

制作・文・写真
青木純子
あおき・じゅんこ
園芸家・フォトグラファー。京都市在住。庭で育てた草花を使い、生花のアレンジや押し花、ドライフラワーを作るアフターガーデニングを提案。2015年から『ガーデンフラワーカレンダー』(主婦の友社)を発行。ホームページはhttp://www.j-aoki.gr.jp/
【第36回】簡単クリスマスアレンジ・アラカルト
2016/12/06
クリスマスリースもすてきだけど、もっと手軽に作れるクリスマスアレンジはいかが? 今月は、庭の剪定枝で作るガーランドやキャンドルホルダー、ツリーなど、簡単クリスマスアレンジをいろいろご紹介します!
毎年やって来るクリスマスだからこそ今年も楽しみたい!
クリスマスにガーランドやキャンドルホルダー、ツリーはいかが?
毎年庭の剪定枝でクリスマスリースを作っているけれど、今年は手軽に作れるクリスマスアレンジをたくさん飾って、クリスマスシーズンを楽しみませんか? ガーランドは小さなブーケを作って麻ひもに固定するだけ。キャンドルホルダーは剪定枝を器にのせて木の実をトッピング。ツリーはオアシスに剪定枝を差し込んで作るだけ。今月はそんな簡単アレンジを中心にご紹介します。
木の枝や飾りをのせて作る簡単キャンドルホルダー
用意するもの:ウエストリンギア、ユーカリ、サルココッカ、ツルマサキ、モミノキ、ナンキンハゼ、キャンドル、市販の星形の木のオーナメントや木の実、剪定ばさみ、器(直径30cm)
材料を器にのせて作る簡単キャンドルホルダー。ワイヤもグルーガンも使いません。器の中央にキャンドルを置いたら、残りのスペースに材料を盛っていくだけ。リースのように、剪定枝の方向をそろえて少しずつ重ねていくと仕上がりがきれいです。後は、隙間に星形のオーナメントや木の実をトッピング。テーブルセンターピースにぴったりです。ガラスの器に入ったキャンドルなら火をともしても安全。
[1]枝は約10cmの長さにそろえ、モミノキ以外は下葉を取り除いておくと作りやすい
[2]モミノキを器に沿ってリースを形作るように少しずつ重ね、円に仕上げる
[3]モミノキの隙間に、残った剪定枝をどの方向からも見えるように差し込む
[4]空いたスペースに色バランスよくオーナメントと木の実を置く
ブーケを麻ひもに付けるだけの簡単ガーランド
用意するもの:メラレウカ、サルココッカ、ウエストリンギア、野バラの実、金色に着色したペッパーベリー、カスリナパッド、市販の星形のオーナメント、麻ひも、ワイヤ(28番)
長さ8~10cmの小さなブーケを作り、麻ひもに固定するだけの簡単ガーランド。飾る場所に合わせてブーケの個数や麻ひもの長さを調節します。ブーケの間隔は約15cm、間にクリスマスオーナメントの星などを接着すればすてきです。飾り方は麻ひもが弧を描くように緩めに壁に張ったり、ピンを使ってジグザクに掛けたり、テーブルセンターピースの周りに無造作に置いたり。工夫次第ですてきな飾り付けができる楽しいアレンジです。
[A]ワイヤでブーケを固定。このとき、長めにワイヤの端を残すのがポイント。残したワイヤの端を麻ひもに結び付けてブーケを固定する。表に見えるブーケを縛ったワイヤを、カスリナパッドを接着して隠す
[B]モミノキ、シキミア、ヒペリカム、ヤシャブシなどに花材を変えて作ったクリスマスカラーバージョン
庭の剪定枝をオアシスに差し込むだけの簡単ツリー
用意するもの:ツリー/ヒムロスギ、市販の白いクリスマスオーナメント、器、ピンセット、オアシス、食事用ナイフ、剪定ばさみ、グルーガン、ガラス玉を入れたビニール袋
