サカタのタネ ブリーダーに聞きました ブリーダー直伝!ネットメロン ころたん®栽培Q&A

ブリーダー直伝!ネットメロン ころたん®栽培Q&A

ネットメロンを家庭菜園で成功させるには、栽培のポイントを押さえることが大切です。これから「ころたん」に挑戦してみようと思っている方、以前は失敗してしまったという方も、ブリーダーの回答を参考に、ぜひおいしい「ころたん」の収穫にお役立てください!

ブリーダーとは?

品種開発担当者のこと。新しい品種を開発するのがブリーダーの仕事です。開発する品種の目標に合った親の選抜を行います。優れた品種を生み出すために、選抜した親同士を組み合わせます。そのため、1年間で交配する組み合わせの数は数百にも及びます。

メロンのブリーダー 栃木 隆廣

Q1. 「ころたん」を植えるには、どのような場所が適しますか。

A.
メロンはすごく光が大事な作物なので、朝から日中まで、よく日の当たるところがよいですね。なおかつ、メロンは雨に弱いので、雨が当たらない場所というのがポイントになります。鉢植えも雨が当たらない場所に置いていただいた方がよいです。地植えでハウスがない場合は、雨よけ資材を使うとよいです。

雨よけ資材

ハウスがなければ簡易的な雨よけ資材を使うのもおすすめ

雨に当てなければべと病やつる枯れ病などは、かなり抑えられます。少し大変だとは思いますが、雨に当てないという点を強く意識すると失敗しにくくなると思います。

また、定植時に保温や泥はね防止を兼ねて黒マルチを張ると、株元の雨よけにもなります。

定植時の保温や泥はねによる病気を防ぐため、黒マルチを使用するとよい

定植時の保温や泥はねによる病気を防ぐため、黒マルチを使用するとよい

Q2. 初心者は地植えと鉢植え、どちらがおすすめですか。

A.
根がどれだけ張れるかが「ころたん」成功のカギになるので、地植えがおすすめです。

「ころたん」露地栽培の様子

「ころたん®」露地栽培の様子

鉢植えの場合は、直径30cm以上の丸鉢かそれ以上の容量があるプランターを使います。

鉢植えはなるべく大型のプランターがおすすめ

鉢植えはなるべく大型のプランターがおすすめ

Q3. 「ころたん」は、どのような土や肥料を使ったらよいですか。

A.
鉢植えでしたら、野菜三昧」などの良質な培養土を使ってください。肥料は、マイガーデン」などの化成肥料で十分ですし、追肥は元気がないときにすぐに効く「ネイチャーエイド」などの液肥がおすすめです。

左:マイガーデン(R)粒状肥料 右:ネイチャーエイド 有機の液肥

左:マイガーデン®粒状肥料 右:ネイチャーエイド 有機の液肥

Q4. 苗の定植時に注意することはありますか。

A.
「ころたん」は、25~30℃の間だと生育がよい品種なので、その気温になるべく近づけることが大切です。早く植え過ぎると、葉が小さくなって生育が進まなくなってしまったり、葉と節の間が短くなったり、すごくつるが細くなったりすることがあります。そうすると、その後の生育もうまくいかないことが多いです。

苗が販売されるのが4月からなので早く植え過ぎるということはないですが、夜温は最低でも10℃くらい欲しいです。露地で低温の心配がある場合は、定植を4月下旬~ゴールデンウィーク明けに遅らせたり、寒い日や夜間は苗キャップを使用したりして防寒対策をするとよいと思います。

気温が10℃を切るような寒い日や夜間は苗キャップをして防寒対策を

気温が10℃を切るような寒い日や夜間は苗キャップをして防寒対策を

また、週間予報を確認して定植日から数日間、晴れが続くときに植えてほしいです。植えた後、すぐに根がスッと地面に伸びていくかどうか…いわゆる活着の違いが出てきます。定植日は晴れているけど、翌日以降は雨といったときに植えてしまうと、地上部も伸びず、根も動かなくなり、その後の根張りも悪いままになってしまいます。晴れが続く日に定植するのも大事なポイントです。

