制作・文・写真
青木純子
あおき・じゅんこ
園芸家・フォトグラファー。京都市在住。庭で育てた草花を使い、生花のアレンジや押し花、ドライフラワーを作るアフターガーデニングを提案。2015年から『ガーデンフラワーカレンダー』(主婦の友社)を発行。ホームページはhttp://www.j-aoki.gr.jp/
【第44回】庭を彩るローメンテナンスな葉物
2017/08/01
夏に大活躍するローメンテナンスな葉物たち! 「無理しない園芸で美しい庭作り」を目指して集めた数々の手間いらずの葉物たちが、夏の庭に潤いと心休まる空間をつくり出してくれます。今月は、庭を彩るローメンテナンスな葉物たちをご紹介!
暑い夏、安らぎを与えてくれるのは庭をみずみずしく彩る葉物
豪雨や酷暑に負けないローメンテナンスな葉物たち!
5年前に始めた「無理しない園芸で美しい庭作り」。この先ずっと大好きな植物たちに囲まれていたいからと、先を見越して始めた園芸です。この5年の間、京都市のわが家の庭で多数の植物に挑戦しながら少しずつ庭作りをしてきました。そんな経験を踏まえてセレクトしたのが、今月のおすすめのローメンテナンスな葉物たち。丈夫で手間いらずの植物たちを適材適所に植えてあげたら、暑い夏の園芸作業が減ってずいぶん楽。今月は、異常気象にも負けないローメンテナンスな葉物たちをご紹介します。
色や質感、表情の異なる葉物たちが織りなす緑の花壇!
私にとってローメンテナンスな植物とは、耐寒性や耐暑性が強く、また病害虫にも強く成長旺盛で、自然に形の整う花木や宿根草のこと。草丈でいえば約50cmの低い植物が多いと、支柱をする必要もなく、突然の豪雨でも倒れないから庭が荒れません。
上の写真のリビングに面した半日陰の花壇では、好みの植物や、冬でも寂しくないように常緑の花木や宿根草を点在させて植栽。色や質感、表情の異なる葉物たちがシックに彩る夏の花壇を眺めていると、暑さを忘れ、落ち着きます。
北海道の「風のガーデン」で見つけたプルモナリア。半日陰の花壇のカラーリーフにおすすめです。半日陰でも毎年早春に青やピンクの愛らしい花をたくさん咲かせ、花後は個性的な葉をどんどん横に広げるからグラウンドカバーにぴったり。ユニークな斑入り葉が夏の庭を涼しく彩ります。
夏の庭の主役はローメンテナンスな葉物たち!
上の写真は8月の裏庭、西側の様子。夏の花は草丈が約50cmのルドベキア「リトルスージー」やミソハギだけ。秋まで緑葉が覆う庭になります。一見地味だけれど、美しい葉物たちが庭をみずみずしく彩るから、涼しく感じられ居心地抜群です。実は、元気で手間いらずの葉物たちが多い方が園芸作業も楽。ちなみに、わが家の夏の園芸作業は、茂り過ぎてお隣の邪魔をする葉や枝をたまに整理し、水やりをするくらい。緑の庭に色を添えたいときは、手間いらずの「サンちゅらか」などの一年草の鉢植えを通路に飾ります。
春の新芽、夏の緑葉、秋の紅葉と楽しめるように葉物をセレクト!
通りに面した北向きの夏の表庭は、葉物たちが主役。これだけ密植すると、雑草も生えません! 以前はカラフルな一年草を植えた華やかな花壇だったけれど、だんだんと植え替えが面倒になったり、腰が痛くなったり……。そこで先を見越して、手間いらずの美しい葉物たちが彩る花壇にリフォームすることにしました。春はクリスマスローズ、初夏はアジサイ、夏はギボウシ、秋はモミジなどの紅葉が楽しめ、常緑のローズマリーやニューサイラン、スキミアなども植えて緑の絶えない花壇に方向転換。おかげで、季節ごとの植え替えもなくなり、夏は水やりだけ。ずいぶん楽になりました!
温暖化のせいで、最近の天候はガーデナー泣かせ。豪雨や酷暑、巨大な台風、そして冬の豪雪……。庭の植物たちも極端な異常気象に合わせるのが大変です。こんなときこそ、おすすめのローメンテナンスな葉物たちが大活躍! 斑入り葉や銅葉、青緑、淡い緑と個性的な葉物の種類は豊富で、色合いも思ったより多彩です。暑過ぎて庭に出たくない夏や、花や緑の少ない冬に重宝します。「花いっぱいの庭でなくても、花を引き立てる緑が美しい」、そんなふうに感じられたら、暑い夏だけでなく、ガーデニングはもっと楽になるはず!
次回は「ロンドン旅行記5〜コロンビア・ロードのフラワーマーケット」を取り上げる予定です。お楽しみに!