日本の南西諸島から台湾、中国南部等、東アジアの亜熱帯、熱帯域等に広く自生するコンロンカ(アカネ科コンロンカ属 Mussaenda parviflora)は、黄色い筒状花のほかに萼片(がくへん)の 1 枚が大きくなり白く色づく。これは花を見かけより大きく見せ、虫を引き付ける役割を担っているはずだ。
この植物は雑草のようにどこにでも生えている。ただし、林縁、路傍や空き地に生えるときは灌木状になっているが、周りに背の高い樹木が多いジャングルに生える時は、つる植物状でほかの高木によじ登るように生育する。そして、20m近い樹冠にその白い萼片をチラつかせるのである。このようなフレキシビリティーこそ、繁栄しているこの種の原動力になっているのだろう。
中国雲南省の最南端、シーサンーパンナ付近で見かけたコンロンカ。黄色い花が咲くが、目立つのはやはり白い萼片のほう。
この写真では低木の一つとして成長しているように見えるが…。
時にはこんな高木にもなる…というわけではなく、こちらは高木をよじ登った結果。環境に合わせた成長ぶりは見事。