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ラケナリアの育て方・栽培方法

難易度
  • 秋植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Lachenalia
  • 和名/別名アフリカン ヒアシンス
  • 英名Cape cowslip
  • 分類ユリ科ラケナリア属 半耐寒性球根

生育条件

  • 用途鉢植え・切り花
  • 日当たり日なた
  • 耐寒性
  • 土壌酸度中~アルカリ性

栽培管理

  • 鉢植え用土腐植質の多く入った、水もちと水はけのよい土
  • 鉢サイズ・種類12~18cm鉢、平鉢
  • 植えつけ[鉢植え]間隔 2~3cm、深さ5mm~1cm

栽培暦

ラケナリアとは

南アフリカは球根の宝庫といわれ、数多くの球根が分布しています。その中には人名にちなんだ名前をもつものがいくつかあります。ラケナリアもそのひとつで、スイスの植物学者であるワーナー・ド・ラ・ケナル氏(Werner de la chenal)にちなんで名づけられています。他にもフリージアを始め、サンダーソニア、ワトソニア、ベゴニア サザーランディーなどの人名にちなむ名前をもつ球根がこの地域から出ています。

ラケナリアは南アフリカのケープ地方の西部に多く分布し、※リチャード・E・ハリソン氏の著書によると、約65種類の原種があると書かれています。花は短い外花被3枚と少し長い内花被3枚とが重なった筒状花で、赤、オレンジ、黄色、紫青色と多彩な花色を楽しめます。

ラケナリアの球根は白っぽい色をしていて、薄い皮膜で覆われていて、脱水してしなびることはありません。

ラケナリアは、かつては冬の高級贈答用鉢物として作られていましたが、シクラメンやシンビジュームが大量に出回るようになると、その座を追われるようになりました。しかし、冬に花が咲いて花もちがよいことから、最近は寄せ植えに使われることも多くなりました。

※リチャード・E・ハリソン氏
ニュージーランド在住の園芸研究家。南アフリカ原種の球根類や南半球の植物の研究家として有名。

ポイント

鉢植えがおすすめです。
日当たりのよい、雨量の少ない草原に自生しているので、よく光に当てて過湿にしないようにする。

植えつけ

ラケナリアは半耐寒性球根なので露地植えにすると、厳寒期にひどい寒害を受けて正常に開花しなくなります。日本では古くから凍らない程度に保護する植物の代表として鉢作りが行われています。

12~1月に咲く冬咲き種は、球根を9月上旬頃に鉢に植え、建物の北側の日陰になる涼しい所に、鉢ごと埋め込みます。こうして地温を低くすると、約1カ月で発芽を始め、12月中旬頃に開花します。

球根の直径が3~4cmくらいの大きなものは、12cm鉢に3球植え、または15cm鉢に5球植えがちょうどよい球数になります。また、球根の直径が2cmくらいのものは、12cm 鉢に6球植えとします。平鉢を使うと、花と鉢のバランスがとれた鉢物になります。

球根を植える深さは、大球では球根の上に約1cmの土がかかる深さに、中球では5~8mmくらい土がかかる深さに植えます。ラケナリアの根は腐植質を好むので、用土は腐葉土やピートモスなどが3~4割入った、水はけと根張りのよくなる培養土を使います。

植えつけ終了後、鉢は涼しい所に置いて、芽が出るまでは土を乾かさないようにたっぷりと水を与えます。

発芽後の管理

ラケナリアは、日を好む植物なので、発芽後は1日中よく日の当たる所に置いて、徒長させないようにします。半日しか日の当たらない所に置くと、葉が大きく長く薄くなり、垂れ込んでだらしのない草姿となります。水やりは発芽後の1カ月くらいの間が一番根が伸びる時期なので、この時期は土を乾かさないように鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷり与えて発根を促します。

11月下旬~12月になると葉も伸びてくるので、夜間凍るおそれがある季節に入ったら、夕方、鉢を玄関や窓辺に取り込み、凍らせないように保護します。

葉が伸びきったら、水やりは鉢土の表面が白く乾いた状態になるまで水はやらずに1~2日くらい土の表面を乾かしてから、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えます。水やりを控えめにすることで、鉢土の表面にゼニゴケが生えるのを防ぐことができ、ラケナリアもかたくしまった生育をします。

早咲き種は11月下旬頃になると蕾を出し、約3週間で開花するので、12月中旬頃から開花を始めます。開花した鉢は長い間室内の日の当たらない所に置くと、花色が淡くなったり、日光不足で茎が弱って曲がったり、上の段の花が咲かなくなるおそれがあるので、室内で観賞する時は、日の当たる窓辺に置いたり、日が当たらない所には3~4日以上は置かないようにします。

肥料

ラケナリアの根は多くなく、生育もゆっくりしているので肥料は控えめにします。

元肥を土中に入れると根を傷めるおそれがあるので、元肥は発芽後に緩効性化成肥料を置き肥として施します。球根の肥大は開花後から始まるので、花後は月に2回くらい液肥を追肥すると、球根は植えた時に比べてひと回り以上大きく肥大します。

花後の管理

一番上の花が咲き終わったら、花茎のつけ根部分から茎を切り取って花がらを残さないようにします。花がらを放置しておくと、結実して球の肥大が悪くなるので、早めに片付けるようにします。

葉が緑色の間は水を与え続けますが、与える量は開花期の半分くらいに減らして、球根が自ら休眠に入るようにします。5月になって気温の高い日が続くと、葉は急にぐったりと脱水状態になるので、その場合1カ月くらいの間に徐々に水やりの量を減らして、水やりを打ち切るようにします。1カ月くらいで鉢土は乾くので、休眠に入ったら鉢ごと雨の当たらない涼しい所に保存しておきます。

病害虫

気温が低い時期に生育する植物なので、葉枯病などの葉が腐る病気はほとんど発生しませんが、やや乾燥した地帯の植物なので土を過湿にすると白絹病が出ることがあります。

掘り上げてみたら球根が土中で腐ってなくなっていたり、半分だけ部分的に腐ったりすることがあるので、土を過湿にしないことが病気の予防となります。

気温が低い時期に咲く花なので、害虫も、あまり見かけませんが、水やりを忘れて植物体を乾かすと花穂や葉裏に白い糸を引く赤ダニがつきます。水で洗い流すと、薬剤を使わずにダニを防除できます。

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