ダイコンの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 学名Raphanus sativus L.
- 和名/別名ダイコン
- 英名Japanese Radish
- 原産地/生産地地中海沿岸、華南高地、中央アジア
- 分類アブラナ科ダイコン属
- 発芽地温25℃前後
- 生育適温20℃前後
- 日当たり日なた
- 土壌酸度中酸性~中性
- 植えつけ株間25~30cm
ダイコンとは
根菜類の代表ダイコンは、ビタミンC、カリウムや消化を助け胃腸の働きを整えるジアスターゼを含み、栄養的に優れた野菜で、煮物や漬物、汁の実、サラダなど幅広い料理に使われ親しまれています。なお、ダイコンの葉は根よりも栄養価が高く、カロテン、ビタミンC、食物繊維などが豊富です。
品種選びのポイントは「つくる季節に応じて品種を選ぶ」ことが大切です。トウ立ちしにくい春どり用、暑さに強い夏どり用、秋から冬にかけて収穫できる秋どり用と、これらの品種をうまく選んで作ればかなりの期間連続的に収穫できます。家庭菜園では最も栽培しやすい秋どり用がおすすめです。
ダイコンの品種には、根の上部が緑になる青首種と緑にならない白首種がありますが、近年は生食にも漬物にも向く青首が主流です。形は長いもの、丸いもの、先太り、中太り、細いものなどさまざまです。辛みの強い薬味用の品種や葉を食用とする専用の品種もあり、ダイコンも楽しみ方が多様になってきています。
冷涼な気候を好み、耐寒性がありますが、肥大した根は凍害を受けます。低温にあうと花芽が作られ、春になるとトウ立ちしますが、これらの性質は品種により異なります。土壌はあまり選びませんが、作土が浅いと根が十分肥大しなかったり岐根になったりします。
畑の準備・種まき
種まきの2週間以上前までに苦土石灰とよく腐熟した堆肥を全面に散布して深く(30~35cm)耕します。1週間前に化成肥料を施して再度耕します。種まきは、1つの穴(ビールびんなどの底を押しつけて深さ1.5cmほどにした穴)に5~6粒をばらまきし、1cm程度の土をかけ軽く押さえます。株間は25~30cm、畝幅60~70cmとします。
〈POINT〉 よく腐熟した堆肥を使う!
施用量は1平方メートル当たり苦土石灰は2~3握り(100~150g)、堆肥は約2kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は3握り(約150g)とします。岐根や奇形根の原因になる未熟な堆肥は使わないようにします。また、土のゴロはよく取り除きましょう。
間引きなど栽培管理
適期にまけば2~3日で発芽します。1回目の間引きは子葉が完全に開いた時、形のよいものを残して3本立ちにし、2回目は本葉2~3枚の時に生育が中くらいのものを残して2本立ちにします。3回目は本葉6~7枚の時、元気のよいものを残して1本立ちにします。
〈POINT〉 残す株の根を傷めないように!
間引き適期を逃さずに行いましょう。子葉が整形のものは根形がよく、不整形のものは根の形が悪くなりやすいので、よく観察して間引きます。鳥などの被害にあわないように寒冷紗などでトンネルをするのもよいでしょう。
追肥・中耕などの栽培管理
追肥は2回目と3回目の間引き後、株のまわりに1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)1握り(約50g)をばらまきします。そして、軽く土と混ぜながら、株元に土寄せします。
〈POINT〉 土寄せは丁寧に!
間引き後は株がふらつきやすくなっていますので土寄せは丁寧にしましょう。肥料が株にかからないようにしましょう。
病虫害
病害で最も被害の大きいのはウイルス病と軟腐病です。ウイルスを防ぐにはアブラムシを防除する必要があります。地際部から腐って悪臭を放つ軟腐病が発生したら抜いて処分するしかありません。害虫ではアオムシ、ヨトウムシ、キスジノミハムシなどに注意します。
〈POINT〉 アブラムシ防除をしっかりと!
アブラムシを防ぐには、種まき時に浸透性殺虫剤、生育中は殺虫剤を散布します。また防虫ネットなどの被覆、あるいはシルバーフィルムでマルチして防ぎます。薬剤散布したら間引き菜は食用にはしないでください。
収穫
秋ダイコンは種まき後60~90日、夏ダイコンは50~60日で収穫期になります。収穫が遅れると根にすが入り、食味が悪くなってしまいます。特に春ダイコン、夏ダイコンはす入りが早いので、注意して早めに収穫しましょう。
〈POINT〉 収穫は適期に!
目で見た場合の収穫期の判断は、外側の葉が垂れ、中心部の葉が横に開いて平らに見えるようになった時です。