そして、定植直後の5~7日間は、毎日1回、100~200mlくらい株元に水やりすると、根が活着しやすくなりますよ。

Q5. 摘芯のポイントがあれば教えてください。

A.
親づるの摘芯

「ころたん」は、本葉5~6枚のころに本葉4~5枚を残して親づるを摘芯します。

「ころたん®」の親づるの摘芯

子づるの芽かき

摘芯から1~2週間後、親づるの葉の付け根から伸びた元気な子づるを地植えなら3本、鉢植えなら1~2本伸ばして、それ以外の子づるの芽は取り除きます。

〈地植え〉

「ころたん」子づるの芽かき(地植え)

〈鉢植え〉

「ころたん」子づるの芽かき(鉢植え)

子づるの葉8枚まで葉の付け根から出てくる孫づるの芽はすべて取り除いて、9枚目以降の孫づるに着果させます。

「ころたん(R)」は、9枚目以降の孫づるに着果させる

定植してから最初の着果までの期間は、1カ月くらいだと思います。幼いときに体力を使ってしまわないように、最初の果実を8枚目の孫づるまで着果させないことで、しっかりとした株作りができて、後半も元気よく育って収穫も長く続きやすくなります

Q6. 天気が悪くて「ころたん」の苗がなかなか植えられなくて、徒長したり、葉が黄色くなってしまったりしたら、どうしたらよいですか。

A.
肥料切れを起こして葉が黄色くなってきている可能性があるので、「ネイチャーエイド」で追肥します。

また、植えるのを待っている間に大きくなり過ぎると親づるが徒長してしまうので、場合によっては摘芯して子づるを伸ばしてあげるという方法があります。

「ころたん」のホームページでは、「親づるは本葉5~6枚のころに本葉4~5枚を残して摘芯する」と説明しています。

定植前に苗が伸びてきてしまった場合は、本葉4~5枚よりも上でもよいので摘芯して、出てきた元気な子づるを地植えなら3本、鉢植えなら1~2本残して、それ以外の子づるの芽は取り除きます。

定植前に苗が伸びてきてしまったら、本葉4~5枚よりも上でよいので摘芯して、出てきた元気な子づるを地植えなら3本、鉢植えなら1~2本残して、それ以外の子づるの芽は取り除く

天気が悪くひょろひょろに伸びた親づるの苗を植えても結局、回復するまで時間がかかるんですよ。親づるの摘芯位置は少し高くなりますけど、そこからでもよい子づるは伸びて定植の遅れに適応できるので安心してください。

Q7. 「ころたん」は、どのくらいの株間が適していますか。

A.
根の張る広さと収穫量は比例します。根がしっかり張れると樹も疲れにくくなり、収穫量も増えます。地植えなら株間を最低でも90cmは離していただきたいです。そうすれば、少なくとも10個は収穫できると思います。

「ころたん(R)」を地植えなら株間は最低でも90cmは離す

地植えは株間を90cm以上離すとよい

鉢植えだとどうしても根が張れるスペースが限られるので、液肥などで追肥をして補う必要があります。鉢植えは2~3個、4個も収穫できたら上出来だと思います。

Q8. 畑の畝はどのように作ったらよいですか。

A.
1日に必要な分だけ水を与えるのがよい作物なので、排水性が欲しいです。そのため、水をやってもすぐに下に落ちていく環境を作るために、畝高 20cmの高畝にします。メロンは湿害に弱く、根もあまり湿度に対して強くないので、いつも湿っているような土だと根や根元が腐ってしまいます

また、樹が大きくなり株元が葉で混み合ってきたら、蒸れないように古い葉を取り除いて、風通しをよくしてあげた方がよいですよ。

「ころたん(R)」の株元が葉で混み合ってきたら、古い葉を取り除いて風通しをよくする

株元が葉で混み合ってきたら、古い葉を取り除いて風通しをよくする

Q9. 水の管理について教えてください。

A.
水のやり過ぎはよくないので、鉢植えなら土の表面が白っぽく乾き始めてから水をやるのが大事です。基本的には、午前中に水やりして、夕方には半乾きで表面が少し乾いているくらいが理想です。

定植直後は、土が乾かないように一週間程度は水やりして、根を活着させます。メロンは着果後から果実を大きくするために、急激に水を必要とします。着果させるまでは、水を求めて根が伸びるように水やりを控えめにして、着果後は、水やりと追肥を定期的に行います

