カンナの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・鉢植え
- 日当たり日なた~半日陰
- 耐寒性中(球根は凍ると腐る)
- 耐暑性強
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 地植え適所・土質日当たりと水はけがよく、耕土の深い肥沃地
- 鉢植え用土腐植質の多く入った保水と水はけのよい土
- 鉢サイズ・種類30~36cm鉢、標準鉢
- 植えつけ[地植え]間隔60~100cm、深さ5~6cm [鉢植え]深さ4~5cm
カンナとは
照りつける強い日ざしをものともせず咲き誇る赤や黄色のカンナ。
カンナは熱帯原産の植物で暑さに強く、日本の夏の暑さにもびくともせずに生育します。暑ければ暑いほど生育がよくなり、色鮮やかで大輪の花を次々と咲かせるので、夏の花壇に最適です。そのうえ花期も長く、6月から咲き始めて霜が降りる頃まで咲き続きます。カンナの原産地はアジア、アフリカ、南米の熱帯で、50種類くらいの原種があり、そのうちの数種類のものが交配されて今日のカンナが作られました。花色は原色が売り物で、赤、黄、ピンク、橙、白や二色咲きもあり、多様な色彩を楽しめます。葉色も変化に富み、鮮やかな緑色や緑に赤の縁取り、銅葉の濃淡、最近では黄色やピンク色のスジの入る斑入り葉も人気があります。
日本でよく作られている草丈1.5mくらいの大輪花を咲かせるフレンチ系と、2mを超える高性でやや花の小さいイタリアン系があります。他に南米では、2mを超える大柄で大きな球根を作る種類もあります。
地植え、鉢植え両方OKです。
十分に肥培して、水を切らさないように管理する。
植えつけ
熱帯原産の高温で生育する植物なので、早く植えても地温が低い間は発芽、発根しないので、4月中旬頃から植えつけをするのが適期となります。日当たりが悪い所では花立ちが悪くなるので、必ず日当たりと水はけのよい所に植えます。球根は、芽がほとんど南に向けて伸びるので、今後芽の伸びる方向にスペースを作るようにして、球根の上に5~6cm土がかかる深さに植えます。カンナの根は酸素を好み、地表近くに多く分布するので、深植えはしないようにします。球根を植える間隔は60~100cmくらいと広めの間隔をとります。
鉢植えは、草丈50cmほどのわい性種を選び、30~36cmの鉢を使います。用土は空気の流通がよくなるよう、腐葉土が3割くらい入った培養土を使います。植え方は地植え同様、今後芽が伸びる方向にスペースを作って、球根の上に4~5cm土がかかる深さに植えます。
発芽を早める方法として、球根の上にビニールでトンネルを作ると、日が当たっている間は温度が高くなり、発芽が早まります。
発芽後の管理
芽が出たらよく日が当たるようにして、たっぷり水を与えて根張りがよくなるようにします。カンナの根は、酸素と共に水を多く必要とし、地表近くに張るので、土が乾くと生育が悪くなります。花は長い間咲き続けるので、花がらは定期的に取り除き、見苦しくないようにします。生育が旺盛な時期になると、黄ばんだ株や、貧弱で花の咲かない株なども出てきます。そのような株は地際から切り取って、他の株の日当たりや風通しがよくなるようにします。
肥料
カンナの花を色鮮やかに長く咲き続けさせるには、生育中に肥料切れを起こさないよう、肥効が長続きする肥料を使います。カンナの根は有機物が多いとよく発達するので、元肥として堆肥や腐葉土、ピートモスなどを土の量の3割くらい混入します。さらに、緩効性化成肥料もよく混ぜ合わせ、30~40cmくらい深耕して施します。追肥は、7月上旬頃に化成肥料を株元に置き肥します。他に月2回くらい、液肥を水やり代わりに与えますが、追肥のポイントとしてチッ素過多にならないようにします。
開花後の管理
強い霜が当たると地上部は枯死します。完全に葉が枯れ上がったら、枯れた茎葉を地際で刈り取り、害虫や病原菌の越冬を防ぎます。掘り上げをしないでそのまま越冬させる時は、球根の上の部分に約10cm盛り土をしておくと、地表が4~5cmくらい凍っても球根は凍らずに越冬します。
球根を掘り上げる場合は、晴天が2~3日続いたあとに掘り上げます。ふたのできる発泡スチロール箱に入れて、球根を乾かさないようにし、暖かな凍らない室内に置いて越冬させます。
鉢植えは地上部を刈り取ったあと、鉢ごと地中に埋めておくか、凍るおそれのない所に置いて越冬させます。
病害虫
強健な植物で、ほとんど病害虫を見かけません。極まれに、蛾の幼虫が加害することがあります。8月の夜温が高い日が続くと害虫の動きが活発になり、体長7~8cmの大きな黒灰色をした、角をもつ蛾の幼虫が花や葉を食害することがあります。大きく食欲も旺盛な害虫で、時には花房の半分近くや新葉を半分くらい食べてしまいます。朝、見回って見つけ出し、エアゾール式の殺虫剤をかけると、簡単に駆除できます。