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スカシユリ(アジアティック ハイブリッド)の育て方・栽培方法

難易度
  • 秋植え
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Lilium × elegans
  • 和名/別名スカシユリ
  • 英名Asiatic Hybrid
  • 分類ユリ科ユリ属 耐寒性球根

生育条件

  • 用途地植え・鉢植え・切り花
  • 日当たり日なた
  • 耐寒性
  • 耐暑性
  • 土壌酸度弱酸性~中性

栽培管理

  • 地植え適所・土質日当たりと風通しのよい場所で、腐植質に富んだ保水・水はけのよい土
  • 鉢植え用土腐葉土などの有機物を多く含む、水はけのよい培養土
  • 鉢サイズ・種類18~21cm鉢、素焼き鉢(標準鉢)
  • 植えつけ[地植え]間隔約15cm、深さ約7~10cm
    [鉢植え]間隔約3~5cm、深さ約7~10cm

栽培暦

スカシユリ(アジアティック ハイブリッド)とは

鮮明な黄色や橙色、赤色の色鮮やかなアジアティック ハイブリッドが数株まとまって花開くと、花弁に当たる光も明るく、初夏の庭をしばし華やかな雰囲気で包みます。アジアティックハイブリッドはユリの中で一番丈夫で作りやすく、日当たりと風通しのよい場所に植えておくと何年間も咲き続けます。

このユリの仲間の栽培や交配の歴史は古く、日本では300年以上前の江戸時代初期から交配が行われ、たくさんの品種が作られています。その他、種類の異なるコオニユリを交雑してできたタツタユリといわれる、世界初の種間雑種のユリも作り出しています。

欧米では日本から輸入したユリを使い100年以上前から交雑を行っています。アメリカでは1950年代にミッドセンチュリー ハイブリッドを世に送り、さらに切り花として有名な「エンチャントメント」なども作り出しています。その後も、世界中に知られた「コネチカットキング」をはじめ、現在はオランダが中心となってバラエティーに富んだカラフルなアジアティック ハイブリッドを送り出しています。

ポイント

地植え、鉢植え両方OKです。
日当たりや風通しをよくして、茎葉をかたく丈夫に作り、病害虫の予防を早めに行う。

植えつけ

植えつけは、地温が下根の発根に適した10~15℃になる10月頃からが適期となります。植えつけが遅くなると地温が下がりすぎて、発根量が少なくなり、翌年の株張りが一回り小さくなります。

球根を植える場所は連作地を避けて、日当たりと風通し、そして必ず水はけのよい場所に植えます。土質は選びませんが、腐植質が多いと根張りがよくなります。球根を植える深さは、上根を発達させるため、球根の高さの約2倍の土がかかる深さに、球根の直径の約3倍の間隔で植えます。鉢植えの場合は、18~21cm鉢に3球植えとし、球根の上に球根1球分以上の土のかかる深さに植えます。植えつけ後、晴天が続いて土が乾く時は、冬でも水をやって土が乾かないようにします。

下根はよく広げて植える

発芽後の管理

発芽後の管理としては晩霜対策があります。晩霜のおそれのある夜は、芽の上にビニールや新聞紙をかけて霜除けをして、霜からユリの新芽を保護します。草丈が15cm くらいに伸びたら、株元に雑草抑えと泥はね防止のマルチングをしてやると、上根の発達もよくなります。

日当たりと風通しのよい場所では茎葉がかたく丈夫に育ちますが、やや日当たりが悪い場所では、茎が弱くなり、折れてしまうおそれがあります。その場合は蕾が約1cmになった時点で、支柱を立てて誘引すれば安心です。

肥料

地植えの場合は、植えつけの約1カ月前に1平方メートルにつき土を40~50cmほど深耕し、10Lくらいの堆肥、腐葉土、ピートモスなどの有機物と共に、緩効性化成肥料を土とよく混ぜ合わせるようにして元肥として施します。追肥は芽が出ると同時期に化成肥料を芽出し肥として施します。

鉢植えの場合は、腐葉土などの有機物が3割ほど入った、水もちのよい培養土を使います。塩分を含まない緩効性化成肥料を、球根の下と上に(上は3~4cm離して)元肥として施します。追肥は、芽が出ると同時に大粒の化成肥料を置き肥として施します。

その他に、葉が緑色の間は月に2~3回くらいの割合で液肥を水やり代わりに与えます。

開花後の管理

花がらが葉の上に落ちると、葉枯病の発生の原因となるので、花がらが落ちる前に子房の付け根部分から折り取って、結実を防止しておきます。梅雨明け後の高温期に土が乾きすぎると、下葉が落ちたり、球根の肥大が悪くなります。晴天が続いて、土が乾く時は株元にたっぷり水をやってください。

秋になり葉が黄ばんだら、葉について越冬する葉枯病菌を残さないようにするため、株の地際部から切り取って片づけます。

点線のところから折り取ると、子房も取れて、結実も防ぐことができる

病害虫

ユリの病気で一番多いのは梅雨期に発生する葉枯病です。日当たりと風通しのよい場所ではほとんど発生しませんが、風通しの悪い場所では多発し、ひどい時には葉が全部枯れてなくなってしまいます。通風をよくし、園芸用の殺菌剤をかけて葉に薬の皮膜を作って予防します。

害虫は芽が出ると同時に飛来するアブラムシです。予防するには地植え、鉢植え共に、芽が出る直前に浸透移行性殺虫剤を株元にばらまいておきます。それでもアブラムシがついてしまったら、見つけ次第、園芸用のエアゾール式殺虫剤をかけると簡単に防除できます。

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