また、着果後はかなり水を吸うので、乾き過ぎにも注意が必要です。つるが細くなったり、葉が小さくなったり、節間が詰まったり、子づるの先端の方に固まって雄花が咲いてしまっている場合も乾燥や樹の草勢がすごく弱っているサインです。その場合は、水やりの頻度を増やしたり、追肥をしたりします。

Q10. 株がしおれて枯れてしまいます。何が原因でしょうか。

A.
しおれて枯れてしまうようでしたら、摘芯のポイントでもお伝えしたように、子づるの葉の9枚目くらいまで孫づるの芽は取り除いて、定植から着果までの期間を長く確保して、根を張らせるようにしてみてください。着果を遅らせることで根がしっかり張り、結果的に夏場のしおれ対策につながります

夏の暑さでしおれて枯れてしまった「ころたん(R)」

夏の暑さでしおれて枯れてしまった「ころたん®」

Q11. 肥料不足の見極め方を教えてほしいです。

A.
ここがこうだからこれだ!とすんなり決められない場合もありますが、目安としてどの辺りに異常が出ているのかを観察するのが大切です。

窒素が足りないと下位の葉から順に黄色くなっていくことが多く、追肥で対応します。また、つるが細かったり、葉が小さかったりする場合も窒素の配合量が高い液肥を与えるとよいと思います。

カルシウムが足りない場合は、つるの先端から黄色くなって枯れていく感じになります。カルシウム不足は、単にカルシウムが足りないわけではなく、窒素やカリウムが多いために拮抗作用でカルシウムが吸収できなくなっている場合があるので、追肥をやり過ぎていないか?という視点も必要です。

マグネシウムが足りない場合は、下位の葉の表面がかすれるように変色しはじめ、その後、葉脈の間が黄色くなっていきます窒素分が少し多かったり、暑過ぎてつるが伸び過ぎたりしているときに出やすいです。特に家庭菜園では、乾燥気味になっているときにも出やすいように思います。着果が増えてきたころから水やりの頻度を少し多めにします。苦土石灰や苦土入り肥料を土に散布する方法もありますが、効果が出るまで時間がかかるので、乾燥対策を優先した方がよいですね。

Q12. 雄花と雌花の見分け方を教えてください。

A.
一番よい見分け方は、形を見ていただくことです。

左:雄花(花の付け根がふくらんでいない)右:雌花(花の付け根がふくらんでいる)

左:雄花(花の付け根がふくらんでいない)右:雌花(花の付け根がふくらんでいる)

次に、雌花は子づるや孫づるの第1~2節で咲きます。親づるには雌花が咲かないので、目安にしてみてください。

Q13. 授粉は、朝早くにやらないとダメですか。

A.
成功率が高いのは朝8時か9時くらいまでで、成功率が下がりますが10時くらいでも間に合うと思います。雄花の花粉が蜜のようなものでぬれてしまっていたら、その日はもう授粉できません。前日が雨だと花粉が出るのが少し遅れるので、11時ごろでも間に合うことがあります

花弁を取り除いた雄花

花弁を取り除いた雄花

メロンは雌花、雄花と言っていますが、「ころたん」の雌花は両性花で、実は雌花の中にも花粉があるんですよ。だから、雌花の中にミツバチなどが入って、ごそごそするだけでも自家受粉します。メロンには種ができる過程で甘くなる仕組みがあるので、ミツバチあるいは雄花の花粉を雌花に付ける人工授粉を行った方が、味がよくなります

雌花に雄花の花粉を擦り付けて授粉している様子

雌花に雄花の花粉を擦り付けて授粉している様子

Q14. 「ころたん」の摘果は、どのようにしたらよいですか。

A.
「ころたん」は摘果をしなくても収穫できますが、摘果を行うことで株の状態を安定させ、結果として長い期間たくさん収穫できます。

長い期間、収穫するためのポイントは、子づるの葉の10枚目前後までは、子づるの葉の付け根から伸びてくる孫づるの芽を取り除くことです。

子づるの葉の10枚目前後までは、子づるの葉の付け根から伸びてくる孫づるの芽を取り除く

すると、子づるの葉の11枚目以降から出た孫づるの1節目に花が付きやすくなります。また、はじめの開花盛期に付ける果実は5個以内に抑えることで、株の消耗を防げます。この段階で実を付けすぎると、その後のつるの伸びや孫づるの生育が鈍くなります。適度に摘果をすることで株の負担を軽減できて、長く収穫を楽しめます。

