タネから広がる園芸ライフ / 園芸のプロが選んだ情報満載

失敗しない栽培レッスン(野菜)

野菜

50音順で探す

花と野菜のよくある質問FAQ 花と野菜のよくある質問FAQ

トウガラシの育て方・栽培方法

難易度
  • 春まき
  • 地植え
  • 鉢植え

難易度:マークが多いほど難易度が上がります。

  • 学名Capsicum annuum L.
  • 和名/別名唐芥子、蕃椒
  • 英名Red pepper、Chili pepper
  • 原産地/生産地熱帯アメリカ
  • 分類ナス科トウガラシ属
  • 発芽地温25~30℃
  • 生育適温20~30℃

生育条件

  • 日当たり日なた
  • 土壌酸度弱酸性~中性

栽培管理

  • 植えつけ株間50cm前後

栽培暦

トウガラシとは

トウガラシは広義にはピーマン・パプリカなどを含み、色・形・大きさなどが多様で、辛みも超激辛から辛くないものまでさまざまあります。ここではトウガラシを辛味種と甘味種(ピーマンなどを除く)を含むものとしますが、いずれもビタミンCやカロテンなどが豊富で栄養的に大変優れ、辛みの成分カプサイシン酸は抗酸化作用などの機能性が注目されています。薬味としての利用はもちろん、野菜としても大いに食したいものです。

辛みを生かした薬味として利用するには、辛みが中~強の「鷹の爪群」、「八ツ房群(辛味系)」が適し、未成熟果を野菜的に利用するには、甘味種の代表「シシトウ」や辛みが無~弱の「伏見群」などが適します。葉トウガラシ用には辛みが有・無いずれの品種でも利用できます。最近、メキシコ風料理に向く辛みが強い品種や、辛みが弱く生食や炒め物に向く淡緑色大果型品種が発表されています。

ポイント

トウガラシはピーマンより高い温度を好みます。15℃以下では生育は非常に遅くなり、若い株は霜にあうと枯れますが、株が大きくなるとある程度の低温に耐え、晩秋まで生育します。作土が深く、保水性と排水性が良好な土壌で、pHは6.0~6.5が適します。湿害に弱いので高畝にします。ピーマンと同様に連作を嫌うので、イネ科やマメ科作物などと3~4年の輪作をおすすめします。

種まき・間引きなどの育苗管理

育苗箱に深さ1cmの溝を作り、種を1~2cm間隔にまきます。5mmほど覆土し、水やり後、保温(25~30℃)します(保温が可能なら、ポットまきも可)。発芽後は夜温を25℃くらいに下げ、本葉1~2枚になったらポット(10.5~12cm)に移植し、夜温20℃程度で管理します。

〈POINT〉 順調な育苗には適温確保を!

適温を確保すれば5~7日ほどで発芽します。育苗日数は種まき後65~80日ほどです。定植適期苗は草丈15~18cm、葉は8~9枚程度で濃緑色、節間が詰まってがっしりしている苗です。

畑の準備~定植

定植の2週間以上前に苦土石灰をまいて耕し、1週間前に完熟堆肥と元肥をまいて再度耕します。畝は幅70cm、高さ15~20cm程度に作ります。地温上昇・雑草防止のため黒色ポリマルチをしましょう。定植は根鉢をくずさないようにして浅植えします。倒れないよう、支柱を立てて誘引します。

〈POINT〉 定植は晩霜のおそれがなくなってから!

苦土石灰は1㎡当たり3握り(約150g)、堆肥は2~3kg、元肥は化成肥料(N:P:K=8:8:8)を3握り(約150g)とします。ポリマルチをする時に、土が乾燥していたら先に水やりします。

定植後~収穫の栽培管理

整枝は、主枝の1番花が咲いてから、その下から出る勢いのよい側枝2~3本を残し、主枝と共に3~4本仕立てにします。トウガラシの枝は弱いので、仕立てた各枝には必ず支柱をしましょう。定植後2~3週間たった頃に1回目の追肥を行い、その後2~3週間おきに追肥します。

〈POINT〉 盛夏までに充実した株に育てる!

株元近くから出た枝はかきとります。追肥は1平方メートル当たり化成肥料を軽く1握り(約30g)とします。乾燥を嫌うので、夏になったら水やりを多くします。敷きワラをするのもよいでしょう。

病虫害

主な病害は青枯病、萎凋病、モザイク病などです。モザイク病防除ではウイルスを媒介するアブラムシを防除します。害虫はアブラムシの他、ミナミキイロアザミウマ、チャノホコリダニ、タバコガなどです。栽培期間が長いためさまざまな病虫害が発生するので、早期発見・早期防除が大切です。

〈POINT〉 モザイク症状株は抜き取る!

アブラムシ、アザミウマ類の防除のため、マルチにシルバーストライプ入り黒色ポリマルチを使ったり、定植時、植え穴に浸透性殺虫剤を散布したりするのも有効です。

収穫

鷹の爪など辛味種は、赤く熟した果実を最初は1果ずつ摘み取り、その後全体が赤くなったら株ごと引き抜き、風通しのよい日陰で2カ月ほど乾燥させます。シシトウ類や伏見群などは、品種に応じた長さの緑色果実を順次収穫します。葉トウガラシでは3~4cmの果実が十数個育ったら株ごと引き抜きます。

〈POINT〉 果実はハサミで収穫する!

赤く熟すまで開花後60日前後かかります。乾燥を十分に行い、貯蔵中のカビの発生を防ぎます。葉トウガラシは、株から葉、花、果実、若枝をしごき取り、水煮後、みりんなどで煮しめて作ります。

JADMA

Copyright (C) SAKATA SEED CORPORATION All Rights Reserved.