グラジオラスの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 用途地植え・切り花
- 日当たり日なた
- 耐寒性弱
- 耐暑性中
- 土壌酸度中性~弱アルカリ性
- 地植え適所・土質日当たり、水はけのよい、強風が避けられる場所 中性~弱アルカリ性の有機質に富んだ土質
- 鉢植え用土腐葉土などの有機物が30~40%入った、通気と保水、水はけのよい土
- 鉢サイズ・種類24~30cm鉢、菊用の30cm鉢、半平鉢
- 植えつけ[地植え]間隔15~20cm、深さ7~10cm [鉢植え]間隔約15cm、深さ7~8cm
グラジオラスとは
夏の花壇に欠かせない春植え球根の代表といえば、やはりグラジオラスです。グラジオラスは花色が豊富で、あらゆる花色が楽しめ、花弁もフリンジ咲き、平弁咲き、反転弁咲き、受け咲きなどがあります。さらに花の大きさも、巨大輪から極小輪咲きまでと変化に富んでいます。
グラジオラスの原産地は小アジアから地中海沿岸にかけてと、熱帯アフリカから南アフリカにかけての2つの地域があります。その地域に約150種類の原種があります。
ヨーロッパの人々は古くから野生のグラジオラスを観賞し、約200年前からは交配も始めています。現在の改良の進んだすばらしいグラジオラスは、欧米人の熱心な品種改良により作られたものが多いです。
グラジオラスの名の由来はラテン語の「剣」という意味のグラディウスで、葉の形からきています。日本へは江戸時代の末期に一度渡来しましたが、栽培がうまくいかずに明治になって再渡来し、その後に栽培が普及し、現在では切り花として年間を通じて作られています。
地植えがおすすめです。
夏の北海道のような冷涼な気候で栽培すると、茎葉が硬くしまり、花色も鮮明で花もちがよくなる。植えつけの時期が遅いと高温期の開花となり、一度に開花する数も少なく、花もちも悪くなる。できるだけ早く植えつけて、梅雨明け前に開花させるのがポイント。
植えつけ
グラジオラスの球根の定植適期は3月中旬頃からとなります。日当たり不良地では花が咲かないので、日当たりと水はけのよい場所へ植えます。植える深さは球根の3倍の深さに、球根の直径の3~4倍の間隔で植えます。深く植える理由は、新芽の基部から出る牽引根の働きをよくするためです。牽引根の働きとしては、吸水、吸肥、地上部の安定、新球の引き下げなどの大切な役目をもち、この根を十分に働かせるために深植えをします。
発芽後の管理
4月中旬頃になると発芽を始めます。芽が2~3本立ちますが、大輪種はそのままにしておくと養分が分散して貧弱な株になるので、早めに太くて元気のよい株を残して、他はかき取ります。葉が5~6枚出たら支柱を立てて誘引します。
肥料
植えつけの約1カ月前に1平方メートルに約200gの苦土石灰をまいて、酸度調整をしておきます。その10日後くらいに土質改善用として、完熟牛ふんやピートモス、腐葉土などの有機物を1平方メートルに約10L入れて土とよく混ぜ合わせておくと、根張りがよくなり立派な花を咲かせます。地上に芽が出た時点で、成分等量の化成肥料を元肥としてまいておきます。
病害虫
グラジオラスにつく害虫は、5月ころに晴天が続くと葉に赤ダニが発生して加害します。蕾が出るころになるとスリップス(アザミウマ)が加害し、花が正常に咲かなくなったり、赤や青の花色では白いかすり状になって残ります。これらを防ぐには、定植時に浸透移行性殺虫剤を土に混ぜておくと予防効果があります。また、ナメクジやカタツムリがグラジオラスの柔らかな新芽を好んで食害し、葉に穴をあけて観賞価値を下げるので、早めに見つけて駆除剤をまいておきます。病気で一番多く見かけるのはフザリウム腐敗病です。土壌中に菌がいるので連作を避けたりフザリウム菌を抑制する有効微生物含有の土壌改良材を施しておくのも効果的です。
花後の管理
花が終わったら、種がつかないように花穂の一番下で切り取ります。秋に葉が黄ばみ始めたら、少し緑色が残るときに掘り上げると木子を落とさずに掘り上げることができます。掘り上げ後約1カ月陰干しして木子や新球、古球などを調整仕分けをして、腐敗のないよい球根を選んで紙袋などに入れて室内で保存しておきます。