原種チューリップの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え・プランター植え
- 日当たり日なた
- 耐寒性強
- 耐暑性強
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 地植え適所・土質日当たり、水はけのよい場所で、土質は腐植質に富んだ水はけのよい土
- 鉢植え用土腐葉土、ピートモスなどが30~40%入った、根張りのしやすいやわらかい土
- 鉢サイズ・種類10.5~15cm鉢、平鉢
- 植えつけ[地植え]間隔3~5cm、深さ4~5cm
[鉢植え]間隔2~3cm、深さ2~3cm
原種チューリップとは
童謡にも歌われて親しまれ、幼稚園に通う子どもが初めて描く花の絵は、もしかしたらチューリップではないでしょうか。チューリップは2つの顔をもっています。ひとつは可憐で愛らしい原種の顔、もうひとつは華麗で豪華な交配種の顔があり、双方の顔を楽しむことができます。
チューリップの原種は小アジアから中東、地中海沿岸にかけての地域に約150種類が分布しています。
夏は暑く、雨量が少なく、冬は寒く地面が深く凍る厳しい環境に自生している種類が数多くあります。原種の特徴としては花が小さく丈も低く葉もほっそりしていて、早く咲き、野趣に富んだ草姿をしています。性質的には割合強く、日当たりと水はけなどの条件のよいところでは2~3年植えっ放しにしても咲き続けます。
観賞価値の高い100種類くらいが園芸的に利用され、日本では20~30種類の原種とそれに近い交雑種が販売されています。
地植えがおすすめです。
花芽の伸長には5℃以下の低温が必要で、夏は25℃以上で花芽分化する。冬期に土を乾かすと根張りが悪くなり、生育も悪くなるので、土を乾かさないように管理する。開花後、花に光の当たる時間を半分にすると花もちがよくなる。
植えつけ
原種チューリップ球根の植えつけは、地温が発根に適した15℃前後になる10~11月が適期となります。耐寒性は強いのですが、植えつけが遅れると発根量が少なくなり、翌年の生育に影響します。植える場所は、日当たりと水はけのよい所を選びます。
また原種チューリップは、種類によっては厚くかたい球皮に包まれて吸水しにくいものがあるので、ハサミなどで皮の一部を切って吸水しやすくすると、発根が早まります。球を植える深さは球根の高さの3倍を標準とします。レンガや岩などで土を盛り上げたロックガーデンの場所に、数球をまとめて何種類かのチューリップやムスカリなどの小球根と一緒に植えると一層野趣を楽しめます。
鉢植えは、栽培中に水やりを忘れて土を乾かしてしまうと、蕾が死んで花が咲かなくなるので、蕾が見えるころまで土中に鉢ごと埋めておくと安全です。また、冬季に晴天が続く太平洋側では、時々水をやって地面を乾かさないようにします。
発芽後の管理
チューリップが一番水を欲しがる時期は発芽後なので、雨が少なくて土が乾くときは水を十分に与えます。また、大きな雑草などは花を隠してしまうので、早めに除草して周囲をきれいにしておきます。
肥料
原種チューリップは花も球根も小さいものが多いので、肥料はほんの少し与えるだけで十分です。チューリップの根は直接肥料に触れると傷む恐れがあるので、元肥は球根定植後、化成肥料を地表に施します。追肥は芽が出たら、葉が枯れるまで、月に1回くらい水やり代わりに与えます。
開花後の管理
花後の管理として花がら摘みが大切な管理となります。もし放置して結実すると、養分を種に取られ、球根の肥大が悪くなるので、散り際に子房の下から折り取っておきます。
5月になると早いものは葉が黄ばみ始めるので、今度は土を乾きぎみに保って、球根を過湿で腐らせないようにします。普通は3年くらい植えっぱなしにしておいても花が咲きます。場所が許せば、毎年掘り上げ、植え替えをする必要はありませんが、掘り上げをする場合は、葉がある間に掘り上げると、球の位置がわかりやすく、傷つけずに掘り上げることができます。
病害虫
チューリップの害虫で注意したいのはウイルスを媒介するアブラムシです。ウイルス病にかかると2年目以降に正常に開花しなくなります。予防法としては定植時に浸透移行性殺虫剤を土の表面にバラまいておきます。発芽後、新芽につくアブラムシは早めに見つけて、園芸用エアゾール式殺虫剤をかけると簡単に防除できます。
すでにウイルス病にかかり、葉に黄色のモザイク斑が出たり、正常に咲かなくなったものは、早めに抜き捨てます。風通しの悪い場所や水はけの悪い場所では、灰色かび病が出やすくなるので、風通しをよくして健全に育てるようにします。