早咲きグラジオラスの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた
- 耐寒性中
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質霜の当たらない日当たりと水はけのよい場所。腐植質に富んだ土質
- 鉢植え用土腐葉土が3割くらい入った、細根のよく発達する培養土
- 鉢サイズ・種類12~15cm鉢、標準鉢(5~7球植え)
- 植えつけ[地植え]間隔2~3cm、深さ5~7cm
[鉢植え]間隔4~5cm、深さ4~5cm
早咲きグラジオラスとは
ぴんと四方に張った花弁、原種の「トリステス」の花を思わせるシャープな花形、淡い感じのやわらかな色彩。今、新しいタイプの春早咲きグラジオラスが注目を集めています。
南アフリカのケープ地方に150種以上あると言われている原種のグラジオラス。早咲きグラジオラスは、これらを元に交配して作られたケープハイブリッド・グラジオラスとも言われています。
今まで春咲きグラジオラスとして売られてきたコルビリー系やナナス系と較べると、はるかに耐寒性と耐病性が強く、作りやすい点が特徴です。
葉は細くてかたく短く、少ない枚数で冬を越しますが、暖かくなると急に育ち葉を増やし、4月上旬頃に開花します。
花色はピンクからローズ系や白色、紫色を基調とし、明るい日ざしの中では透けるような感じで咲く、個性の豊かさが魅力です。
地植え、鉢植え両方OKです。
耐寒性はあるが、厳冬期は凍害を受けないように保護する。
植えつけ
球根の植えつけは9月中旬頃からが適期となります。遅くなると地温が下がるため、発根量が少なくなります。株張りも大きくならず、花つきが少なくなります。
従来の早咲きグラジオラスは葉が広く薄くやわらかく、凍害を受けやすいため、暖かい無霜地帯以外では地植えにすることができませんでした。しかし本種は、葉が棒状に近くかたくて丈夫、また葉の水分も少ないので、軒下などの霜の当たらないところなら地植えにすることができます。
地植えは、酸性土壌を嫌うので苦土石灰をまいて酸度を調整します。根張りがよくなるように、土と有機物がよく混合したところに植えます。
球根の植え方は、5~7cm土がかかる深さで、球根の直径の3倍の間隔で植えると、2~3本の茎立ちとなり、株が込み合わないため日光不足を防げます。
鉢植えは、花の大きさとのバランスから、直径12~15cm鉢に5~7球植えがよいでしょう。球根の上に4~5cm土がかかる深さに植えます。
植えつけ後はたっぷり水を与え、10日間ほど日陰に置き、発芽を待ちます。その後は日の当たるところで芽が出るようにします。
早咲きグラジオラスの植え方
発芽後の管理
地植え、鉢植え共に芽が出たら、よく日に当て、芽と地面に接する部分が軟弱にならないように気をつけます。
地植えの場合の寒さ対策は、針金で骨組みを作りビニールや断熱材をかけて、ひどく凍らないように保護します。3月になると葉が増え始めますので、鉢のへりに3~4本の支柱を立てて、アンドン仕立てにします。
鉢植えの場合、根が伸びる時期です。水やりは乾きすぎて根が弱らないように、鉢底の穴を見ながらします。本種は12月上旬の寒さには耐えられますが、寒さ対策として12月下旬以降、夜間最低気温がマイナス5~6℃くらいまで下がる時期は、葉先が傷むので、夕方玄関に取り込み、凍らないように保護します。
開花が始まり1~2輪が咲いたら、日当たりのよいところへずっと置くより、1日3~4時間ほど日に当てるようにしてやると、花もちの期間が3割ほど長くなります。
肥料
アヤメ科の秋植え球根は、塩分を含む肥料を土中に施すと、根を傷める事があります。元肥は土中には施さず、土の上に置き肥とした方が安全です。
施肥は、緩効性の肥料を発芽後に置き肥します。
そのほか発芽をしたら、液肥を月に2~3回水やり代わりに与えます。
開花後の管理
非常に結実しやすい種類ですので、花が咲き終わったら花穂の花首のところで折り取り、結実を防ぎます。花後の葉が緑色の時は、新球が一番肥大する時期ですので、水やりと肥料やりを忘れずに続けます。
6月に入ると葉が黄ばみ始めるので、水を控えて土を乾かし、休眠させます。地植えは葉が枯れたら、晴天が2~3日続く日を見計らって掘り上げます。木子を落とさないように掘り上げるには、球の下3cmくらい離れた場所から土をすくい上げます。
鉢植えは休眠に入ったら雨や日の当たらない場所へ移動させ、土が完全に乾いたら掘り上げます。
病害虫
比較的病害虫の少ない時期に生育、開花し、茎葉もかたく水分も多く含まない植物です。日当たりのよい場所で栽培すれば、ほとんど病害虫の発生は見ません。