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連載

【第2回】どんな庭でも基本は土作りから

文・写真

加地一雅

かじ・かずまさ

株式会社エクステリア風雅舎代表。1987年、苗の育成から個人邸の庭のデザイン、施工、メンテナンスまで行う風雅舎を設立し、現在に至る。草花が自然風に咲くナチュラルガーデンを啓蒙、普及されるべく奮闘中。


執筆者の加地先生は2017年12月にご逝去されました。謹んでお悔やみ申し上げます。皆様の園芸知識向上にこの連載を役立ててほしいとのご家族様のご意向から、文章はご執筆当時(2016-2017年)のまま継続して掲載をさせていただくことになりました。時代を感じさせる部分があるとは思いますが、お含みおきの上ご覧ください。

【第2回】どんな庭でも基本は土作りから

2016/02/09

庭に花を植えようと思い立った時、まず最初にやる作業は土作りです。
花壇作りの最初のヤマ場が土作り。これさえしっかりやっておけば、ほぼ花が育つことを保証されたようなものです。
では、土作りにレッツトライ!

イラスト:ハンダタカコ

-ポイント1- 土をよくする土壌改良とは?

土壌改良材の正しい使い方

植物が元気に育つ土とは、ひとことで言うと、スコップが楽にサクッと土に入り、雨が降ってもサッと水がはけ、土そのものがある程度湿度を保つことができる土のことです。

このような土にするには、どうすればよいか?

ここで土壌改良材の登場です。

土をやわらかく、土壌湿度も保ちつつ水はけもよくするのがパーライトです。3~5mmの小粒径のものがおすすめです。
1平方メートルの花壇に20~30Lすき込むのが目安です。
鉢底に入れる大粒のものや逆に細かな粉状のものは土壌改良には向いていないので使えません。

モミガラくん炭もおすすめです。土をやわらかくしつつ水はけもよくなり、さらに土壌微生物の繁殖場所にもなるので植物の根張りもよくなります。1平方メートルの花壇に10~20Lすき込むのが目安です。

パーライト、モミガラくん炭とも最初の土壌改良で混ぜることができれば、植え替えごとに加える必要はありません。

-ポイント2- 土壌菌の活動が土を元気にする

堆肥と腐葉土の性質

土壌改良に欠かせないのが堆肥や腐葉土などの腐植質です。
天然の有機物を発酵して作る堆肥や腐葉土は、その腐植質そのものが土を豊かにするのに加え、土壌菌がいっぱい繁殖しているので、土が生き生きして元気になります。元気な土には、植物も元気な根を張り、その結果、元気な植物体に育ちます。

堆肥は原材料によって質や成分は変わるのですが、どんな原材料であっても、しっかり時間をかけて熟成させたものが良質でおすすめです。
腐葉土も同様です。質のよい腐葉土を見極めるには、ほとんど原形をとどめず、適度な湿り気があり、いやなにおいや刺激臭がないことを確認します。

堆肥、腐葉土共に1平方メートルに10~20Lすき込むのが目安です。
堆肥、腐葉土は有機物で分解されますので、2~3年に一度土の状態を見て適量加え、地力を維持します。

-ポイント3- 土壌改良材プラス元肥と苦土石灰で土作りはバッチリ

土作りを完成させる方法

土壌改良材そのものは肥料成分をあまり含んでいません。

そこで必要なものが元肥(もとごえ)です。元肥には土壌菌が繁殖しやすく、環境に優しい有機質系の肥料がおすすめです。チッ素肥料として油粕、リン酸肥料として骨粉が土を優しく肥やします。

また、元肥と同時に土壌酸度の調整に苦土石灰を混ぜると、酸性化が進む土の改良に役立ちます。
油粕、骨粉それぞれ1平方メートルに100~150gくらい、苦土石灰は1平方メートルに200~300gくらいを目安に、改良時に土壌改良材と一緒に土にすき込みます。
土の深さは20~30cmくらいよくかくはんしながら混ぜ込みます。
改良後、1週間程度は土を落ち着かせ、その後に植物を定植します。

植物が元気に育つには、土に元気に根が張らなければなりません。
植物を育てる第一歩、土壌改良をしっかりしてよい土作りからスタートしましょう。

次のページでは、具体的な土作りのやり方を写真とあわせて確認しましょう!

-実践編- 実際に花壇の土作りをやってみよう

1.花壇に適した場所を探す

白線内が小さな花壇の対象エリア。広さは約1平方メートル

花壇作りの第一歩は花壇の適地探しから始まります。日当たりがよく、花壇にしてよく見え、よく映える場所がベストです。
写真のように、石積みで地面より少し高くなっていると水はけがよくなり、植物の根張りもよくなります。
場所が決まったら花壇の輪郭を描き、面積を測って土壌改良材の必要量を割り出します。

2.土作り作業スタート

作業のスタートは荒起こしからです。
まず、地面の雑草を抜き、スコップで深さ30~40cmくらいまで全体を掘り返します。この時、石ころやもともと生えていた木や草の根を取り除きます。
掘り返して出た土の塊は小さく砕き、土壌改良材と混ざりやすくします。

3.土壌改良材、元肥を準備する

左上からパーライト20L、モミガラくん炭10L、堆肥10L、そして左下から油粕100g、骨粉100g、苦土石灰200g

荒起こしが終わったら一度軽く地面をならし、土壌改良材、元肥を必要量、土の上にばらまきます。
写真では1平方メートルの花壇の参考例として並べてみました。これらは土の状態を見て、加減します。

4.荒起こしした土とよく混ぜる

土壌改良材、元肥が土にまかれたら、荒起こしをした深さ30~40cmの土とよくかくはんしながら、まんべんなく土壌改良材と元肥が混ざるようにスコップで耕します。
ここは一番大切な作業ですので、しっかりと時間をかけて耕します。

5.最後は整地して完成!

理想的な土のできあがり

耕し終えたら、最後は地ならし(整地)です。
レーキがあればよいのですが、ないときは長さ20cmくらいの板切れでもきれいにならせます。

ならし終えて1週間くらいはそのまま寝かせて、土を落ち着かせます。
これで土壌改良は終了。あとは植物の定植を待つばかりです。

次回は「庭に小さな花壇を作ってみよう[デザイン編]」の予定です。お楽しみに。

JADMA

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