トリテレイアの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え・切り花
- 日当たり日なた
- 耐寒性強
- 土壌酸度中~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質日当たりと水はけのよい所。土質は腐植質に富んだ中性土を好む
- 鉢植え用土腐植質の多く入った保水と水はけのよい土
- 鉢サイズ・種類15~18cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔7~8cm、深さ約3cm
[鉢植え]深さ2~3cm
トリテレイアとは
初夏の空に映える、爽やかな紫青色の星形の花を咲かせる「ブリジェシー」。天に向かって咲く花に風が戯れると、細い茎は優雅に花房を揺らせます。
トリテレイアの茎は針金のように細くて、今にも折れそうな感じがします。細くても丈夫な茎は、その先に傘を逆さに広げたような形の花房を広げ、ユリにも似た花を10~30輪ほど咲かせます。
原産地はアメリカの西海岸のやや乾きぎみの地帯に10種類くらいが分布しています。他に広義の仲間としてハナニラなどを含めると分布地は南米にまでおよび、約30種類の分布があります。
日本へは大正期から昭和初期にかけて何種類かが渡来しています。その中でも「ブリジェシー」は一番多く作られ、長い間「ブローディア」の名で親しまれてきた秋植え球根です。20年くらい前、アメリカから黄色の「ブローディア」として球根を輸入されたおり、トリテレイアの名前で送られて来ました。そして、アメリカでは「ブローディア」でなくトリテレイアとして取り扱っていると、「どちらの名前か」で長いこと論議されましたがトリテレイアとしてひと段落したようです。
地植えがおすすめです。
花後、土が過湿にならない所で栽培する。
植えつけ
やや乾きぎみの所に自生する植物ですので、9月の長雨シーズンが終わって、土が少し乾き始める10月頃から適期となります。植える場所は必ず、水はけと日当たりのよい所を選びます。球根を植える深さと間隔は、大きめの梅干の種くらいの大きさの球根なら、球根の上に約3cm土がかかる深さに、7~8cmの間隔をとって植えます。
鉢植えにする時は、腐葉土が3~4割入った保排水のよい培養土を使います。鉢の大きさは15~18cm鉢を使い4~6球植えとし、球根の上に2~3cm土がかかる深さに植えます。植えつけ後に気温が下がると、根は鉢内いっぱいに張るので、発根期は土が乾きすぎないようにします。
耐寒性が強い植物で、地植えも鉢植えも特に防寒は必要ありません。野趣に富む植物なので、花壇植え以外にもロックガーデンや段差のある岩組みの※ソイルポケットなどに植えても面白いものです。
※ソイルポケット…岩の斜面や崖の途中のわずかな凹地に土や落ち葉が溜まり植物が生える場所。
発芽後の管理
日当たりのよい草原に自生している日を好む植物なので、葉が出たあとは、よく日が当たるようにします。やや乾燥地を好む植物ですが、原産地は冬が雨期で、この時期に根が張るので、東京以南の冬季晴天が続く所では、時々水をやって土が乾きすぎないようにします。暖かくなって日が長くなると急に生育が早まるので、花梗が出たらよく日に当てて茎がかたく丈夫に育つようにします。
肥料
塩分を含む肥料を植えつけ時に土中に元肥として施すと、根を傷めます。肥料は植えつけ後、地植え、鉢植え共に土の上に置き肥として化成肥料を施します。追肥は、発芽後から葉が緑色の間は液肥を、月に2回くらい追肥してやります。根を傷めない施肥と追肥で十分に肥培すると、球根は大きくなり、よく殖えます。また、鉢植えでも十分に肥培すると、植えた時よりも球根は大きく肥大し、何年も花を咲かせ続けます。
花後の管理
花が咲き終わったあと、「ブリジェシー」や「クインファビオラ」などは花弁が散らずにそのまま残ります。花の色が変わって茶色になった時点で、早めに切って陰干しをすると、ドライフラワーとして楽しめます。
球根の植えっぱなしは水はけのよい所なら可能ですが、梅雨期に水がたまる所では、高温期に土中で腐るおそれがあります。また、植えっぱなしにする時は葉が枯れ上がったら、早めに枯葉を取り除き、枯れた茎を伝わって雨水が球根に染み込まないようにします。枯葉を残したままにすると、雨水と共に白絹病菌が球根に付着して、球根を腐らせるおそれがあります。鉢植えも同様で、葉が枯れたあと、雨水の当たる所へ置くと球根が腐るので、雨水の当たらない所へ置くようにします。
掘り上げを行う時は地植え、鉢植え共に早めに掘り上げて、ネットの袋に入れて通風のよい所で保存します。
病害虫
やや雨量の少ない所に自生している植物なので、茎葉は薄く、細く、かたくて水分の含有量も少ないので、害虫はつきにくく、ほとんど発生しません。
病害は花後、新球の肥大期に土が過湿になる所では白絹病が発生して土中で球根が腐ることがあります。土が過湿にならないようにして病害の発生を防ぎます。