふだん私たちが食用としているタマネギ、ニンニク、ニラ、ネギなどもすべてアリウムの仲間です。

性質や形態でも3つに分けられます。
①大きな球根を作り殖えにくいもの
②小さな球根でよく殖えるもの
③年間を通じて緑色の葉が活動している常緑性のもの
この異なる性質を理解して上手に栽培すると、毎年花を楽しめ、そのうえ、球根も殖やすことができます。

ポイント

地植えがおすすめです。
発根適期に日当たりと水はけのよい所に植えて肥培する。

植えつけ

球根を植える時期は9月頃からが適期となります。遅くなると地温が下がって根張りが悪くなり、「ギガンチューム」などの大きな花を咲かせるものは、ひと回り小さな花になってしまいます。植える場所は日当たりと水はけのよい腐植質に富んだ土質の所が適地となります。またアリウムは、酸性土を嫌うので、植えつけの1カ月くらい前に1平方メートル当たり100~200gの苦土石灰を混入して酸度を調整しておきます。

「ギガンチューム」など大球性のものは、葉が広くて長いので20~30cm間隔で球根の上に10cmくらい土がかかる深さに植えます。

草丈20~30cmのものは、6~8cmの間隔で球根の上に5~6cm土がかかる深さに植えます。

常緑性の「スコエノプラザム」や「フラバム」、「イトラッキョウ」などは、厳寒期を避ければいつでも株分けや植え替えを行うことができます。

常緑種は厳寒期に植え替えをすると、低温のため根がうまく吸水できず、葉が脱水状態になり、ひどい時には枯れ上がって枯死してしまいます。鉢植えの場合、大球性の「ギガンチューム」は30~36cm鉢に1球植えとし、球の上に7~8cm土がかかる深さに植えます。小球性は15~18cm鉢に5~6球植えとし、球根の上に3~4cm土がかかる深さに植えます。

30~36cm鉢に1球植えとし、球根の上に7~8cm土がかかる深さに植えます。

15~18cm鉢に5~6球植えとし、球根の上に3~4cm土がかかる深さに植えます。

発芽後の管理

アリウムは北半球の冬季、気温の低くなる所に産するものが多く、耐寒性が非常に強いので、霜除けなどの防寒はまったく必要としません。

アリウムは他の球根に比べると根が多く、水分を多く吸収します。東京以南の冬季、晴天が続いて2~3週間雨が降らない時は、土が乾きすぎの状態になるので、時々水をやって土に湿り気を保ちます。花梗が出た後に土の水分が不足すると、日中の光が当たる時、伸長中の花梗の先端が軽い脱水状態となり、先がしな垂れ、花梗がくねってまっすぐにならない原因となります。

特に水分を多く必要とする「ギガンチューム」は生育中、土を乾かすと花が咲く頃には葉が先から半分くらい枯れて、見苦しくなります。鉢植えにしたものは開花まではよく日に当てて、茎葉をかたく作るようにしますが、開花後は午後の強い日が当たらない所に置くと、花色の退色もなく花もち期間も長くなります。

肥料

大きな花を咲かせる大球性種は長い根を土中いっぱいに張って多くの肥料を吸収するので、多肥栽培をしてやります。肥料が少ないと葉色も淡く、花もひと回り小さくなってしまいます。大球性種の施肥は生育初期より肥料を必要とするので、塩分を含まない粒状肥料を土とよく混ぜ合わせて施します。小球性種は大球性種と比べると少なめの肥料で十分ですが、元肥として化成肥料を置き肥します。

開花後の管理

「ギガンチューム」は土が乾いたり、地面に西日が当たって地温が高くなる所では、開花する頃に、葉先が5cmくらい枯れることがあります。花が終わる頃に葉が半分くらい枯れると、球根の肥大が悪くなるので、花後も常に土に湿り気を保たせて葉がより長い間緑色を保つようにします。アリウム類の花にはよく昆虫が飛来し、結実することがあるので、花色が変わったら花がらを取って種をつけないようにします。

小球の鉢植えにしたものは肥培すると、2年間くらい植え替えなくても翌年も咲くので、葉が緑色の期間は土を乾かさないようにします。木子がたくさんつく小球性種は、葉が枯れてしまうと、掘り上げの時、木子が土中に残るので、球根の掘り上げを行う場合は、葉色が黄色くなった時に行うと、木子を落とさず掘り上げることができます。掘り上げた球根は紙袋に入れて冷暗所に保存しておきます。

病害虫

日当たりと水はけのよい所で栽培すれば、病害虫はほとんど見かけません。切り花にする時は、ハサミを使って切ると、ウイルス病が移ることがあるので、ハサミを使用する際は、刃先をライターなどで軽く焼いて使うと防げます。小球性のものは特に強健でワイルドフラワーのような強さで、植えっぱなしにしてもよく殖えて何年間も花を咲かせます。

JADMA

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