ズッキーニの育て方・栽培方法
難易度:マークが多いほど難易度が上がります。
- 日当たり日なた
- 土壌酸度弱酸性
- 植えつけ株間約1m
ズッキーニとは
野菜として食用にするズッキーニは円筒状の果実を若どりするタイプが主なものです。生食には不向きで、熱を加えて調理するのが基本です。イタリア料理でおなじみの野菜で、油との相性がよく、料理法は輪切りにして肉類との油炒め、天ぷら、煮物、スープにすると美味です。栄養成分はビタミン類、カロテンが豊富で、カロリーが低くヘルシーな野菜です。
果実が円筒形(長棍棒状)の食用ペポカボチャで、主に栽培されている品種は緑色系統がほとんどで、黄色系統が一部あります。黄色系統は雌花が少なかったり、果皮が軟らかく、傷みやすい(傷がめだつ)傾向があります。ペポカボチャは食用以外にもユニークな形を生かして観賞用、装飾用、また飼料用として多方面で用いられています。日本で古くから栽培されている金糸瓜(そうめんかぼちゃ)もこの仲間です。
ズッキーニはペポカボチャの仲間で、温暖で乾燥地を好み、一般的に夏の暑さにやや弱い性質があります。別名「つるなしカボチャ」といわれるように、分枝性が弱くて親づるだけが1.5~2m程度に伸長するためあまり場所をとらず、強健で栽培しやすく、家庭菜園向きです。土壌に対する適応性は広く、土質は選びませんが、水はけのよい畑を好みます。
種まき~定植の育苗管理
種まきは、ポット(9~12cm)まきと直まきいずれも、直径4~5cm、深さ1cmくらいの穴を掘り、4~5粒をまいて土をかぶせ、手で軽く押さえて水やりします。本葉1~2枚の時に2本に間引きし、本葉2~3枚で1本立ちにします。
〈POINT〉 確実な発芽には保温を!
直まきではホットキャップをかぶせて保温し、ポット育苗でも25~30℃前後になるよう保温します。3~5日ほどで発芽します。定植適期苗は本葉4~5枚(種まき後30日前後)です。
畑の準備~定植または直まきまで
定植または直まきの2週間以上前までに苦土石灰を散布して深く耕します。1週間前に、直径30~40cm、深さ30cmほどの穴を掘り、底に堆肥を入れ、掘り上げた土に化成肥料、過リン酸石灰をかき混ぜて穴に埋め戻し、周りの土を集めて高さ10cmほどの定植床または直まき床を作ります。株間は1mほどにします。
〈POINT〉 肥料のやりすぎ厳禁!
苦土石灰は1平方メートル当たり2握り(約100g)、1穴当たり堆肥は約1kg、化成肥料(N:P:K=8:8:8)は1握り(約50g)、過リン酸石灰は軽く1握り(約20g)とします。定植は深植えにならないように。定植後はホットキャップをかぶせ、つるが伸びてきたら取りはずします。
定植後~収穫までの栽培管理
風で茎が折れたり、株が振り回されないように、支柱を立てて固定します。つるなしのため特に整枝する必要はありません。古い葉や病葉を除去し、風通しと採光性をよくして病気の発生を抑えます。収穫が始まったら3週間間隔で追肥します。
〈POINT〉 人工交配が確実!
朝、ミツバチが飛んでいないような場合、人工交配をおすすめします。その時、葉や茎にとげがあって痛い場合は軍手などをして手を保護します。追肥は1回、化成肥料を1株当たり軽く1握り(約30g)とします。
病虫害
カボチャの中では、ウイルス病やうどんこ病が発生しやすく、花に灰色カビ病がでて果実も腐ってくることがありますので注意しましょう。また、害虫では、ウリハムシ、アブラムシが多く発生しやすいので、被害が大きくなる前に防除します。
〈POINT〉 初期防除に努めましょう!
ウイルス病はアブラムシが媒介するので、生育初期は寒冷紗による被覆が効果的です。うどんこ病は、生育期間中の雨量が少なく、乾燥ぎみの天気が続く時に発生します。
収穫
開花後4~6日、長さ約20cmの若い果実を収穫します。収穫が遅れると果実が大きくなり、味が落ちるだけではなく、株に負担がかかるので注意します。「花ズッキーニ」は花が開きかけた蕾を収穫したもので、蒸し料理に適します。
〈POINT〉 収穫は遅れないように!
ハサミなどを用いて収穫しましょう。葉や茎にとげがあって痛い場合は、軍手など手袋をしましょう。