ラッカセイの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Arachis hypogaea L.
- 和名/別名ピーナッツ、ナンキンマメ(南京豆)、地豆(じまめ、ジーマミー)
- 英名Peanut、Groundnut
- 原産地/生産地ブラジル
- 分類マメ科ラッカセイ属
- 発芽地温20℃前後
- 生育適温15~25℃
- 日当たり日なた
- 土壌酸度中酸性~弱酸性
- 植えつけ株間30cm
ラッカセイとは
ラッカセイ(落花生)の名前は、開花後の花の根元からつる(子房柄)が下方へ伸び、地中にサヤを作ることに由来します。子実(粒)にはタンパク質、ミネラル類やビタミン類(B1、E)、オレイン酸を主とした良質の脂肪などを多く含みます。食べ方は、若ザヤをゆでたもの(ゆでラッカセイ)、サヤのまま(炒りざや)かむいたものを炒る(炒り豆)、それにバターなどをからめたもの(バターピーナッツ)、完熟後の子実を食べるなど、多種多様です。
草形から側枝が比較的直立する「立性」、側枝が地面を這う「ほふく性」、その「中間型(半立)」に分けられ、子実は大きさから一般に食用となる「大粒」と主に油や加工品に用いられる「小粒」に分けられます。
実用的には、ほふく性または半ほふく性(半立)・大粒性品種群と立性・小粒性品種群とに大別され、さらに早生種、中生種、晩生種に分けられます。
多日照を好み、15~25℃の気温でよく育ち、15℃以下では生育しなくなります。寒地(年平均気温9℃未満)での栽培は困難ですが、寒冷地(年平均気温9~12℃)ではマルチをすれば栽培できます。子房柄が伸び地中にもぐって結実するので、粘土質の畑は向かず、軽い火山灰土や砂質土が適します。子実の肥大にはカルシウムが必須なので苦土石灰を多めに施します。連作は避け、2~3年は栽培していない畑で栽培します。
畑の準備
直まきまたは定植の2週間以上前に苦土石灰をまいて耕します。1週間前に堆肥と化成肥料をまき、再度耕します。その後、幅70cm、高さ10cmほどの畝を作ります。地温上昇と雑草防止を兼ねてポリマルチ(黒がおすすめです)をするとよいでしょう。
〈POINT〉 苦土石灰をしっかり施用する!
苦土石灰は1平方メートル当たり4握り(約200g)、堆肥は約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は2握り(約100g)とします。実入りをよくするため、苦土石灰をしっかり施します。ポリマルチをしない場合はこまめに除草します。
種まき・間引きなどの育苗管理
種まき前に直径5cm、深さ2~3cmの種まき穴を約30cm間隔に作ります。サヤから子実(種)を皮つきのまま取り出します。それを種まき穴1カ所に2~3粒まき、2~3cmくらい覆土した後たっぷりと水やりをします。発芽後、本葉2枚ほどで2株に、3~4枚で1株に間引きます。
〈POINT〉 種まき後は鳥よけを!
育苗の場合は本葉2~3枚の苗で定植します。鳥などに種を食べられないように種まき後、ネットなどの鳥除けを施します。草丈が10cm程度になれば鳥の害は心配なくなるので鳥除けをはずします。
追肥・中耕・土寄せなどの栽培管理
ポリマルチは開花始めに取り除きます。そして、追肥と土寄せを行います。追肥は畝全面に行い、軽く耕してから株元に土寄せをします。その後、子房柄が土の中にたくさんもぐるようになったら(1回目から15~20日過ぎ)再度土寄せします。畑が乾いたら適宜水やりします。
〈POINT〉 マルチ除去後はこまめに除草を!
追肥は1回、1平方メートル当たり化成肥料を軽く1握り(約30g)とします。できれば追肥はチッ素分が多い肥料は避け、カリ分の多い肥料をおすすめします。マルチをはずしてからはこまめに除草します。
病虫害
コガネムシやアブラムシなどの害虫が発生しますが、早期発見、早期防除に努め、コガネムシは見つけ次第捕殺します。病害には、灰色かび病、黒渋病、褐斑病などがあります。早期防除に努めましょう。
〈POINT〉 早期発見・早期防除!
未熟な堆肥を使うとコガネムシが発生しやすくなり、その幼虫は土の中にできたサヤを食害しますので、完熟堆肥を使用しましょう。
収穫
茎や葉が黄ばみ、一部下葉が枯れ始めたら試し掘りをし、サヤに網目が出始めていたらサヤがおおむね肥大した頃なので、子実は多少未熟ですが収穫できます。その後、かなりの下葉が枯れ始めたらサヤの網目がはっきりし、子実は完熟していますので、保存用に収穫します。完熟収穫後、株を(水洗いしてもしなくても可)畑に逆さまに立てて数日間日干しし、株をゆすりカラカラと音がするようになったら終了です。