チューリップ(交配種)の育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え・プランター植え・切り花
- 日当たり日なた
- 耐寒性強
- 耐暑性強
- 土壌酸度中性
- 地植え適所・土質日当たり、水はけのよい場所で、土質は腐植質に富んだ水はけのよい土
- 鉢植え用土腐葉土、ピートモスなどが30~40%入った、根張りのしやすいやわらかい土
- 鉢サイズ・種類15~24cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔5~10cm、深さ4~7cm
[鉢植え]間隔2~5cm、深さ2~3cm
チューリップ(交配種)とは
暖かさと輝きを増した光の中に、色鮮やかな大輪のチューリップの花が開くと、待ちに待った春本番となります。
交配種のチューリップは種類が多く、変化に富んだ花色や花型をもち、花期も早晩があるので、種類を選んで植えると、3月下旬から5月下旬頃までの長い期間、バラエティーに富んだ花で庭を飾ることができます。性質も強く、丈夫で作りやすいので、健全な球根を選んで適期に植えれば、小さな子どもが植えても春には間違いなく花を咲かせてくれます。
チューリップの植えつけ適期は10~11月ですが、地温が10℃を割らない時期に植えると根張りがよくなります。水はけがよく、1日中日が当たる通風のよい場所が理想的ですが、半日くらいしか日が当たらない場所でも、発芽、開花が少し遅れますが、花は咲きます。
地植え、鉢植え両方OKです。
冬季に土を乾かすと、根張り・生育が悪くなるので、乾かさないように注意して管理する。鉢植えは1度でも土を乾かすと花が咲かない恐れがあるので慎重に。開花後は花に日光の当たる時間を半分にすると、花もちがよくなる。
植えつけ
球根を植える深さと間隔は、球根の高さの2~3倍が標準ですが、霜の降りない場所では浅植えにしても支障はありません。
地植えの場合、30球くらいをまとめて植えるときは、1球1球穴を掘って植えなくても、土をやわらかくしておけば、「つっこみ」といって球根の上部を持って土中に押し込むようにして短時間にたくさんの球根を植えることができます。
鉢植えの場合、大輪種では18cm鉢に5球くらい植えるとボリューム感のある花容が楽しめます。プランター植えの場合も球根を少し多めに植えると、花時にはたくさんの花が咲いて見事です。また、プランター植えでは球根の茎の付け根跡のへその部分の向きをそろえると、葉の並び方もそろえることができます。
定植後の管理
花壇やプランターに植えた球根は土中で根を伸ばすため水を必要とします。冬季、晴天が続く太平洋側では、10日間くらい雨が降らないときはたっぷり水をまいて土を乾かさないようにします。鉢植えは栽培中に土をひどく乾かすと花が咲かなくなることがあるので、芽が出るまで土中に埋めておいたり、ビニール袋に入れて日陰に置き、十分に寒さに当てます。
発芽後の管理
発芽を始めたらよく日に当て、茎葉がかたく丈夫に育つようにします。霜の降りるおそれのあるときはビニールなどで霜除けをして保護します。鉢植えやプランター植えのものは霜の当たらない軒下などに移動して霜害を防ぎます。
肥料
無肥料でも花は咲きますが、少し肥料を与えると生育促進効果で、一回り大きく色鮮やかな花が早く咲きます。
地植えの場合は、植えつけの1カ月以上前に苦土石灰をまいて土の酸度を中和しておきます。その10日後くらいに元肥として完熟堆肥、腐葉土、ピートモスなどを土の量の2~3割入れて、30~40cmくらい深耕しておきます。化成肥料は土中に施すと根を傷めるので、定植後、地表に施します。鉢植えやプランター植えの場合は、緩効性の根を傷めない化成肥料を元肥として施します。追肥は、芽が出たら開花まで液肥を月に2回くらい水やり代わりに与えると生育促進効果があります。
病害虫
チューリップの病気で注意したいのは、球根腐敗病です。病状はもう少しで開花するという時に、急に葉が黄ばんで短期間に枯死してしまいます。薬剤による防除は難しいので、無傷で健全な球根を選び、塩分を含む化成肥料は土中に施さないことで予防します。
また、ウイルス病に罹病すると、赤や黄色の花に白や黄色のモザイク状の筋が入り観賞価値が低下します(カラーブレーキング)。ウイルス病も薬品による防除策はありません。害虫は、ウイルスを伝染させるアブラムシが好んで付くので、見つけ次第、園芸用のエアゾール式殺虫剤を散布して駆除します。特に発生初期に完全に駆除し、発病株は早めに抜き捨てます。
花後の管理
チューリップの球根は、1年目はよく咲きますが、2年目は分球して植えたときの半分以下の大きさになり、花が咲かなくなる確率が高くなります。チューリップは花を咲かせると急激に球根が消耗する性質があり、小球性の原種を除いては翌年の花は望めないとお考えください。