栄養が少ない環境下でも、虫たちから栄養を補って生きるというたくましさを持っている「食虫植物」。そのユーモアあふれる見た目や動き、生体そのものが童心をくすぐります。その個性的な生体が映像作品や漫画、ゲームといったポップカルチャーでも取り入れられ、キャラクター化されています。そんな背景もあって、多くの子どもたちが関心を寄せる存在で、夏休みの自由課題としても人気です。知れば知るほど、子どもから大人までとりこになること間違いなしです。今夏も各地の植物園で「食虫植物展」が開催されます。ぜひ「食虫植物」を観察してみてはいかがでしょうか?
※2025年7月の情報です。お出掛けの際は、事前に公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。
高知県立牧野植物園
虫を捕まえ自らの栄養源とする食虫植物。その不思議な生態を楽しくご紹介します。
「牧野植物園」は、高知が生んだ「日本の植物分類学の父」と知られる、植物学者・牧野富太郎博士の業績を顕彰するために、博士がなくなった翌年の1958(昭和33)年4月、高知県高知市五台山に開園しました。
夏の恒例の企画が「食虫植物展」です。栄養の少ない過酷な環境下において、いろいろなわなを仕掛けて虫を捕らえ、栄養を補給して生き抜く食虫植物がご覧いただけます。この温室には、虫を挟み込んで捕まえるハエトリグサや、虫を穴に落として捕まえるサラセニアやネペンテスの仲間などさまざまな食虫植物を集め、その生態と多様性をご紹介。どのように虫を捕らえ消化するのか、捕虫様式を四つのタイプに分けて展示し、どんな種類があるのかをお子さまにも分かりやすいように、実物展示とパネルを用いて詳しく解説しています。夏休みの自由研究の参考にしていただける内容となっています。
今年は、ハエトリグサの園芸品種を取り上げ、基本種とのちがいをパネルで紹介します。
大きな袋が特徴のウツボカズラの仲間
葉にある腺毛(せんもう)から粘液を分泌し、虫を捕獲するモウセンゴケの仲間
「食虫植物」は、南園の温室内で展示しています。
高知県立牧野植物園 概要
〒781-8125
高知県高知市五台山4200-6
電話番号: 088-882-2601
休園日:年末年始休園の12月27日~1月1日、メンテナンス休園の2025年6月30日、7月28日、8月25日、9月29日、10月27日、11月25日、2026年1月26日、2月24日
開園時間:9:00~17:00 ※最終入園は、16:30まで
入園料:一般850円、高校生以下は無料。団体(20名以上)750円 、年間入園券(1年間有効のフリーパス)2,500円
※令和7年4月1日 改定 身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳、戦傷病者手帳、被爆者健康手帳所持者と介護者1名および高知市・高知県長寿手帳所持者は無料。
駐車場:無料駐車場あり(普通車225台、バス6台)
食虫植物の展示期間、見ごろ: 2025年7月19日(土) 〜 8月31日(日)
関連イベント
●ハエトリグサの栽培教室
ハエトリグサの栽培管理や植え替え方法などをわかりやすく紹介します。参加者にはハエトリグサ1鉢をプレゼント!
開催日:2025年8月9日(土)、8月24日(日)
時間:10:00~11:00、13:30~14:30、15:30~16:30
定員:各回40名
場所:本館 映像ホール
参加費:無料(別途入園料必要)
申し込み方法:ホームページ、FAX、当園窓口にて受付。申し込み多数の場合は抽選です。
【受付開始】2025年7月2日(水) 9:00~23日(水) 17:00
【結果通知】当選者のみメールまたは電話にて、7月28日(月)までに連絡
●食虫植物のふしぎ体験
ハエトリグサが葉を閉じる様子を観察しよう!
開催日:2025年7月27日(日)、8月23日(土)
時間:13:30~15:30、1組10分
参加数:1組4名まで、計12回×2ブース
場所:植物研究交流センター キッズラボ
申し込み方法:当日受付、先着順。13:00~キッズラボ前にて先着順に整理券を配布します。
※「ハエトリグサの栽培教室」、「食虫植物のふしぎ体験」ともに参加費は無料ですが、入園料は必要です。
フラワーパークかごしま
両サイドに壁のないウインドスルーの屋内庭園では、アジサイ展やブーゲンビレア展など季節ごとの植物展も開催しています。
鹿児島県薩摩半島最南端の長崎鼻の近くに位置し温暖な気候と天然の松林に囲まれた地形をいかした世界各地の植物が楽しめる植物公園です。36.5ヘクタールの広大な敷地に、南アフリカやオーストラリアなどの亜熱帯植物や温帯植物を植栽しています。
開聞岳を背景にした花広場や、鹿児島湾を一望できる展望回廊、屋内庭園や西洋庭園などがあり、温室では色鮮やかなヒメショウジョウヤシ、ヒスイカズラ、メディニラ マグニフィカなどの熱帯植物が楽しめます。2月に見ごろとなる早咲きの桜「イズノオドリコ」は、毎年心待ちにしているお客様が多くいらっしゃいます。
ここ数年で、九州で有数の品種数、植栽数となった食虫植物は、34品種、60鉢を超え、昨年温室に常設のコーナーができました。さらに、食虫植物展では、ウツボカズラ(ネペンテス)の品種を増やし、解説も充実した内容となり、夏休みの自由研究にもおすすめです。
「食虫植物展」には、ウツボカズラ(ネペンテス)が20品種以上あり、自生地を再現した植栽もしています。食虫植物についての解説やクイズにもご注目ください。
モウセンゴケは6品種を水の流れるちょっとした滝や池に配しています。
薩摩半島の南端にある開聞岳を背景にした花広場には、色とりどりの花々でデザインした絵花壇も楽しめます。
鹿児島湾を一望できる展望回廊からの眺めもおすすめ、人気スポットです。
フラワーパークかごしま 概要
〒891-0513
鹿児島県指宿市山川岡児ヶ水1611
電話番号: 0993-35-3333
休園日: 12月30・31日
開園時間: 9:00~17:00 ※最終入園は16:30まで
入園料:高校生以上630円、小・中学生310円、幼児無料
駐車場:無料駐車場あり。525台 ※利用可能時間9:00~17:00
食虫植物の見ごろ:通年展示 ※食虫植物展は、2025年7月19日~8月31日
関連イベント
●園芸教室「食虫植物の寄せ植え」
開催日:2025年8月10日(日)
文・編集/園芸通信 編集部