今月の菜園スケジュール 5月|野菜作りに最適な季節

5月に入ると初夏の陽気なゴールデンウィークの訪れとともに、梅雨入りまでは比較的天候も安定し、春夏の野菜作りに最適な季節となります。この時期は、苗の日々の変化に楽しみが多い反面、野菜の成長に合わせた仕立てや追肥の作業と、病気や害虫の発生には早めの対策、防除に手が抜けません。

また、秋から作付けしてきた野菜は、来月までかかるタマネギの収穫をもってシーズン終了とし、菜園の片付けを早めに行いましょう。

春植え野菜の苗、種イモの植えつけ(6月まで)

トマト、ナス、ピーマン、キュウリ、ゴーヤー、ミニメロンなど、多くの春夏野菜の苗が入手しやすくなります。しかし、温暖地でもゴールデンウィーク頃までは遅霜の心配があります。ビニールのトンネルやキャップで苗を防寒するとよいのですが、急に暑くなった時の日中には換気が必要。菜園に何度も通えない、慣れない初心者の方は植えつけをもう少し待ちましょう。

種まきの目安でもよく言われる「八重桜が散ってから」は、温暖地だと5月中旬頃。気温が安定するので、より苗の生育時の失敗が少なくなります。

サツマイモの挿し穂を植えるのも、遅霜の心配がなくなる5月中旬~6月に

サツマイモの挿し穂を植えるのも、遅霜の心配がなくなる5月中旬~6月に

春夏野菜の整枝、誘引、追肥(10月まで)

人気の春夏野菜についてポイントを。キュウリなどつる性野菜はもちろん、トマトやナスも苗の植えつけと同時に支柱を立てて誘引すると、風などに対して苗が動かずに根が安定し、生育がよくなります。苗には、成長にしたがって麻ひもなどで支柱に茎を結んで誘引し、余分なわき芽を摘む整枝が必要です。

つる性野菜では支柱やネットにつるを伸ばし、茎葉が重ならないようこまめに誘引、整枝します。追肥は野菜の種類と生育の具合によりますが、植えつけ1カ月後くらいから施します。速効性の肥料を用いて、与えすぎないよう注意して施します。

茎にひもを回して、支柱と茎の間で1~2回ひねって、支柱側で結べば誘引完了です。上から見て、ひもの形が8の字になっていれば大丈夫

茎にひもを回して、支柱と茎の間で1~2回ひねって、支柱側で結べば誘引完了です。上から見て、ひもの形が8の字になっていれば大丈夫

ジャガイモの土寄せと追肥(6月まで)

ジャガイモは新しくできたイモに日が当たらないよう、土寄せが必要です。土寄せは2回行います。1回目が草丈5~10cmに伸びた頃、2回目は蕾の見え始めた頃。高さ5~6cmほど株元に土をかぶせます。土寄せと同時に追肥を行います。化成肥料を1平方メートル当たり約20gが目安です。

マルチをしている場合は、土寄せは不要で追肥だけ行います。

ジャガイモは新しくできたイモに日が当たると緑色になり、食用に適さなくなります。生育期間中に2回、株元が隠れるように土寄せします

ジャガイモは新しくできたイモに日が当たると緑色になり、食用に適さなくなります。生育期間中に2回、株元が隠れるように土寄せします

タマネギの収穫(6月まで)

秋に苗を定植したタマネギが、ようやく収穫時期を迎えます。5月に収穫できるのはやわらかな食味の早生種。家庭で生食や新タマネギとして利用したければ、茎が倒れる前に順次収穫してもよいでしょう。貯蔵性が高い晩生種では6月から収穫になります。

収穫後貯蔵する場合、全体の約8割の茎が倒伏したら、天気のよい日にすべて掘り上げます。雨の当たらない場所で1~3日乾かしてから、数株ずつ束ねて風通しのよい場所につるすと、翌年の1月まで保存できます。

タマネギは長い栽培期間を要しますが、その間に比較的、手間がかからないのが家庭菜園での魅力です。

青い茎が倒れたら、タマネギの収穫適期のサイン

青い茎が倒れたら、タマネギの収穫適期のサイン

文・編集:園芸通信編集部

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