ピーマンの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Capsicum annuum L.
- 和名/別名ピーマン、甘トウガラシ
- 英名Sweet Pepper
- 原産地/生産地熱帯アメリカ
- 分類ナス科トウガラシ属
- 発芽地温25~30℃
- 生育適温20~30℃
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性
- 植えつけ株間50cm前後
ピーマンとは
ピーマンはカロテン(体内で一部がビタミンAになる)、ビタミンCを多く含んで栄養価が高く、ゆでたり、炒めたり、細かくきざんでサラダにしたり、和・洋・中華と応用範囲の広い野菜です。加熱すると組織がやわらかくなり、臭いも和らいで風味が出ます。赤色のピーマンは緑色と比べて栄養価が高く、健康野菜としてもっと使ってほしい食材です。
ピーマンには大型、中型、長型などがあります。色は、未熟果は緑ですが、完熟果が赤、黄、オレンジ、紫などになるものがありカラフルです。特にカラーピーマンといわれるものは甘みが強く肉厚です。形は円錐形、ラウンド形などがあります。ピーマンは作りやすいので、ぜひ夏の家庭菜園に取り入れてほしい野菜です。
ピーマンは夏の暑さに強く、病虫害も少なくて秋まで収穫でき、栽培しやすい野菜です。低温に弱いので、晩霜の危険がなくなり、地温が十分に上がってから定植します。土質は選びませんが、土が乾くと着花数が少なくなり、落花や尻腐れ果の発生が多くなります。有機物を多く含んだ排水、保水のよい土作りを心掛けましょう。なお、ピーマンは連作を嫌いますので、トマト、ナスなどのナス科野菜を3~4年は栽培していない畑を選びましょう。
種まき~育苗管理
箱に育苗土を入れ、深さ1cmの溝を8cm間隙で作り、種を5mm間隔に条まきします。覆土は5mmほどとし、水やり後、箱を保温(25~30℃)します。発芽後は夜温を25℃くらいに下げ、本葉2枚になったらポット(10.5~12cm)に移植し、夜温20℃程度で管理しながら育苗します。
〈POINT〉 順調な育苗には適温確保を!
発芽適温を保つためには箱まきがよいでしょう。1週間ほどで発芽します。苗が定植適期になるまで種まきから45~60日程度かかります。保温が困難な場合は苗を購入しますが、がっちり育った苗を選びましょう。
畑の準備~定植
定植の2週間以上前に苦土石灰を全面散布して耕し、1週間前に堆肥、元肥を施して再度耕します。畝立ては定植予定の2~3日前に行い、地温を上げるために黒色のポリマルチをしておきます。苗が本葉13~14枚で1番花が咲き始めた頃に定植し、支柱を立てて誘引します。
〈POINT〉 定植は晩霜の危険が去ってから!
1平方メートル当たり苦土石灰は3握り(約150g)、堆肥は3~4kg、元肥は化成肥料(N:P:K=8:8:8)を3握り(約150g)、過リン酸石灰を軽く1握り(約30g)とします。ポリマルチをする時に、土が乾燥していたら先に水やりをします。
定植後~収穫の栽培管理
整枝は1番花の下から勢いよく出た側枝を2本残し、主枝1本との3本仕立てにします。定植後2~3週間たった頃に1回目の追肥を行い、その後、2~3週間おきに追肥します。方法は、マルチのすそを上げて肥料を畝の両側の肩部にばらまき、土と混ぜるよう軽く耕してからマルチを元に戻します。
〈POINT〉 主枝・側枝につくわき芽は取り除く!
株元近くから出た枝はかき取り、主枝・側枝につくわき芽は取り除きます。追肥は1回当たり化成肥料を1握り(約50g)とします。ピーマンの枝は弱いので、3本仕立ての各枝には必ず支柱をしましょう。
病虫害
害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、タバコガなどに注意し、早期に発見して薬剤を散布します。ウイルス病はアブラムシの駆除、疫病は排水対策と殺菌剤を散布します。
〈POINT〉 モザイク症状株は抜き取る!
葉にモザイクが現れたり、株全体が萎縮してきたら、それはウイルス病です。治す方法はありませんので、他に感染しないよう、抜き取って廃棄してください。
収穫
1番成りや多く着果した時は、若採りして株の負担を軽くすると、その後の生育や着果がよくなります。30g程度の緑色果(未熟果)になるのは、成り始めは開花後25日、最盛期には15日ほどです。赤色などカラフルに色づくまでには開花後55~60日前後かかりますので、気長に待ってください。
〈POINT〉 完熟果はつけすぎない!
ピーマンの枝は折れやすいので、収穫は必ずハサミで行ってください。赤色などに色づくまで着果させておくと株が弱ってきますので、完熟果までつけておく果実は半分以下にします。