ヒヤシンソイデス ヒスパニカの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え・切り花
- 日当たり日なた
- 耐寒性強
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質日当たりと水はけがよく、地温の上がらない場所で、腐食質に富んだ土
- 鉢植え用土腐葉土が3割ほど入った水はけと根張りのよい土
- 鉢サイズ・種類15~18cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔約5cm、深さ約2cm
[鉢植え]間隔約5cm、深さ1.5~2cm
ヒヤシンソイデス ヒスパニカとは
春の彼岸が過ぎ、暖かい日が続くようになると、待ちかねたようにヒヤシンソイデスが花穂を伸ばし始めます。そして、30cmくらいの花梗の先に愛らしい色合いのピンクやブルー、ピュアホワイトの釣鐘型の小花を十輪くらい咲かせます。
花もちがよく、使いやすい草姿、花容をしているので、切花としても人気の高い花です。以前シラーと呼ばれていたときも100種類もある仲間のうちでも最も人気のある花で、球根も一番多く売れる花でした。チューリップやムスカリなどとの相性もよく、一緒に植えると、一層愛らしさが引き立ちます。
地中海沿岸の植物の割には耐寒性も強く丈夫で作りやすい球根です。水はけがよく、夏に土が乾き過ぎない所に植え放しにすると、よく増えて群落となります。20球くらいをまとめて植えると、4~5年後には何十本もの花立ちとなり、花時は見事です。
地植え、鉢植え両方OKです。
無皮球根で球根が乾きやすいので適期に早く植えて発根させる。
植えつけ
球根の植えつけの適期は9~11月です。ヒヤシンソイデスは無皮球根のため、乾きやすく植えつけが遅くなると球根が弱り、翌年の花つき数が少なくなります。
地植えにする時は、日当たりと水はけのよい所を選びます。土質的には腐植質に富んだ所では、細根が発達して花梗が丈夫になります。球根を植える間隔は約5cm くらいにし、球根の上に約2cmくらい土がかかる深さに植えます。
鉢植えにする時は、花穂が約30cmと長くなるので15~18cm鉢を使います。用土は腐葉土が3割くらい入った水はけと根張りのよい培養土を使います。
球根の植え方は、鉢の中心部に1球植えて、残りはそれを取り囲むように梅鉢植えにします。植える深さは球根の上に1.5~2cmくらい土がかかる深さに植えます。鉢植えは、植えつけ後たっぷり水をやり、葉が出るまで日の当たらない所に置くと、乾きにくく、コケの発生も少なくなります。
発芽後の管理
地植えは、晴天が続くと土が乾いて根が弱るので、時々水をやって土の湿り気を保ちます。火山灰土地帯の軽い土は、強い風雨に叩かれると泥はねを起こして花が泥まみれになるので、マルチングをしましょう。簡単な方法としてはダンボール紙を幅約2cm、長さ約5㎝に切ってダンボールチップを作り、株元に敷いておくと泥はね予防になります。
鉢植えは、葉が出たらよく日に当てて、植物体を硬く丈夫に、葉などが垂れ込まないように作ります。水やりは花穂が出た後に。鉢土をひどく乾かすと脱水して花穂が曲がる原因となります。水は、晴天時に鉢底から出るくらいたっぷりと与えます。雨天時はほとんど土が乾かないので、不要な水はやらず花穂が硬く丈夫に真っ直ぐ立つように育てます。
肥料
肥料は多くは必要としませんが、与えることにより球根の肥大がよくなり、毎年花を咲かせます。
地植えは、球根植えつけ後1平方メートルにつき一握りくらいの化成肥料を土の上にばら撒いておくと、根を傷めず発根に応じて少しずつ吸収されます。追肥は、花後、割合早くに葉がなくなるので、固形肥料より液肥の方が適しています。花穂が出る頃から葉が緑色の間は月に2回くらい、液肥を水やり代わりに与えます。
鉢植えは、元肥として大粒の緩効性の化成肥料を1球につき2粒くらい置き肥として施します。追肥は地植えと同じ要領で施すと、鉢植えでも毎年花を咲かせます。
開花後の管理
桜の花より遅く咲くと昆虫の活動が盛んになり、受粉して種をつけることがあります。種をつけると、球根の肥大が悪くなるので早めに花ガラを取っておきます。
地植えは、大雨で水が溜まると球根が腐りやすくなるので、休眠期でも水が溜まらないよう水はけをよくしておきます。夏越しは明るい樹陰の、土が乾かず地温の上がらないような環境が理想的で、このような所では大群落となります。
鉢植えは、葉が緑色の間は充分水を与えて、球根の充実をはかります。葉が黄ばみ始めましたら、水やりの量を半分以下に減らし、1カ月くらいかけて徐々に水やりの量を減らして休眠させます。葉が完全に枯れたら、雨と日の当たらない、家の北側の土の上に置いて夏越しさせると、鉢土がカラカラに乾くのが防げて涼しく夏越しできます。
病害虫
植放しが出来る丈夫な球根なので、病虫害はあまり見かけません。暖かくなるとアブラムシが飛び始め、風の吹いた後に蕾の部分にアブラムシがつくことがあります。アブラムシは早期防除が第一で、早めに見つけて増える前に防除します。簡単な方法としては、エアゾール式殺虫剤を30cmくらい離して一噴射すれば、数秒後に効果が出て落ち始めます。
他に切花を取る時ははさみを使うと、刃先からウイルス病が感染するので、刃物を使うときは刃先を熱消毒してから使いましょう。