季節の花めぐり キク

9月に入るとまずやってくるのが、例年9日の「重陽(ちょうよう)の節句」です。無病息災や長寿を願って、キクを盃や升に浮かべた「菊酒」、キクをお風呂に浮かべた「菊湯(または菊浴)」などの習わしもあり、「菊の節句」とも呼ばれています。今年もそのように楽しまれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

あっという間に9月も最終日となり、まだまだ日中の気温は落ち着きませんが、夕暮れが早くなり、夜温も下がってくるようになりました。今回の花めぐりは、そんな秋の足音を感じる季節にぴったりの「キク展」をご紹介します。お出かけしやすい気候ですので、キクの豪華な姿や香りを楽しみに、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

※2025年9月の情報です。お出掛けの際は、事前に公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。

ながめ公園

五重塔とながめ余興場が一度に見られる人気スポットです。

「ながめ公園」は、群馬県みどり市に位置し、眺めのよさから「ながめ公園」と名付けられました。昔は遊園地として、関東各地から何キロもの行列をなすほど人が訪れたともいわれています。

現在は、四季折々の花や高津戸峡(たかつどきょう)を望む公園として親しまれ、毎年、秋には菊の花の祭典「関東菊花大会」でにぎわいます。園内の一角には、昭和12年(1937年)に建てられた木造2階建ての劇場「ながめ余興場」があり、寄席や歌舞伎の公演で利用されています。

毎年、ながめ菊華会の会員から出品され、菊花の展示・審査が行われます。

群馬県の三名山の1つである、赤城山をモチーフにしたキクをはじめ、アーチ状のキクや千輪咲き、盆栽作りなど、約1000鉢が展示されます。

人形の衣装をキクの花や葉で彩った、菊人形。

菊花大会の期間中は、紅葉シーズンとも相まって、ながめ公園から見た高津戸峡が、絶景に!ぜひ、合わせてご覧ください。

ながめ公園

〒376-0101
群馬県みどり市大間々町大間々1635
電話番号:0277-72-1968(ながめ余興場)、0277-76-1270(みどり市役所観光課)
休園日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月4日)
※関東菊花大会期間中は休園日なし、会場となるため「ながめ余興場」の見学はできません。
開園時間:9:00~16:00(最終入園は15:30)
入園料:ながめ公園は無料です。ながめ余興場の見学は、個人一般300円、個人小中学生150円。団体(20名以上)は一般250円、小中学生100円です。
駐車場:無料駐車場250台
キクの見ごろ:11月上旬~下旬

関連イベント

「関東菊花大会」の詳細が決まり次第、公式サイトでお知らせがあります。ご確認の上、ご来場ください。

●「関東菊花大会」

開催期間:例年10月下旬〜11月下旬
入場料:個人は一般400円、小中学生200円。団体(20名以上)は一般350円、小中学生150円。

小田原城址(じょうし)公園本丸広場 小田原城菊花展

小田原城を背景に多種多様な菊花をお楽しみいただけます。

秋の風物詩として親しまれ、今年で75回目を迎える「小田原城菊花展」が2025年11月02日(日)~2025年11月16日(日)に小田原城の本丸広場で開催されます。小田原城のミニチュアを小菊で飾った「小菊総合花壇」をはじめ、大菊・盆栽・スプレー菊など、丹精込めて育てられた菊花が並びます。菊花展は、小田原清香会員及び小田原並びに近郊の人びとが一年間丹精を込めて育てあげたキクを一堂に集めて展示することにより、菊栽培技術の向上と普及、更にはキク栽培を通じて社会文化の向上を図るとともに、多くの観光客を誘致する一助のために開催しています。

「小田原城菊花展」の他にも小田原周辺では、小田原フラワーガーデンの「秋のローズフェスタ」が10月18日(土)~11月24日(月・祝)に開催します。約160品種360本、品種別に異なった秋バラの魅力をお楽しみいただけます。詳細は、小田原フラワーガーデン公式サイトをご覧ください。また、11月ごろに見ごろを迎える「ざる菊園(鈴木さん宅)」では、約1,500株のざる菊が華やかに賑わいます。小田原にお越しの際は、合わせてお楽しみください。