「ころたん(R)」は、着果してしばらくは真ん丸ではなく楕円型をしている

「ころたん®」は、着果してしばらくは真ん丸ではなく楕円型をしている

Q15. 「ころたん」の収穫目安を教えてほしいです。

A.
「ころたん」は離層ができるので、収穫の目安が分かりやすいです。

矢印の白っぽい線が離層。この線がもう少しくっきりとかさぶたっぽくなったら収穫のサイン

矢印の白っぽい線が離層。この線がもう少しくっきりとかさぶたっぽくなったら収穫のサイン

あと、止め葉と呼んでいる果実のすぐ近くの葉が枯れ込むのも収穫のサインです。

果実のすぐ近くの止め葉が枯れている様子

果実のすぐ近くの止め葉が枯れている様子

授粉した日を書いておいて、55~60日後くらいを目安に離層が確認できたら、実のサイズに関係なく収穫します。少しでも離層が出ていたら収穫してしまって大丈夫です。根元ギリギリのところを剪定鋏で切って収穫します。

離層は、あくまでも成熟の目安の一つで、収穫目安の日数が過ぎても全く離層ができなかったり、見えにくかったりすることがあります。その場合は、果皮の色やネットの盛り、周りの葉の枯れなどを見て総合的に判断して収穫することになります。実を手で持って、実の付け根部分を支点に横に軽く倒してポロッと取れた場合は、見えにくくても離層ができていたということですね。

離層が完全にできると自然と実が落ちるんですけど、離層が出始めたくらいで切ってしまえば、落果させずに収穫できます。落果を防止するために、ネットや不織布マスクをハンモックのように取り付けていた方もいらっしゃいましたね。必ずしもやる必要はありませんが、こうしておけば夏休みにどこかへ出かけていても安心ですね。

落果防止に不織布マスクを利用してハンモックのようにすることも可能

落果防止に不織布マスクを利用してハンモックのようにすることも可能

Q16. 「ころたん」の実があまり甘くならないのはなぜでしょうか。

A.
糖度が上がらない原因は、大きく分けて二つあります。

一つは、着果が多過ぎの割に追肥が足りていなかったり、摘芯のポイントでもご説明した根がしっかり張る前に着果させてしまったりしたのが原因で、樹がしおれてしまうくらい弱っている場合です。

肥料が足りない場合は、追肥を与える頻度や量を増やします。根がしっかり張る前に着果させてしまっている場合は、摘芯のポイントで「子づるの葉の9枚目以降の孫づるに着果」と説明しましたが、子づるの葉の13枚目でも15枚目でもいいです。根の張る期間をより長くしてあげることで改善できます。液肥の頻度や量を増やしてあげるのもよいです。

もう一つは、元肥や追肥の量がすごく多くて樹が強過ぎても糖度が上がらなくなることがあります。その場合は、葉の色が黒っぽくなり、非常に大きくなります

左上の写真と比較して、右上は肥料が多く葉色が黒っぽくなっている

左上の写真と比較して、右上は肥料が多く葉色が黒っぽくなっている

そういった場合は、果実がいつまでたっても成熟しなくなるため、糖度が上がりにくくなります。窒素やカリウムの過多が予想されるので、追肥の頻度を低くしたり、リン酸とカリウムに特化した「ホストップ」のような肥料を使ったりして、窒素の吸収を抑えるのが有効です。

ホストップ 1L

ホストップ 1L

ただし、家庭菜園で「ころたん」を育てていて肥料が多過ぎてしまうことは、あまりないはずです。窒素が多過ぎると、花が咲かずにつると緑の葉だけの状態になります。でも、これはかなり特殊なケースだと思います。

Q17. 想像していたよりも「ころたん」の実が大きいようなのですが。

A.
暑いと実が大きくなることがあります。サイズが違ってもおいしさは変わりません

樹勢がよく、実が大きくなってもおいしさはそのまま

樹勢がよく、実が大きくなってもおいしさはそのまま

※ネットメロン「ころたん®」の販売期間は毎年11月下旬~5月下旬までになります。

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