タマネギの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性~中性
- 植えつけ株間12~15cm
タマネギとは
タマネギは、生では辛味と独特の香りがありますが、加熱すると甘い味に変化します。また、カルシウムやリン、鉄などのミネラルやビタミンB1、B2も含んでいて、大変栄養価の高い野菜です。煮物、炒め物、揚げ物などの各種料理やサラダにも適していて、利用範囲が大変広く、一年中食卓に欠かせない野菜です。
秋まき栽培は、早採り栽培の場合、貯蔵性は悪いが肥大のよい早生種を用い、普通栽培では中生種を、貯蔵用栽培では貯蔵性の高い晩生種を用います。
辛さでみると、刺激成分の多い東ヨーロッパ系の辛タマネギと、刺激成分が少ない南ヨーロッパ系の甘タマネギがあり、さらに表皮の色には黄色系、赤色系、白色系があります。日本ではほとんどが辛タマネギで、表皮の色は主に黄色系ですが、赤タマネギは甘みがあって生食に適します。
冷涼な気候を好み、寒さには強いのですが、暑さには弱く、高温になると休眠します。また、球は日が長くなり温度が上がってくると肥大し始めます。したがって、温暖地・暖地では秋まき、春~初夏採りとなります。ただし、早まきして大苗で越冬すると、トウ立ちが多くなります。北海道などの寒冷地では越冬が困難なので春まき栽培となります。土質は土壌水分に富む粘質土壌でよく生育し、酸性土壌には弱い野菜です。
種まき・育苗管理
苗床に8cm間隔に浅い溝をつけ、種を5mm間隔くらいにスジまきします。薄く覆土してから水やりをします。乾燥すると発芽しないので、新聞紙やワラなどをかけておきます。発芽後、新聞紙は取り除きます。草丈が6~7cmの頃、混んでいるところを間引き、草丈約10cmで1.5cm間隔に間引いて、追肥します。
〈POINT〉 酸性土壌に弱いので苦土石灰散布を!
苗床予定地には苦土石灰3握り(約150g)、化成肥料2握り(約100g)を全面散布してよく耕しておきます。追肥は1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を軽く1握り(約30g)とします。育苗日数は50~60日程度です。
畑作りと定植
定植する2週間以上前に苦土石灰を施して耕し、1週間前に堆肥と元肥を施してよく耕して畝を作ります。定植は、草丈20~25cmで根元の太さが鉛筆よりやや細い苗を、株間・条間共12~15cm間隔に植えつけます。その際、深植えにならないよう、白いところが見えるくらいに植えます。
〈POINT〉 タマネギは酸性を嫌う!
1平方メートル当たり、苦土石灰は3握り(約150g)、完熟堆肥は約3kg、元肥として化成肥料(N:P:K=8:8:8)を2握り(約100g)、過リン酸石灰を軽く1握り(約30g)とします。生育の促進と雑草防止のため黒ポリマルチをおすすめします。
追肥など収穫までの栽培管理
定植後25日くらいと苗が伸び出す早春(関東で3月上旬)の2回、追肥をします。マルチの場合は植穴にまきます。無マルチの場合、うね面全体にばらまき、移植ゴテなどで土と肥料をかき混ぜます。霜柱で苗が浮き上がることがあるので、手などで株元を押さえます。
〈POINT〉 雑草はこまめに抜く!
追肥量は1回、1平方メートル当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)を1握り(約50g)とします。霜から株を守るためにワラや刈草を敷くとよいでしょう。また、雑草はこまめに抜きましょう。
病虫害
秋まきでは、種まき後1~2カ月はタネバエやヨトウガに、春先から収穫まではアブラムシやべと病、軟腐病、黒斑病などが発生します。適期防除に努めましょう。
〈POINT〉 べと病防除をしっかりと!
未熟な堆肥を使うとタネバエの被害を受けることがあります。べと病は苗床や春先の発生時にしっかりと防除しましょう。
収穫・貯蔵
収穫適期は全体の約8割の茎が倒伏したら、天気のよい日を見計らって全部収穫します。雨の当たらない場所に並べて1~3日乾かした後、葉つきのまま数株ずつ束ねて風通しのよい場所につるすか、茎を切って網袋か箱に入れて風通しのよい場所に置きます。
〈POINT〉 適期に収穫を!
葉も利用する葉タマネギは球が5~6cm頃に収穫します。収穫適期を過ぎると外皮にシミができたり、球割れしたりします。生食専用品種の場合は2割ほどの茎が倒れたら収穫します。