サイドディッシュ/モミノキ、ゴールドクレスト、器、マツカサなどの木の実、オアシス、食事用ナイフ、剪定ばさみ、グルーガン
庭の剪定枝で作る簡単ツリー。ヒムロスギやゴールドクレストのように密に葉が茂ったコニファーなどの枝を使うのがポイントです。ツリーのベースに淡い緑のヒムロスギや白いコンテナを選ぶと、繊細な印象のツリーが完成します。ホワイトクリスマスをイメージして、シンプルに白い星や雪の結晶のオーナメントを飾りました。
[1]材料と道具を用意する。ツリーを倒れにくくするためにガラス玉を入れたビニール袋を器の底に置く
[2]食事用ナイフを使ってオアシスを整形し、ガラス玉の上に入れる
[3]形の良い長い剪定枝を中央に差す
[4]隙間を埋めるように、ツリーの形の三角錐をイメージしながら剪定枝を差し込む
[5]剪定ばさみでツリーの形に整えて完成。白いクリスマスオーナメントを飾る
[1]グルーで器に固定したオアシスにモミノキの小枝を差し、高さと横の広がりを決める
[2]モミノキなどを差し、ラウンドシェイプを形作る。マツカサなどの木の実をグルーガンで接着して完成
ツリーのベースにモミノキを使うとオーソドックスな雰囲気に仕上がり、金や銀のオーナメントを飾るとゴージャスなツリーが完成します(写真上)。また、同じモミノキでも、赤や黄の木の実を選ぶと、写真下のサイドディッシュのようにキュートな感じに仕上がります。木の枝やオーナメントの組み合わせ方、器で印象ががらっと変わるから、毎年同じアレンジを作っても飽きません。
オアシスに小枝を差して作るマグカップ・アレンジ
用意するもの:サルココッカ、斑入りアベリア、ローズマリー、チェッカーベリー、ヒペリカム、小ぶりのオーナメント、マグカップ、オアシス、食事用ナイフ、剪定ばさみ、グルーガン
マグカップにオアシスを入れ、庭の小枝を差しただけ。ちょっと時間があるときに、あっという間に作れる簡単アレンジです。マグカップに食事用ナイフでオアシスを整形して入れ、後は小枝を差すだけ。オーナメントは小ぶりのものがおすすめです。市販の星形の小物などをグルーガンで接着すれば、すてきなクリスマスアレンジの出来上がり!
[A]小枝の下葉を取って切り口を斜めに切るとオアシスに差しやすい
[B]剪定枝や飾りの色を器に合わせてシックに。材料はウエストリンギア、斑入りアベリア、サルココッカ、金色に着色されたペッパーベリー、カスリナパッド、市販の星形のオーナメント
庭の剪定枝で作るガーデナーズリース。クリスマスプレゼントなら、贈る方のお好みのリボンを選ぶと喜ばれます。リボンの印象でリースの表情が決まるから、リボンの色合いや雰囲気に合わせてオーナメントを選ぶと失敗がありません。ベースは庭のローリエやゴールドクレスト、ユーカリの剪定枝など。上のリースの飾りはセンダン、マツカサ、カンガルーポーなど、下のリースは銀色に着色されたマツカサやペッパーベリーなどを飾りました。
リースを作り始めたころ、わが家の庭木はまだ幼くて枝を切れませんでした。ちょうど近くのマンションの庭木を庭師さんたちが剪定していたので、勇気を出してお願いし、枝をたくさんもらってリースを作った記憶があります。思い返せば恥ずかしいけど、今では全て地産地消! わが家の庭木の剪定枝で賄えるようになりました。自分用に、友人用にと、少しずつ庭木を剪定してクリスマスリースやアレンジを作ります。テーブルの上や壁、ちょっとしたスペースに手作りのクリスマスアレンジを飾ると、いくつになってもうきうき! クリスマスの魔法ですね。
次回は「今が考え時! 夏のキッチンガーデン計画」を取り上げる予定です。お楽しみに!