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失敗しない栽培レッスン(花)

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スイセンの育て方・栽培方法

難易度
  • 秋植え
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Narcissus L.
  • 和名/別名スイセン
  • 英名Narcissu(s スイセン) Daffod(il ラッパスイセン)
  • 分類ヒガンバナ科スイセン属 耐寒性球根

生育条件

  • 用途地植え・鉢植え・切り花
  • 日当たり日なた(開花前)~半日陰(開花後)
  • 耐寒性
  • 耐暑性
  • 土壌酸度中性~弱アルカリ性

栽培管理

  • 地植え適所・土質日当たり、水はけ、風通しのよい場所で、土質は腐植質に富んだ水はけのよい砂質土
  • 鉢植え用土腐葉土、ピートモスなどが約30%入った、根張りのしやすいやわらかい土
  • 鉢サイズ・種類15~18cm鉢、標準鉢
  • 植えつけ[地植え]間隔10~20cm、深さ6~10cm
    [鉢植え]間隔5~6cm、深さ4~5cm

栽培暦

スイセンとは

スイセンはチューリップに先駆け、早春の光と風の中にまばゆい黄金色の花びらを揺らし、春の庭にはなくてはならない花です。花色は黄色や白色が主体で、チューリップやヒヤシンスと比べると多彩さに欠けますが、長い茎の先にうつむいたような、どこか儚げな一面をもった魅力的な花を咲かせます。

ヨーロッパにおける人とスイセンとのかかわりは古く、紀元前800年にはホメロスにより詩に詠まれ、栽培も古くから行われました。また、改良の歴史は100年を超え、2万を超える品種が作られています。

スイセンの原産地は地中海沿岸、特にスペイン、ポルトガルに多く、北アフリカや南アフリカにも分布があり、約35種類の原種が知られています。

スイセンの花には、ラッパ状や盃状の副冠と呼ばれる花弁があります。英国王立園芸協会(RHS)では、その形や色の組み合わせにより、スイセン独特の方法で13のグループに分類しています。

ポイント

地植え、鉢植え両方OKです。
原産地の地中海沿岸の気候(夏は乾季で土と空気が乾き、冬は雨季で適量の雨が降り、霜の降りない暖かさ)に近い環境を作って栽培することが重要

植えつけ

スイセンの定植適期は10~11月で、遅くなると地温が下がり、発根が悪くなります。日本スイセンは、ほかのスイセンより花芽分化が2カ月ほど早いので、8月に植えつけ、地温が低くなるようにすると発芽が早まり、11月頃から開花します。スイセンは水はけの悪い場所に植えつけると軟腐病が発生しやすくなるので、必ず水はけのよい場所に植えるようにします。通気性のよい砂質土では、太くて元気のよい根がたくさん出ますが、重い粘質土では、根が細かく根量も少なくなります。

日光を好む植物なので、開花期まではよく日が当たる場所が最適。開花後は西日と強い日が当たると地温が上がり、球根の肥大が悪くなるので、枝の粗い落葉樹下の木漏れ日の当たるところなどが理想的な植え場所になります。

球根は、小球は球根の上に6~7cm、大球では約10cm土がかかる深さに植えます。植える間隔は、小球は10~15cm、大球は15~20cmです。

鉢植えは、大輪種では18cm鉢を使います。少し密植の感じがしますが、5球くらいを球根の頭が隠れるくらいの深さに植えると、開花時は見事です。

理想的な植えつけ場所としては、開花後に地温の上がりにくい、明るい樹陰が適している

丸みを帯びた電球形の球根は100%近く開花する(よい栽培条件下では開花球が多くなる)

ほっそりした球根は花芽がなく、開花率が低い(込みすぎたり、日照不足になると、肥大が悪くなる)

大ラッパズイセンや大盃スイセンは球根が大きくて分球数が少なく、花芽をもつものが多い
花の咲く球根が1つの場合が多い

房咲きスイセンや花の小さいものは球根が大きくならず、分球数は多いが、1球ずつは小さく、花芽をもたないものが多い
花芽のない小球が3~4球つく場合が多い

発芽後の管理

大雨の後などに地面に水がたまると軟腐病の原因になるので、排水溝を掘って水を流して、水がたまらないようにします。逆に晴天が続いて地面が乾くときはたっぷりと水やりします。発芽後は日当たりを好むので、葉に陰を作る雑草があれば取り除いておきます。

肥料

スイセンは多肥とチッ素過多の肥料を使うと、球根の肥大はよくなりますが、球根が腐りやすくなります。元肥は土をやわらかくして根張りをよくするために、完熟堆肥、腐葉土、ピートモスなどの有機物を土の量の2~3割と、緩効性化成肥料を入れ、40~50cmの深さに深耕した場所へ植えます。

追肥は発芽後から月に2回ほど、チッ素分の少ない液肥(N:P:K = 6:10:5)を水やり代わりに4~5回与えて生育促進をはかります。分球性の低いラッパズイセンや大盃スイセンはやや少なめに、分球性の高い房咲きスイセン類はやや多めに追肥してください。

開花後の管理

日本スイセンは結実しませんが、そのほかのスイセンは丸い種子果をつけるので、早めに花がら摘みをします。

日当たりは、レースのカーテン越しの日を葉が枯れるまで当てると翌年の開花率が高まるので、地温を上げないように注意しながらよく日に当てます。

掘り上げ、植え替えは3~4年間程植えっぱなしにしたほうが群落となって花期も早まります。4~5年以上植え替えをしないと、葉が込みすぎて日光不足になり、小球ばかり増えて花が咲かなくなるので、込んで花立ちが悪くなったら植え替えをします。その場合、葉が2/3程度黄ばんだころが掘り上げ適期になるので、葉をつけて掘り上げ、雨の当たらない場所で1カ月くらい陰干しをしておきます。その後調整して、ネットの袋などに入れて風通しのよい涼しい場所で保存します。

病害虫

スイセンの病気で一番注意したいのは軟腐病です。発病したら薬剤による防除は不可能です。軟腐病は気温が高いときに発生し、朝は緑色だった葉が昼には灰緑色に変わり、夕方には元気がなくなり、翌日は葉が倒れて1週間ほどで枯れてしまいます。害虫は、4月に咲く花にアブラムシがつきますが、早めに見つけて園芸用エアゾール式殺虫剤をかけると、簡単に防除できます。

スイセンの副冠

スイセンの花には独特の副冠という花弁がある

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