ナスの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度中酸性~中性
- 植えつけ株間50cm前後
ナスとは
ナスは栄養面で特記すべきものはありませんが、食物繊維は多く含まれています。果皮の紫色は「ナスニン」と呼ばれる色素で、ポリフェノール類に属します。用途は煮物、焼ナス、天ぷら、炒め物、漬物などと広く、たいへん便利な食材です。特に油によくあうので、揚げ物や炒め物に向いています。
ナスの大きさには大長、大丸、卵形から小丸まであり、果形も長形、中長形、卵形、丸形などがあり、多彩です。大長ナスで大きいものは40~50cmにもなるものがあります。皮の色も濃い紫色だけでなく、白や緑もあり、結構変化に富んでいます。また、地方品種も多いので、それらを栽培してみるのも楽しみでしょう。
高温性の野菜で、夏の暑さにもよく耐え、雨にも比較的強くて作りやすい野菜です。土壌水分が多く、耕土の深い、肥沃な畑が適します。日当たりのよい場所を好み、日照時間が長く、日射量が多いほど収量も多くなります。「ナスは水で育つ」といわれるくらいで、水が不足すると、生育が悪くなって収量が上がらないだけでなく、果実のツヤがなくなり、ハダニ類の被害が多くなります。なお、ナスは連作を特に嫌う野菜ですので、ナス、トマト、ピーマンなどのナス科野菜を3~4年は栽培していない畑を選びましょう。
種まき~育苗管理
箱に育苗土を入れ、深さ1cmの溝を8cm間隔で作り、種を5mm間隔にまきます。5mmほど覆土し、水やり後、箱を保温(夜25~昼30℃)します。発芽後は夜温を20℃くらいに保ち、本葉2枚になったら12~15cmポットに移植して夜温15℃程度で管理しながら本葉7~8枚の定植苗まで育てます。
〈POINT〉 順調な育苗には適温確保を!
発芽適温を保てば5~7日ほどで発芽します。種まきから60~80日で定植適期苗になります。保温が困難な場合や畑に土壌病害が出る恐れがある時などは、接ぎ木苗を購入した方がよいでしょう。
畑作り~定植
定植2週間以上前に苦土石灰を散布して耕し、1週間前に堆肥、元肥を施して再度耕します。畝作りは定植2~3日前に行い、地温を上げるために黒色ポリマルチをします。定植は根鉢が畝面より2~3cm高くなるよう浅植えし、支柱を立て誘引します。害虫防除のため浸透移行性殺虫剤を株元に1株につき約2gほど散布します。
〈POINT〉 定植は晩霜の危険が去ってから!
1平方メートル当たり苦土石灰は3握り(約150g)、堆肥は3~4kg、元肥は化成肥料(N:P:K=8:8:8)を3握り(約150g)、過リン酸石灰を軽く1握り(約30g)とします。霜に弱いので晩霜の危険がなくなってから定植します。
定植後~収穫の栽培管理
定植後約3週間後に最初の追肥を行い、その後、3週間おきに追肥します。方法は、マルチのすそを上げて肥料を畝の両側の肩部にばらまき、土と混ぜるよう軽く耕してからマルチをもとに戻します。整枝は1番花の下から勢いよく出た側枝を2本残し、主枝1本との3本仕立てにします。
〈POINT〉 水不足・肥切れに注意!
株元近くから出た枝や、主枝・側枝につくわき芽は取り除きます。追肥は1回4株当たり化成肥料を1握り(約50g)とします。残す側枝にも必ず支柱をします。夏、枝が込み合ってきたら、枝を切り戻してもよいでしょう。
病虫害
害虫はアブラムシ、ダニ類、ミナミキイロアザミウマなどに注意し、早期に発見して薬剤を散布します。病気では土壌病害の青枯病や半身萎凋病が出たら治せません。抜き取って廃棄してください。
〈POINT〉 ダニ類の防除を心掛ける!
青枯病などの土壌病害が出た畑で再度ナスを栽培する場合は、接ぎ木苗を植えつけてください。ダニ類の被害は乾燥条件で大きくなるので防除を徹底的に行ってください。
収穫
開花後15~20日前後で収穫できます。1~3番果や多く着果した時は若どりして、株の負担を軽くすると、その後の生育や着果がよくなります。朝、涼しいうちに収穫すると日もちがよくなります。
〈POINT〉 鮮度を保つには…
果実は蒸散作用が盛んです。収穫後はできるだけ早く、新聞紙かラップにきっちり包み、日陰で保存してください。