小田原城のミニチュアを小菊で飾った「小菊総合花壇」。

鉢から垂れ下がるように多くの花を咲かせている「懸崖(けんがい)菊」。

展示区分ごとに審査を行い、入賞を競い合います。

キクの苗販売や菊花で彩ったキーホルダーの販売も行います。

小田原城址(じょうし)公園本丸広場

〒250-0014
神奈川県小田原市城内 小田原城址公園 本丸広場
電話番号:0465-20-4192
休園日:なし。
開園時間:10:00~16:00
入場料:無料
駐車場:なし。市営駐車場や公共交通機関をご利用ください。

関連イベント

●「小田原城菊花展」

開催期間:2025年11月02日(日)~2025年11月16日(日)
入場料:無料

岡山後楽園

岡山後楽園の正門に「総合花壇」と小菊の「集合花壇」を設置し、お客様をお迎えしています。

岡山県岡山市にある岡山後楽園では、恒例行事として1958(昭和33)年から毎年、秋に菊花大会を開催しています。展示している花々はいずれも県内の菊愛好者が丹精込めて栽培した作品で、11月上旬に出来栄えを審査し、優秀なものを表彰します。心地よい秋の一日、菊花の香り漂う庭園の散策をお楽しみください。

総合花壇では、懸崖などさまざまな仕立てのキクを組み合わせた立体的な花壇です。

福助作りは、草丈を低く抑え、50cm以内に育てた1本仕立てのキクです。福助人形を連想させる姿からこの名が付きました。

こちらの大菊花壇は、大菊12鉢で構成しています。すべて違う品種のキクで、白・黄・赤色の各4鉢を交互にならべます。

ダルマ作りは、小型の三本仕立ての菊です。全体が丸っこくダルマのような形からこの名が付きました。

岡山後楽園

〒703-8257
岡山県岡山市北区後楽園1-5
電話番号:086-272-1148
休園日:なし
開園時間:10月1日~3月19日は、8:00~17:00(最終入園は16:45)。 3月20日~9月30日は、7:30~18:00(最終入園は17:45)
入園料:大人500円、65歳以上200円、高校生以下無料(生徒手帳の掲示あり)
駐車場:有料駐車場あり。570台
キクの見ごろ:11月上旬

関連イベント

●「岡山県後楽園菊花大会」

開催期間:2025年10月19日(日)~11月9日(日)
※「岡山県後楽園菊花大会」の詳細は、決まり次第、公式サイトでお知らせがあります。ご確認の上、ご来場ください。

宗像大社(辺津宮)

コンパクトな草姿に仕立てる「だるま作り」の展示。

昭和46年の宗像大社、「昭和の大造営」を記念して始められた一大神賑行事です。2025年11月3日(月)~11月28日(金)に開催される「西日本菊花大会」は、今年で第55回を迎えます。境内は、九州各県・山口の菊愛好家が丹精を込めて育てた約1000鉢の菊花が展示され、宗像の秋を彩る催事となっています。

まるで崖から垂れ下がったように仕立てる「懸崖(けんがい)作り」。こちらは「前垂れ型」と呼ばれる様式です。

懸崖作りの中でも、左右への広がりを見せる「静岡型懸崖」。

大輪のキクを1人の作者によって三本仕立て、12鉢で構成する「三本立て12鉢花壇」です。複数名の作品がずらりと並ぶ姿は、圧巻です。

宗像大社(辺津宮)

〒811-3505
福岡県宗像市田島2331
電話番号:0940-62-1311
休園日:なし
開園時間:9:00~17:00
入園料:無料
駐車場:無料駐車場500台
キクの見ごろ:11月中~下旬

関連イベント

●「西日本菊花大会」

開催期間:2025年11月3日(月)~11月28日(金)

本年の『季節の花めぐり』は、ひとまずここまで。来年も花々の見ごろとともに情報をお届けいたします。どうぞお楽しみに。

文・編集/園芸通信 編集部

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